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【米国株動向】クラウドへの転換を果たした老舗企業のアドビと、クラウドネイティブの新興企業ドキュサインのソフトウェア2銘柄を比較

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、202148日投稿記事より

新型コロナウイルスのパンデミックが経済を揺り動かす中、ハイテク株の株価はこの1年間で力強く上昇しました。

世界中の組織はデジタル化を一段と加速させることで、事業の柔軟性やリモートワークを促進し、コスト削減を実現してきました。

アドビ(NASDAQ:ADBE)とドキュサイン(NASDAQ:DOCU)はどちらもクラウドベースのソフトウェア企業であり、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の流れによって大きな成長余地が示唆されます。

新たなデジタル時代におけるクリエイティブソフトウェア

アドビは1980年代からクリエイティブやデザインに特化したソフトウェアの開発を手掛け、数十年にわたって着実に成長を続けるとともに、時代に合わせてクラウドを通じたサブスクリプションベースのサービスへと転換しています。

デジタルマーケティング、電子署名、共同編集といった新たな分野にも進出していますが(これらの領域でドキュサインと競合しています)、最大の強みは依然としてクリエイティブ分野であり、2020年は広告や映画・テレビ制作といったデジタルデザイン市場が冷え込んだ影響で、2020年11月期の売上高は「わずか」15%増の129億ドルでした。

しかし、2021年に入ってパンデミックの影響が落ち着きを見せ始め、顧客の支出意欲も高まっており、アドビの増収率も再び加速しています。

第1四半期(12~2月)の売上高は前年同期比26%増に回復し、経営陣は2021年度の増収率を20%台前半と予想しています。

有料ユーザーが増加するほど利益は押し上げられ、第1四半期のフリーキャッシュフローは39%増の17億1,000万ドル、フリーキャッシュフローマージンは44%でした。

2月末時点で、現金および現金同等物の49億6,000万ドルに対し、負債は41億2,000万ドルと低水準です。

12カ月実績株価売上高倍率(PSR)は17倍、同株価フリーキャッシュフロー倍率は41倍とやや割高感がありますが(執筆時点)、過去の実績やDXをめぐるトレンドを考えれば高すぎると言うほどではありません。

IT専門調査会社IDCの試算では、企業のDX関連支出は今後数年間にわたって2桁で成長し、2023年には世界全体で年間6兆8,000億ドルに達する可能性があります。

【米国株決算】アドビシステムズの最新決算情報と今後の株価の推移

クラウド時代に誕生した有力新興企業

ドキュサインは2000年代初めに誕生した、電子署名や共同編集に特化した新興のソフトウェア企業です。

データセンターを自社で運営し、またブロックチェーン技術を活用して電子署名者を管理しています。

電子署名サービスや、同社が2019年に立ち上げた、企業間の契約を迅速・安価・安全に行う「アグリーメント・クラウド」は、リモートワークに欠かせないサービスであり、2020年は同社に強い追い風が吹きました。

2021年1月期の売上高は49%増の14億5,000万ドルとなりましたが、同社の成長は始まったばかりで、経営陣は2022年度の増収率を30%と予想しています。

フリーキャッシュフローは前年度の4,400万ドルから389%増の2億1,500万ドルに跳ね上がり、フリーキャッシュフローマージンは15%でした。

1月末時点の現金および現金同等物は8億6,600万ドル、負債は7億1,700万ドルで、成長に向けた投資余地は十分にあります。

3月に株価が下落したとはいえ、12カ月実績PSRは26倍、同株価フリーキャッシュフロー倍率は178倍と割高ですが(執筆時点)、長期的にはバリュエーションも低下するでしょう。

ドキュサインが「anywhere economy(どこでも経済)」と呼ぶ経済の下では、契約の締結や文書の編集・共有といったニーズは高く、アグリーメント・クラウドも成長が期待されます。

2020年株価が急上昇した、クラウドストライクとドキュサインの最新決算内容

有望なのはどちらか?

来年度の増収率で比べるとドキュサインの成長幅の方が大きい見通しですが、株価のバリュエーションはドキュサインがはるかに割高です。

両社とも、DXというトレンド下において悪材料はあまり見当たりませんが、あえて選ぶとすれば、予想されるフリーキャッシュフロー創出力から見てバリュー株に近いアドビを選好します。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Nicholas Rossolilloは、アドビ・システムズ株を保有しています。Nicholas Rossolilloの顧客は、記事で言及されている株式を保有しているかもしれません。モトリーフール米国本社は、アドビ・システムズ株、ドキュサイン株を保有し、推奨しています。
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