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意外に割安?日本の建設業界への投資

出典:Getty Images

日本の建設業界の市場規模は2020年度で16.9兆円です。

日本の業界を150程度に分類すると、建設業界の市場規模は20位です。

2020年はコロナウイルス感染拡大の影響で建設需要は下がりましたが、2019年までは5年連続で建設投資額は伸びていました。

東京オリンピック開催のための大規模開発や、ホテルの建設ラッシュで追い風が吹いていたからです。

また、東京メトロの銀座線全駅リニューアル計画、大阪万博、品川・名古屋間のリニア中央新幹線開通などの大きな建設需要や、古いインフラや施設の維持などの需要もあります。

建設業界はIT企業をはじめとした新しい成長産業ではありませんが、株価指標的には割安な企業が多く、成長株投資とは異なるアプローチの投資もできます。

今回は、伝統的なセクターである日本の建設業界の投資についてご紹介します。

建設業界の全体像。一番大きいのはゼネコン業界

建設業界の全体像は大きく分けて4つに分けられます。

ゼネコン、サブコン、建設コンサルタント、建材・建設資材メーカーです。

ゼネコンは観光庁や不動産企業から建設工事を請負い、建設のとりまとめを行います。

つまり建設全体を指揮する指揮役です。

ただし実際の建設はゼネコンではなく、下請けの会社が行います。

サブコンはゼネコンの下請けとして専門的な工事を実際に行う建設業者です。

建設コンサルタントは国土交通省の建設コンサルタント登録規定に基づき、国土交通省に登録された官公庁および民間企業を顧客としてコンサルティングを行う業者です。

建設建材の資材メーカーは建設現場で使われるコンクリートやフィルム、壁紙、内装材などの製造・販売をします。

建設業界は典型的なピラミッド構造で、発注主から元請の大手ゼネコンが仕事を受注し、1次請け、2次請け、3次請けと仕事を流していきます。

日本を代表するゼネコン企業や建設業者

日本を代表するゼネコンの代表は大林組(1802)、鹿島建設(1812)、大成建設(1802)、清水建設(1803)などです。

竹中工務店は有名ですが非上場企業です。

この5つは俗にスーパーゼネコンと呼ばれています。

準大手のゼネコンには長谷工コーポレーション(1808)やフジタ(1725)、五洋建設(1893)、熊谷組(1861)などがあります。

サブコンには関電工(1942)、コムシス(1721)、建設コンサルタントならば日本工営(1954)、建材・建設資材メーカーならば三和ホールディングス(5929)などが挙げられます。

日本の建設業界は昔から護送船団方式と言われており、守られながら成長してきました。

業績的には特に4つの上場しているスーパーゼネコン、大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設は株価も業績の推移も同じような動きをしています。

建設需要や景気によって受ける影響が大きい業界で、業界全体の動向をつかむことが投資では大切です。

建設業界の先行指標は国土交通省のデータから調べる

建設業界の中でもゼネコンの株価は基本的に似たような動きをします。

ゼネコン業界全体の先行指標をある程度見極めることができれば、株価もある程度予測ができるようになります。

ゼネコンの先行指標は受注です。

では受注の数字はどこから調べるのかというと国土交通省からです。

建設工事受注動態統計調査(大手50社)という指標を調べます。

ゼネコンをはじめとする建設業界の株価は少し特殊で、足元の業績や利益よりも先行指標である受注からの影響を強く受けます。

一方、建設コンサルタントなどは国や地方自治体の動向によって左右されます。

ゼネコンなどとは異なり、公共事業からの受注が多いためです。

日本の建設業界をはじめとする銘柄の投資では株価や業績だけでなく、国土交通省の発表するデータがとても参考になります。

ゼネコンは株主還元に積極的な企業が有望な投資先

建設工事受注動態統計調査が上向きならば、建設業界・ゼネコン関連の株価は好調になります。

逆に指標が横ばいか下向きならば、ゼネコン関連の銘柄の株価はなかなか振るいません。

ゼネコンをはじめとする建設業界各社の業績は、イノベーションよりも受注で決まるため、各銘柄に大きな差はなかなか出てきません。

ゼネコンの株価は業績が似たり寄ったりで差がつかない代わりに、株主に対する還元で決まります。

例えば、自社株買い、配当金などです。

ゼネコン関連の銘柄を買う場合、株主還元に積極的な銘柄を買い、減配をしている銘柄は避けると良いでしょう。

ゼネコン投資のタイミングは受注が落ちこんでいるとき

建設業でもゼネコン投資は受注によって株価が動きます。

では受注がどのような動きをすればタイミング的に入りやすいのでしょうか。

受注が右肩上がりで上昇している時でしょうか。

先行指標である受注が伸びていてもピークアウトの兆しがあれば、株価は下落してしまいます。

そこで受注が落ちこんでいる時に目を向けます。

そして合わせて使うのが建築着工単価です。

「工事費予定額÷着工床面積」で算出されます。

国土交通省のデータから数字を求めることができます。

工事の着工単価が上昇しているということは、競争が緩くなっている、需要が増加していることを意味します。

受注が大底になっているときに競争環境に改善がみられれば、将来の受注改善に期待して株を買えるという考え方です。

参考:国土交通省

ゼネコン投資は分散投資先に

ゼネコン関連の銘柄は予想配当利回りが3%を越えている銘柄も多く、分散投資先として適当なところがない場合、投資先として一考の余地があります。

企業の業績や成長ストーリーよりも建設業界全体の動向によって株価が左右される日本の建設業界への投資は、日米で話題になる成長株とは勝手が異なります。

しかしポートフォリオの資産を分散させる目的ならば、投資先として検討してみる余地もあるのではないでしょうか。

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免責事項と開示事項 記事の作者、田守正彦は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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