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【米国株決算】P&Gの2021年第3四半期決算と今後の株価の推移について

出典:Getty Images

プロクター・アンド・ギャンブル(NYSE:PG)はアメリカに本社を置く、世界最大の一般消費財メーカーです。

ホームケア製品やファブリックケア製品、ベビーケア製品、ヘアケア製品、パーソナルヘルスケア製品など多様な事業を世界180の国と地域で展開しています。

日本で有名なブランドとして、紙おむつの「パンパース」、ホームケア製品である「ファブリーズ」、「アリエール」、「ジョイ」などがあります。

本記事では、P&Gの最新の決算情報である、2021年第3四半期決算と今後の株価の推移について見たいと思います。

株価について

決算発表の前日である4月19日の同社株価について確認します。

4月19日の始値は136.81ドルであり、終値は136.61ドルとなりました。

同社の株価は2014年9月に約90ドルの高値を記録して以降、2018年まで下落と上昇を繰り返しながら推移します。

大きな下落は、2015年8月と2018年4月で、株価はともに70ドル前後となっています。これ以降は、以前の高値の水準を超えて大きく上昇し、コロナショックが起こる直前では125ドルほどとなっています。

最近ではコロナショック後に110ドルまで下落したのち再び上昇し、138ドルほどの高値を記録します。

その後2021年2月に一時的に、約120ドルまで下落しますが、すぐに持ち返し現在に至ります。

また同社は長年継続して配当を行っており、今年で131年目となります。

さらに当四半期決算の直前に10%の増配を行うことを発表しました。

増配は65年連続となり、同社が長年安定した業績であることが分かります。

直近の配当実績は以下の通りです。

日付は権利落ち日となっています。

  • 2021年4月22日…配当:0.8698ドル(配当利回り:2.55%)
  • 2021年1月21日…配当:0.7907ドル(配当利回り:2.31%)
  • 2020年10月22日…配当:0.7907ドル(配当利回り:2.28%)
  • 2020年7月23日…配当:0.7907ドル(配当利回り:2.21%)
  • 2020年4月23日…配当:0.7907ドル(配当利回り:2.55%)
  • 2020年1月23日…配当:0.7459ドル(配当利回り:2.57%)

近年における同社の配当利回りは2%台で推移しています。

高い水準ではありませんが、継続的に増配を行っている実績があり、今後も期待されます。

最新決算情報

同社が発表した2021年第3四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…181.09億ドル(前年同期比5%増)
  • 営業利益…37.85億ドル(前年同期比10%増)
  • 純利益…32.49億ドル(前年同期比10%増)
  • 希薄化後EPS…1.26ドル(前年同期比13%増)

希薄化後EPSは前年同期から13%増の1.26ドルとなりました。

アナリストによる予想は1.19ドルで、それを上回る結果となりました。

当期の業績について同社CEOは、生産性や組織の改善に以前より継続的に取り組んでいるとし、こうした戦略がコロナ下と言った状況でも成長することが出来たとしています。

このような見解からも、困難な側面がありつつも良好な結果であったことが伺えます。

また市場予想を上回ったことなどからも、好調な決算結果と言えるでしょう。

一方でコスト増加などに伴い、紙おむつなど一部製品の値上げを発表しています。

今後は引き続き業績を拡大する見通しを立てていますが、輸送市場の停滞などもあり、厳しい状況であることも示唆しています。

同社の提供する製品はシェアを拡大しており、グローバル市場においても年々増加の傾向にあります。

同社は地域別に特に成長した市場として、米国(7%増)、中華圏(22%増)を挙げています。

一方で、欧州や日本を含むアジア、中東、アフリカなどは売上高が減少しています。

詳細情報

続いて同社の決算情報をセグメント別に詳細に確認します。

初めに美容セグメントの業績についてです。

  • 純売上高…33.16億ドル(前年同期比9%増)
  • 純利益…5.77億ドル(前年同期比32%増)

同社が提供するブランド「SK-Ⅱ」の成長や、中華圏による売上の増加が利益の拡大に繋がりました。

続いてグルーミングセグメントの業績について確認します。

  • 純売上高…14.38億ドル(前年同期比4%増)
  • 純利益…2.56億ドル(前年同期比1%増)

家庭用シェービング用品が価格改定などにより好調で、20%以上増加しています。

一方で、シェービングケア用品は振るわず、横ばいの水準でした。

続いてヘルスケアセグメントの業績について確認します。

  • 純売上高…23.56億ドル(前年同期比4%増)
  • 純利益…3.77億ドル(前年同期比8%減)

続いてファブリック及びホームケアセグメントの業績について確認します。

  • 純売上高…62.75億ドル(前年同期比8%増)
  • 純利益…2.56億ドル(前年同期比7%増)

製品へのマーケティング投資や、イノベーションの結果及びホームクリーニングの需要拡大が利益の増加に繋がりました。

また、同社はイノベーションによる戦略が繋がった例として1年ほど前にリリースした製品「DawnPowerwash」を取り上げています。

同製品は食器用洗剤で、リリース後の1年で1.5億ドルの売上を達成しています。

続いてベビー、フェミニン、ファミリーケアセグメントの業績について確認します。

  • 純売上高…46.04億ドル(前年同期比1%減)
  • 純利益…8.71億ドル(前年同期比1%増)

ベビー用品は競争力の低下などを理由に売上が減少しています。

フェミニンケア製品は、米国や中華圏では売上が拡大していますが、ヨーロッパ市場において苦戦し、売上が相殺されました。

ファミリーケア用品は、価格の上昇により売上が上昇しています。

前述したように同社は今回の決算でコスト増加を理由に、紙おむつや生理用品などの値上げを発表しています。そのため今後、同セグメントの業績への影響が懸念されます。

決算発表を受けて

2021年第3四半期決算は、アナリストの予想を上回る好調な結果となりました。

2021年4月20日の始値は134.84ドルでした。

同日は上昇し終値は137.75ドルとなりました。

新型コロナウイルスのパンデミックによる経済的不安が続く中、強力なブランド力により堅調な業績を掲げたことが、評価に繋がったと考えられます。

また異例な1年であったのにも関わらず、連続していた増配を途切れることなく行ったのは、同社の企業としての力強さを感じます。

同社は当期の決算について、製品のイノベーションといった戦略による結果を強調しています。

直近では、紙おむつのブランド「パンパース」のイノベーションを行い、新製品を出荷しています。また、「アリエール」など洗濯洗剤において、洗濯時温度を下げることにより、二酸化炭素の排出を低減する取り組みを行っていることを公表しています。

こうしたイノベーションが今後のブランド拡大、特にグローバル市場へのシェア拡大に繋がるかは、期待を含め大きな注目点ではないでしょうか。

一方で、コスト増加による一部製品の値上げや、物流の圧迫など懸念すべき点がいくつか見受けられます。

今後において、同社は通年の業績について拡大する見通しを立てています。

しかし、投資においては慎重な判断が求められそうです。

参考元:P&G Announces Fiscal Year 2021 Third Quarter Results

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