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【米国株決算】フィリップ・モリス・インターナショナルの最新決算情報と今後の株価の推移

出典:Getty Images

フィリップ・モリス・インターナショナル(NYSE:PM)はアメリカに本社を置き、米国以外で事業を展開する世界最大のタバコメーカーです。

「マールボロ」や「ラーク」、「パーラメント」、「バージニア・スリム」といった国際的ブランドのほか、「ダイアナ」、「チャンピオン」などの地域ブランドを180ヵ国で展開しています。

同社はアルトリア・グループの一角であり、アルトリア・グループにおけるタバコの国際事業を手掛けています。

米国国内向け事業を展開する企業としてはフィリップ・モリス・USAが挙げられます。

本記事ではフィリップ・モリス・インターナショナルの最新決算である2021年度第1四半期決算の概要と今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前における株価等のデータ

決算発表前日である4/19における同社株価の値動きについて見ていきます。

4/19における同社株価の始値は94.19ドル、終値は91.70ドルとなっています。

2018年に下落して以降は、65~90ドル前後のレンジで推移していました。

2020年には新型コロナウイルスの影響を受け、60ドル前後まで下落したものの、4月には70ドル台後半まで回復しました。

その後同社株価は上下しながら推移しており、2021年2月以降は堅調な推移を続け、80ドル台後半を下回ることは少なくなっています。

フィリップ・モリス・インターナショナルはS&P500の構成銘柄の一つであり、執筆時時点における同社時価総額は1467.96億ドルとなっています。

またフィリップ・モリス・インターナショナルはディフェンシブ銘柄・高配当銘柄としても有名です。

同社の配当実績は以下の通りです。

なお日付は権利落ち日を記しています。

  • 2021/03/19…配当:1.2ドル(配当利回り:5.11%)
  • 2020/12/22…配当:1.2ドル(配当利回り:5.74%)
  • 2020/09/23…配当:1.2ドル(配当利回り:5.81%)
  • 2020/06/19…配当:1.17ドル(配当利回り:5.92%)
  • 2020/03/20…配当:1.17ドル(配当利回り:6.31%)

直近の配当利回りは5%台を保っており、非常に高い配当利回り実績を残していることが分かります。

また2008年のスピンオフ前も含む連続増配年数は51年となっており、非常に安定感があります。

コロナ禍においてもしっかりと増配を行っている点は、高く評価できるのではないでしょうか。

最新決算情報

概要

2020年第4四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…75.85億ドル(前年同期比6%増)
  • 営業利益…34.44億ドル(前年同期比23.5%増)
  • 同社に帰属する純利益…24.18億ドル(前年同期比32.4%増)
  • 希薄化後EPS…1.55ドル(前年同期比32.5%増)

アナリストらによる事前予想は、売上高が72.7億ドル、non-GAAPベースのEPSが1.40ドルとなっていました。

同社の実際の業績では、売上高が75.85億ドル、non-GAAPベースのEPSが1.57ドルとなっていましたので、アナリストらによる事前予想を上回る業績の残すことができていることが分かります。

同社CEOが決算短信で発表したコメントは以下の通りです。

昨年からのパンデミックの影響が続いているにもかかわらず、今第1四半期において総売上高・純利益ともに予想を大きく上回れたことを我々はうれしく思います。

特にIQOSは、ユーザー数、販売台数、市場シェアともに好調を維持し、製造および営業コストの効率化もさらに進みました。

また、特定の市場での出荷や商業投資の段階的実施など、特定の要因のタイミングが業績に寄与しましたが、これらは続く第2四半期には落ち着くと考えています。

パンデミックからの世界的な回復の速度と形状は依然として不透明ですが、第1四半期の好調な業績を反映して、通期の見通しを基礎数値ベースで上方修正しました。

コメントにある特定の市場などにおける一時的な業績の好調とは、イースター期間を前にしたEUや、4月からの割引禁止を目にしたロシアにおいて紙巻きたばこ中心に出荷が伸びたことを指していると思われます。

