The Motley Fool

【米国株動向】2021年5月の株式相場はどのように動くのか

出典:Getty Images

新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう中、NYダウ・ナスダック・S&P500の3指数が史上最高値を更新しつづけています。

コロナショックから一年がたち、各企業からその影響を色濃く受けた2021年最初の決算が発表されています。

またバイデン大統領によるキャピタルゲイン増税が騒がれるなど、市場には不明瞭感が漂っています。

さて、5月の株式市場はどのようになるでしょうか。

過去の値動きや5月のアノマリーについて触れながら、2021年5月における米国株式相場の動きについて考察していきます。

セルインメイ(SELL IN MAY)とは

株式市場には様々なアノマリーがあります。

アノマリーとは、ポートフォリオ理論など相場に関する理論的な枠組みでは説明することができないものの、経験的に観測されているマーケットの規則性のことです。

アノマリーとは?アノマリーを利用した株式投資について説明

「セルインメイ」は5月に見られるアノマリーを示す格言となっています。

格言の全文は「Sell in May, and go away. Don’t come back until St Leger day.(5月に株を売って市場から去れ、そしてセントレジャーデーまで戻ってくるな)」です。

セントレジャーデーとは、アメリカで毎年9月の第2土曜日に行われる競馬の大レースが由来です。

これの意味するところは、5月を高値に9月まで下落する傾向にあるため株を売り、逆に9月以降は上昇する傾向にあるため戻ってこい、ということです。

あくまで格言、アノマリーなので毎年必ず5月から株価が下落していくということはありません。

過去10年間の株式相場の動き

さて、S&P500種株式指数の過去10年の動きからセルインメイについて確認してみましょう。

それぞれ5月1日の始値から9月30日の終値にかけての騰落率、10月1日の始値から次の年の4月30日の終値にかけての騰落率を示しています。

5-9月 10-4月
2020年 17.2% 23.7%(4/26日まで)
2019年 0.8% ▲2.4%
2018年 10.3% 0.7%
2017年 5.5% 5.0%
2016年 4.9% 10.25%
2015年 ▲8.0% 7.6%
2014年 4.7% 5.8%
2013年 5.3% 12.0%
2012年 3.1% 10.9%
2011年 ▲17.1% 23.6%
2010年 ▲4.0% 19.2%

過去10年において、セルインメイが正しく機能しているのは3年間しかありません。

もしこのアノマリーを信じて5月に株を売却していたら大きな機会損失となります。

ただ、10月から翌年の4月にかけては2019年を除いて上昇しています。

また5月から9月にかけてもおおよそ上昇していることから、株式投資において長期保有が有効であることが伺えます。

5-9月と10-4月の間に負の相関があり、つまり5-9月における騰落率が下がると、10-4月において騰落率が上がる傾向にあります。

その点において「Sell in May, and go away. Don’t come back until St Leger day.(5月に株を売って市場から去れ、そしてセントレジャーデーまで戻ってくるな)」という格言は的得ているといえなくもないです。

そもそもなぜ、このような格言が広まったのでしょうか。

理由の一つにヘッジファンドの決算があります。

ヘッジファンドの多くは欧米の金融機関であるため、決算日は6月と12月になる場合が多いです。

しかし45日ルールと呼ばれる、「ヘッジファンドに解約を申し込むときには、決算日の45日前までにしなければならない」という決まりがあります。

つまり6月末と12月末の45日前である5月中旬と11月中旬に解約が集中することになり、ヘッジファンドとしては解約に備えてキャッシュを用意する必要が出てきます。

そのため5月を境に売却が増えるため、市場全体が下落傾向になる、と考えられていました。

二つめは、米国の税制度による影響があるとされています。

投資家は毎年1月半ばから総合課税の還付を請求し、源泉徴収され過ぎた分は1月末頃から還付が始まります。

この還付金は例年20~30兆円程度と巨額で、還付は5月まで続くため、その間、株式市場へ資金が流れるため、5月までは市場が強気になると考えられています。

三つめはセルインメイそのものによるものです。

セルインメイと呼ばれるアノマリーや格言はとても有名であり、多くの投資家が気にしています。

そのため、セルインメイを信じた投資家が売却し、リスクを恐れて売却に走る投資家がでてきます。

その結果、本当に5月を境に下落してしまう、と考えられています。

2021年5月の相場はどうなるのか

では続いて本題である2021年5月の相場がどのように動くのかについて考察していきます。

2020年10-4月は23.7%(4/26日まで)と非常に強く上昇しています。

もし負の相関があるとするならば、今年の5月からの騰落率は低くなると予想できます。

また、コロナウイルスは依然として猛威を振るっており、新たな変異株がインドのコロナウイルス感染者の激増につながっているとも言われています。

変異株に対して現在流通しているワクチンに効果があるかも不明であることから、リスクオフに傾く可能性が十分あります。

その中で、「セルインメイ」の格言を思い出した場合、投資家は自身のポジションを売却せずにはいられないかもしれません。

このようにアノマリーは結果的に現れる「相場パターン」の傾向にすぎず、アノマリーに頼った投資活動はやめておいたほうがいいでしょう。

まとめ

5月のアノマリーは直近10年においてあまり機能していないようです。

今年については新型コロナウイルス感染症、そして変異株という通常とは異なる要因があります。

そのためセルインメイとは関係なしに下落する可能性があります。

しかしここでセルインメイを意識して売却するのはおすすめしません。

長期的な投資においてセルインメイは気にする必要がないからです。

先ほど見たように5月以降に下落傾向にあるとはいえ、株式市場はトータルでは上昇し続けており、5年、10年というスパンで投資活動を行うのであれば、保有し続けていることで十分利益を出せます。

仮に下落した場合にはポートフォリオのリバランスやポジションを追加し、キャピタルゲインを狙うことや、積立投資を行っているのであれば、資金を上乗せすることを検討してみてもいいかもしれません。

アノマリーはそれだけで投資判断に使うことはできませんが、市場が反応する一要因として考慮しておくことで、不確実な市場に対して臨機応変に対応できるようになります。

アノマリーだけでなく、政治的な要因や経済的な要因、社会的な要因など様々な情報に着目して慎重に判断しましょう。

フリーレポート配信

米国の株式市場は最高値を更新している一方で、バブルを警戒する見方もあります。そこで、より堅実な投資先として、緩やかながらも成長し続け、持続的に増配する銘柄を検討してみてもよいでしょう。このレポートでは、堅実な成長が見込める5つの高配当株をご紹介します。

注目の米国高配当株5銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事