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【米国株決算】IBMの2021年第1四半期決算と今後の株価の推移

出典:Getty Images

IBM (NYSE:IBM)はアメリカの大手IT企業です。

主にコンピュータ関連製品とITコンサルティング事業を民間法人や公的機関に対して展開しています。

現在世界の170ヵ国以上で事業を展開しており、その事業はグローバル・テクノロジー・サービス、グローバル・ビジネス・サービス、ソフトウエア、システム、金融で構成されています。

またIT業務の外部委託やソリューションの提供、システム・サーバーの販売などを手掛けています。

昨年10月にアウトソーシングサービスを提供するITインフラサービス部門を2021年末までに分社化することを発表しました。

同部門は115カ国で4,600の顧客にサポート業務を行っていますが、長年業績が低迷しており、IT業界において注目されているクラウド・サービスとの共食いを避けるために分社化を行いました。

事業ポートフォリオの再構築を行い、利益率の高いクラウド・サービスや今後の成長が期待できる人工知能(AI)ソリューションに注力する方針に転換しました。

同社株は長らく割安感が広がる銘柄と認識されており、ITインフラサービス部門の分社化や今回の決算発表は、市場から注目されました。

本記事ではIBMの最新決算情報である2021年第1四半期決算の情報と今後の株価の推移などについて見ていきます。

株価および配当について

同社株価は2013年から長期の下落傾向にあり、2016年に120ドル前後、2018年に116ドル前後と下値を更新しています。

コロナショック以前においては150ドル前後をつけていましたが、新型コロナウイルスの影響により急落し、100ドルを切りました。

その後回復の兆しはあるものの上値は重く、6月に135ドル付近を付けた後は115ドルから125ドルの間で推移しています。

10月8日にITインフラサービス部門の分社化を発表したことで、一時135ドル前後まで上昇しましたが、その後に大きく下落し、10月下旬にはコロナショック時に迫る105ドル前後まで値を下げました。

11月から上昇傾向にあり、2021年に入り130ドル前後まで値を上げましたが、前回の決算発表後に118ドル前後まで急落しました。

その後は順調に回復しており、昨年6月につけた高値を更新し、コロナショック後における最高水準で推移しています。

同社はNYダウ工業株30とS&P500の構成銘柄の一つであり、執筆時点における同社時価総額は1,235億ドルとなっています。

ここで同社の配当利回りについて見ていきます。

日付は権利落ち日を記しています。

  • 2021年02月09日…配当:1.63ドル(配当利回り:4.90%)
  • 2020年11月09日…配当:1.63ドル(配当利回り:4.95%)
  • 2020年08月07日…配当:1.63ドル(配当利回り:5.62%)
  • 2020年05月07日…配当:1.63ドル(配当利回り:5.17%)
  • 2020年02月07日…配当:1.62ドル(配当利回り:5.20%)
  • 2019年11月07日…配当:1.62ドル(配当利回り:4.67%)
  • 2019年08月08日…配当:1.62ドル(配当利回り:4.78%)

1916年から100年以上にわたり配当を続けており、また1996年以降、25年間わたり増配し続けています。

新型コロナウイルスの影響が色濃くでている2020年においても増配しており、今後もさらなる増配が期待できると言えるでしょう。

最新決算情報について

概要

2021年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…177.30億ドル(前年同期比1%増)
  • 純利益…9.56億ドル(前年同期比18.7%減)
  • 希薄化後一株当たり純利益…1.06ドル(前年同期比19.1%減)

当期における純売上高は、前年同期から1%増加した177.30億ドルとなっており、アナリストの予想平均の173.5億ドルを上回りました。

一時項目を除く1株利益については1.77ドルとなっており、1.63ドルの市場予想を上回りました。

この決算情報を発表するにあたって同社が発表したコメントは以下の通りです。

当四半期は、ハイブリッド・クラウド・プラットフォームの顧客への導入が進んだことによるクラウドの堅調な業績と、ソフトウエアおよびコンサルティングの成長により、年内に向けて堅調なスタートを切ることができました。

まだまだやるべきことはありますが、2021年には通年の収益成長を達成し、調整後フリーキャッシュフローの目標を達成できると確信しています。

詳細

続いて同社決算情報をセグメント別に見ていきます。

  • クラウド&コグニティブ・ソフトウエア…54.37億ドル(前年同期比3.8%増)
  • グローバル・ビジネス・サービス…42.34億ドル(前年同期比2.4%増)
  • グローバル・テクノロジー・サービス…63.70億ドル(前年同期比1.5%減)
  • システム…14.27億ドル(前年同期比4.3%増)
  • グローバル・ファイナンシング…2.40億ドル(前年同期比20%減)

クラウド&コグニティブ・ソフトウエア部門はクラウド&データ・プラットフォーム、コグニティブ・アプリケーション、トランザクション・プロセッシング・プラットフォームで構成されています。

クラウド&データ・プラットフォームズはハイブリッドクラウドプラットフォームとコグニティブ・アプリケーションが牽引し13%の増収となり、クラウド&データ・プラットフォームは13%の増収となりました。

グローバル・ビジネス・サービス部門の収益はアプリケーション・マネジメントが減収となったものの、クラウド収入が33%の増加となったことで、前年同期比で2.4%増加した42.34億ドルとなっています。

システム部門の収益は、オペレーティング・システム・ソフトウェアが減収となった一方で、クラウドの収益が23%増加したため、前年同期から4.3%増加した14.27億ドルとなっています。

最後に、2021年の見通しについては「2021年4月中旬の為替レートに基づき、2021年通年での増収を見込んでいます。2021年の調整後フリーキャッシュフローは110億ドルから120億ドルになる」としています。

決算発表を受けて

第1四半期決算発表前にあたる19日の始値は133.60ドルとなり、終値は133.12ドルとなっていました。

今回の発表を受け、20日の始値は137.07ドルと前日終値から約3%上昇して始まりました。

139ドル前後を日中通して推移し、終値は138.16ドルとなりました。

今回の決算において、一年ぶりに売上高が増加に転じ、市場予想を上回ったことが市場から評価されたことが要因と考えられます。

同社の最高財務責任者(CFO)であるジェームズ・カバノー氏は、米国の小売業、製造業、旅行業などの顧客によるクラウド関連の支出は新型コロナウイルスのパンデミックによる落ち込みから回復しつつあるとしており、同社事業が上向きつつあることがわかります。

同社は長い間低迷が続いており、利益率の高いクラウド・サービスや今後の成長が期待できる人工知能(AI)ソリューションに注力する戦略をとっています。

今回増収となったセグメントではクラウド関連サービスの伸びにけん引されている例が多く、同社の戦略がついに実を結んだと言えるでしょう。

2021年を堅調なスタートを切れたと言え、今後の業績に期待できると言えるのではないでしょうか。

参照元:IBM REPORTS 2021 FIRST-QUARTER RESULTS

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