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米国ヘルスケア銘柄の最新業績:ベクトン・ディキンソンとバイオラッド

出典:Getty Images

新型コロナウイルスによるパンデミックの状況は、各国で落ち着いてきています。

とはいえ、ロックダウンを緩めれば再び感染者数が増加する可能性がある上に、感染力が高いコロナ変異株が発生していることから、まだ油断できる状況ではありません。

したがって、まだパンデミック収束に重要なヘルスケア銘柄に注目する価値があります。

コロナ収束のために特に重要なのはコロナワクチンですが、他にはワクチンを接種するための大量の医療器具(注射器など)、検査をするための医療機器や検査キット、試薬なども重要であり、実際にそれらの需要はまだ急増中です。

そこで、今回の記事では、米国の大手医療機器メーカーのバイオラッド(NYSE:BIO)と米国の医療テクノロジー企業であるベクトン・ディキンソン(NYSE:BDX)(Becton, Dickinson and Company, 通称BD)の最新業績やコロナ対応の最新状況について解説していきます。

両社は、急増しているコロナ需要にうまく対応できているため、コロナ禍にもかかわらず順調に伸びています。

バイオラッドの最新業績や最新情報

最初に、バイオラッドの最新業績やコロナ対応について解説していきます。

バイオラッドのコロナ対応

パンデミックの状況をチェックしていくためには、コロナの検査が必須です。

コロナ検査で得られた情報に基づいて、感染対策の決定やコロナワクチンの提供などが行われます。

バイオラッドは、コロナ検査のためのキット(抗体検査キットなど)や検査機器(PCRなど)の製造・販売を行っています。

さらに、同社は、新型コロナウイルス感染症を検出する感度を上げるために、検査キットや機器の改良を行なっており、実際に販売を開始しています。

バイオラッドとは

バイオラッドは、特にPCRで知られている米国の大手医療機器メーカーです。

同社は、実験機器や検査キット、それらに関連したソフトウェアの製造・販売を手掛けています。

提供先は、医療機関や研究機関(大学や研究所など)、製薬企業などです。

同社の部門は2つあり、ライフサイエンス部門と臨床診断部門です。

一般的には基礎研究に貢献しているライフサイエンスより、医療関連の売り上げの方が大きいのですが、同社の場合は両者の売り上げはほぼ1:1となっており、うまくバランスがとられています。

この4−5年の同社の売り上げは右肩が上りであり、2021年もさらに伸びていくのではないかと思います。

したがって、バイオラッド銘柄は長期投資におすすめです。

バイオラッドの業績は好調

バイオラッドの2020年の第4 四半期(Q4)の決算報告書は、今年の2月11日に発表されました。

本記事では、業績の全体を把握するため、Q4を合わせた2020年の年間の業績(FYE: Financial Year End)を見ていきます。

同社の決算報告書によれば、年間の売り上げと総利益ともに大幅に上昇しました上がったのですが、純利益やEPS(1株当たり利益)はやや大幅に下がりました。

以下に、具体的な数字や増加原因について述べます。

  • 売上高:10%増加(2020年FYE: 25.4億ドル、2019年FYE: 23.1億ドル)
  • 総利益:14.3%増加(2020年FYE: 14.3億ドル、2019年FYE: 12.5億ドル)

新型コロナウイルス感染症の診断や、テストに利用されるPCRや関連機器・製品を提供しているライフサイエンス部門が、同社の売り上げに大きく貢献しました(39%増)。

ベクトン・ディキンソンの最新業績や最新情報

次に、ベクトン・ディキンソンの最新業績やコロナ対応について解説していきます。

ベクトン・ディキンソンのコロナ対応

ベクトン・ディキンソンは、注射器などの医療器具のメーカーとしてよく知られています。

コロナワクチンの接種には大量の注射器が必要であるため、同社の注射器の需要が急増しています。

同社は、去年の12月の段階で約10億の注射器のオーダーを受注しました。

その後、コロナワクチンの接種は急拡大したため、現時点でのオーダー数はもっと多くなっているはずです。

他には、同社はコロナ検査のための医療機器やキットの製造・販売も行っています。

ベクトン・ディキンソンとは

Maxwell Becton(ベクトン)とFairleigh Dickinson(ディキンソン)により1897年に米国で設立され、社名はベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーと名付けられました。

創業当初から注射器の製造・販売を手がけてきています。

提供先は、医学や薬学、生物学の応用・基礎研究を行なっている製薬企業や研究機関(研究所や大学)および医療の現場です。

同社の部門は3つあり、BDライフサイエンス、BDメディカルおよびBDインターベンショナルです。

この中で最も高い売り上げを占めているのはBDメディカルですが、2020年においては、コロナ禍でのヘルスケアの需要の急増によりBDライフサイエンス部門の売り上げが急伸しました。

また、同社はフィッチなどの格付け会社から十分に高い評価を得ています。

ベクトン・ディキンソンの業績も好調

ベクトン・ディキンソンの第1四半期は11月から開始するため、2021年の第1四半期(Q1)の決算報告書はすでに発表されています(今年の2月4日に発表)。

したがって、ベクトン・ディキンソンについては2021年のQ1の業績を見ていきます。

同社の2021年のQ1の期間は、2020年9月〜2020年12月となります。

前年同期比(2020年Q1)の、2021年Q1の売り上げと純利益は以下の通りです。

同社も、売り上げと純利益が大きく増加しました。

  • 売上高(2021年Q1: 2020年9月〜2020年12月):25.8%増加(2021年Q1: 53.1億ドル、2020年Q1: 42.2億ドル)
  • 純利益(2021年Q1: 2020年9月〜2020年12月):261.6%増加(2021年Q1: 10.03億ドル、2020年Q1: 2.78億ドル)

売上高の大幅増の主な要因は、新型コロナウイルス感染症の診断関連の売り上げが大きく伸びたことです。

この製品やソリューションを提供しているのは、同社のライフサイエンス部門であり、今期は110.8%増となりました。

それ以外の部門はコロナ前とそれほど変わりはありませんが、順調に伸びました。

同社は世界中で売り上げを得ていますが、今期では特に米国での売り上げの伸び率が最も高くなりました(28.8%増)。

両社の今後の見通し

バイオラッドとベクトン・ディキンソンの最新業績などについて解説しました。

両者ともコロナ禍で急増しているヘルスケア需要にうまく応えることに成功しており、結果として両社の業績は順調に伸びています。

コロナワクチンの普及はだいぶ進み、かつコロナ感染者数が減少してきていますが、パンデミックはしばらく収束しそうにないので、両社の今年の業績もさらに伸びる可能性が高そうです。

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免責事項と開示事項 記事の作者、小田茂和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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