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インフレ懸念が高まる中で何に投資すべきか?

出典:Getty Images

コロナのパンデミックによる景気の落ち込みを回復させるために、FRBは超低金利政策+量的緩和の継続で流動性を超過剰と言われるくらい供給しています。

そして、財政政策としても、既に600兆円規模の経済支援策が行われていますし、更にインフラ整備をメインとした200兆円規模の経済政策などで、マネーを市場にばら撒いている感じです。

そうした状況なので、景気が回復し始めたら一気に過熱状態になり、インフレが急上昇するのではないかという懸念も浮上してきています。

インフレが起きると何が問題なのか?

基本的なおさらいですが、インフレによってお金の価値が下がり、購買力が落ちるということです。

資産ポートフォリオがインフレ以上のリターンを上げないと、資産ポートフォリオの実質的価値が目減りしてしまいます。

インフレ対策と言ったときには、大きく分けて二つの対策を考える必要があります。

  1. 収入をインフレ以上に増やす
  2. 持っている資産をインフレ以上のリターンで運用する

通常では、2.の話が中心になりますが、現役で働いている人からすれば、1.の方が重要になるケースが多いかと思います。

こちらの方が重要ですが、ここでは扱いにくいテーマでもあるので、2.の資産のインフレ耐性を強くする、あるいはインフレでより高いリターンを狙うということを考えてみたいと思います。

アメリカの金融政策や財政政策で大量の資金が供給されましたが、これまでのところインフレらしいインフレは起きていません。

消費者物価指数(CPI)などは2%に満たない低い水準です。

大量にばら撒かれた資金がどこへ行ったかというと、株や債券、不動産などに向かっています。

そして、ご存じのように、経済活動がまだまだ再開という状況にまで至っていないものの、株価は最高値を更新したりしています。

即ち、モノのインフレではなく、資産インフレが起きていました。

したがって、これまでは、株や債券、不動産などの資産を持っていることで、正しい行動をしてきたわけです。

ワクチン接種の進展などにより、経済活動が本格的に再開されると、大量の資金が消費に向かう可能性があり、価格を一気に押し上げてしまう可能性も否定できません。

そうした環境を前にどのように対処したら良いかを考えていきましょう。

インフレ対策を考えた金融商品

インフレが急激に上昇するのか、徐々に上昇していくのか、どのような経路で上昇していくのかで、その影響度も異なります。

そのパス毎に考えていくと収取がつかなくなるので、ここでは一般論としてのインフレ対策を考えていきます。

基本的には、株債券の内外を基本としたポートフォリオに、更に以下のようなインフレ耐性の強いものなどを入れて、分散投資で対策を考えた方が良いかと思います。

  • TIPS(インフレ連動国債)
  • 変動金利債・変動金利ローンを投資対象とした投資信託・ETFなど
  • 不動産・REIT
  • 商品(コモディティ)インデックスに連動するETFなど
  • 株(インデックスファンド・もしくはインフレ耐性の強いセクター・銘柄)
  • ハイイールドボンド(ジャンク債)
  • ヴィンテージ・カー、美術品など

主なものとしてはこれらがあるかと思います。

TIPS

最もダイレクトにインフレ対策として効果があるのは、TIPSです。

インフレ=CPIに連動して元本が変わりますし、変わった元本に対して金利が付きます。

ストレートにCPIの動きを反映することになるので、インフレによって資産の購買力を守る役目を一番きちんと果たしてくれます。

守りには強いですが、資産を増やすというところでは、大して期待できません。

変動金利債・変動金利ローンを投資対象とした投資信託

これも守りを主眼としたものです。

ご存じのように、インフレの上昇は金利の上昇につながります。

そして、固定金利の債券では、金利の上昇は価格の低下につながります。

一方、変動金利の債券やローンは、タイミングのずれはあるものの、市場金利が上昇するとそれに連動する形で金利が上昇するので、債券価格の下落が限定的になります。

バンクローンを投資対象とする投資信託も販売されていますが、このバンクローンというのは、変動金利の貸付ですので、金利上昇に強いものになります。

不動産・REIT

不動産は、インフレが起きる時には価格が上昇することが多いので、非常に良い投資になるかと思います。

ただし、その動きがインフレよりも大きくなるので注意が必要です。

上昇するときも下落するときも大きくなります。

そして、現金一括で買うケースを除けば、通常はローンを使うことになるかと思います。

ローンを使う場合、そのローン条件によってもリターンは大きく変わります。

固定金利であれば、市場金利の状況にかかわらず、想定の範囲内で返済できます。

一方変動金利だと最初は低いですが、金利が高騰した際に想定以上の返済を迫られることになります。

そして、最大の問題は、流動性が低いこと、売りたい時に売りたい価格で売ることは難しいです。

これが最大のネックになります。

長期で持つことを前提に考えないと大変なリスクを抱えることになります。

気候変動・自然災害リスクの増大で、不動産・住宅購入のリスクは今まで以上に大きくなっていることも考慮に入れた方が良いでしょう。

流動性リスクを回避するためにREITへの投資をするというのも一つです。

REIT投資は不動産への投資ではありますが、株式市場の変動の動きを大きく受けますし、債券の利回りとの相対的な魅力度の動きで動くので、値動きは大きいことの覚悟が必要です。

金は、「代替通貨」と言われることもあります。

インフレ対策というと真っ先に「金」が取り上げられることが多いですが、実際には、金は必ずしもインフレ対策として有効かというと、「時と場合による」ということになりそうです。

インフレ以外の様々な要因で値動きが起きます。

金利が上昇した時には、金は持っているだけでは何も生まない資産なので、価格上昇が無いと魅力は低い。

但し、株や債券と異なる動きをする資産クラスですので、分散のために持っていることは必要かと思います。

商品市況に連動するETFなど

インフレにダイレクトに連動しそうですが、連動する指数の構成によって全く動きが異なるので注意が必要です。

GSCI Commodity Indexに連動するETFなどは考慮に値するかと思います。

全ての株がインフレに強い訳ではないです。

金利上昇に弱いものや、高PERのものは気を付けた方が良いでしょう。

セクターとしては、高成長が見込めるが景気の動きにあまり影響されないセクター、例えばヘルスケアなどは悪くない対象かと思われます。

個別株では、価格決定力(Pricing Power)があるかどうかは大きなポイントかと思います。

価格を多少上昇させても価格が逃げないという企業はインフレでも強いです。

ハイイールドボンド(ジャンク債)

金利上昇時に債券は、通常価格が下落します。

しかし、ハイイールドボンドの発行体は、景気が良くなる時期には財務状況が良くなることから、信用力が増し、上乗せ金利が低下することで、相対的に良いパフォーマンスになることが多いです。

ヴィンテージ・カーや美術品

これは、ほとんど趣味の世界に入りますが、鑑識眼があり、売るまで何年でも待てるというくらい資金の余裕があるのであれば、かなり高いリターンが得られる投資になります。

素人が下手に手を出すと大ヤラレしやすい分野ですので、要注意ではあります。

まとめ

基本的に、投資ポートフォリオを株中心で行くことで構わないかと思います。

ただし、分散投資によって、金利が上昇してもポートフォリオの購買力が下がらない、あるいは一時的に下がるにしても、その下がり方を小さく出来るようにすることは大事です。

上記のいくつかを組み合わせてポートフォリオに組み込むことも考慮していただけたら良いかと思います。

そして、最大の投資は、自分の稼ぐ力を付けること。すなわち、自分自身への投資です。

これはインフレ・デフレを問わず、最も重要な投資かと思います。

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