通期決算情報の見直しに関しては、純売上高の前年度比での伸び率が5%-7%、調整済み希薄化後EPSの前年度比での伸び率が11%-13%になると上方修正しました。

詳細

続いて同社の2021年度第1四半期決算をより詳細に見ていきます。

まず紙タバコにおける地域別の出荷量について見ていきます。

  • EU…367.69億ユニット(前年同期比9.5%減)
  • 東ヨーロッパ…199.66億ユニット(前年同期比6.8%減)
  • 中東地域及びアフリカ…276.42億ユニット(前年同期比7.8%減)
  • 南・東南アジア…348.88億ユニット(前年同期比7.2%減)
  • 東アジア及びオーストラリア…113.62億ユニット(前年同期比7.6%減)
  • ラテンアメリカ及びカナダ…148.85億ユニット(前年同期比1.2%減)
  • 合計出荷量…1,455.12億ユニット(前年同期比7.3%減)

続いて加熱式タバコにおける地域別の出荷量について見ていきます。

  • EU…64.26億ユニット(前年同期比37.9%増)
  • 東ヨーロッパ…56.35億ユニット(前年同期比29.1%増)
  • 中東地域及びアフリカ…3.96億ユニット(前年同期比15.7%減)
  • 南・東南アジア…0.33億ユニット(―)
  • 東アジア及びオーストラリア…91.39億ユニット(前年同期比28.3%増)
  • ラテンアメリカ及びカナダ…1.05億ユニット(前年同期比2.8%減)
  • 合計出荷量…217.34億ユニット(前年同期比29.9%増)

紙タバコの出荷量は、すべての地域において減少していますが、加熱式タバコは概ね増加しています。

紙タバコの出荷量の減少は今後も避けられないトレンドであると言え、同社が業績を向上させていくためには、加熱式タバコの普及が不可欠です。

加熱式タバコに関しては、前年同期比で売上高が21.7%増加しており、今四半期決算における総売上高のうち28%を占めています。

決算発表後における株価の推移

4/20における同社株価の推移について確認します。

前日終値である91.70ドルに対して20日の始値は91.09ドルとなっていました。

しかしながらその後同社株価は大きく上昇し、終値は94.00ドルとなりました。

同社株価が上昇した要因として、アナリストらの予想を上回る好調な業績や、今年度通年事業ガイダンスの上方修正が発表されたことがあげられるでしょう。

最後に同社の今後について考察していきます。

同社はタバコ産業に従事していますが、昨今、健康被害の観点から特に紙巻きタバコは敬遠されるようになってきています。

実際に、同社決算からも紙巻きタバコの販売量の減少が読み取れます。

しかしながら、同社は加熱式タバコIQOSで確実にシェアを伸ばしており、同社CEOの電話会議での発言によると、03/31時点でのIQOSユーザーは昨年12月から150万人増加した1,910万人に上るとのことです。

同社の加熱式タバコユーザーの増加は幅広い地域でみられており、今後も増加が期待できるでしょう。

また、紙巻きたばこでの売上高減少に関しては、パンデミックによる景気悪化に伴う販売戦略の変更も挙げられます。

同社は現在一部地域でトレーディング・ダウンを行っており、これも売上高減少の要因として挙げられます。

これは、今後ワクチンの普及などにより人々の活動が活発化して経済が回復することで、方針を変更することで売り上げの改善が期待できるかもしれません。

加えて、今決算で発表された好調な営業成績を受けて、下半期には上半期と比べて約3億-4億ドルの追加の商業投資も見込まれており、今後の業績にも期待ができそうです。

とはいえ、これらに関しては急に目立った業績の変化が見込まれるものでもないため、今後も株価は堅調な推移をすると考えられるでしょう。

参考元:PHILIP MORRIS INTERNATIONAL INC. REPORTS STRONG 2021 FIRST-QUARTER

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