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景気のV字回復やL字不況とは?景気の二極化を示すK字についても解説

出典:Getty Images

経済の専門家は景気を表す折れ線グラフの形から「V字回復」や「L字不況」と呼称することがあります。

V字型やL字型の折れ線グラフは過去の景気後退時に多く見られたことから、投資や経済の勉強を始めたばかりの方でもイメージがしやすい形です。

しかし、最近ではK字型の折れ線グラフが登場しており、意味を知らないと、景気がどのように変化しているのか分かりづらいです。

そこで今回は、景気を表す折れ線グラフの形であるV字やL字の意味や、経済の二極化を示すK字について解説します。

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景気を表す折れ線グラフの形

景気を表す折れ線グラフの形が大文字のアルファベットに似ていることから、V字回復、L字不況などと呼称されます。

この折れ線グラフの形を景気後退の形状、あるいは景気回復の形状と呼び、経済学者が景気の状況を言い表すときに用いる用語になります。

ただし、きちんとした理論や分類のされている用語ではなく、景気後退と回復を表す非正式な簡易表記で、主にV字、U字、W字、L字がテレビや雑誌、新聞などで用いられます。

V字型の折れ線グラフ

V字型の折れ線グラフは、景気を表す折れ線グラフとしては最も有名な型として用いられます。

V字型の折れ線グラフは、景気が短期間ながら急激に後退(右肩下がり)し、底をつくと今度は好況(右肩上がり)となります。

グラフが谷のような形を描いており、景気の後退も好況も急上昇なのがV字型の特徴になります。

有名なのはアメリカの1953年に起きた不況で、連邦準備理事会の利上げにより経済が一気に活性化すると、国内総生産などがV字型の折れ線グラフとなっています。

U字型の折れ線グラフ

U字型の折れ線グラフは、V字型の折れ線グラフに近い形をしております。

V字型の折れ線グラフと同様に景気が短期間ながら急激に後退し、好況時も急激に上がるのですが、V字型と違って底をつく期間が長いのがU字型の特徴になります。

折れ線グラフは常に一定の曲線を描くことは滅多にないため、底をつく期間の間は小刻みに上下する形になりますが、上下する幅が小さいのがU字型の折れ線グラフに多く見受けられます。

有名なのはアメリカの1973年~1975年に起きた不況で、1973年に起きた不況により成長率は低い水準を2年間保ったまま、1975年にようやく回復しました。

W字型の折れ線グラフ

W字型の折れ線グラフは、V字型の折れ線グラフを2つ以上並べたときの景気を表す折れ線グラフになります。

景気が急激に後退し、底をついてから急激に回復するのがV字型の折れ線グラフですが、回復した地点から再び短期間で後退し、その後好況に転じるのがW字型の折れ線グラフです。

グラフの全体図でみれば、広い幅で上下に動いていることから、W字型と表記されています。

有名なのは短期間で2回の不況が発生したアメリカの1980年代初期の不況です。

L字型の折れ線グラフ

L字型の折れ線グラフは、短期間で景気が後退し、底をつくも停滞の状況が長期間にわたって続く状態を表す折れ線グラフです。

最大の特徴は好況(回復)が起きていない、あるいは非常に緩やかな状態となっていることで、景気後退の形状を表す折れ線グラフのなかでは最も厳しいグラフになります。

L字型の折れ線グラフで有名なのは1990年に日本のバブル景気が崩壊したときで、バブル崩壊後は長期にわたりデフレーションが起きたため、日本経済の成長は横ばいの状態となっています。

これを専門家は失われた10年と呼びます。

一般的な型に当てはまらない折れ線グラフ

上記で解説した4つの型の折れ線グラフは景気を表す折れ線グラフの形として用いられますが、正式なものではありません。

そのため、経済学者や評論家などは、他の型を用いて説明することがあります。

例えば、ある金融ブロガーは「数年に渡り不況と回復を交互に繰り返した状態」をWW字型の不況と表記し、投資家として有名なジョージ・ソロス氏はアメリカの2009年に起きた不況の折れ線グラフを逆根号型と形容しています。

このように、景気を表す折れ線グラフはV字型やL字型とは異なる表記を用いています。

長期化するコロナ禍の国内景気を表記する「K字型」もその一つと言えます。

K字型の折れ線グラフ

K字型の折れ線グラフは、経済が不況から回復する際に、業績を伸ばす勢力と落ち込みが拡大する勢力に二極化される様子を表しています。

Kの右上に伸びる線が業績を伸ばす勢力、Kの右下に伸びる線は業績が落ち込む勢力を示しており、経済が分断される状況の時に用いられます。

実際、2020年の国内企業株価を騰落率で分類すると、医療関係やIT関係の企業の株価は1年を通して上昇を続け、交通や観光、飲食に関連した企業の株価は1年を通して下落を続けています。

海外でも同様の現象が起きており、製造業が主流の国と非製造業が主流の国、IT分野に強い国と弱い国で景気回復に大きな違いが生じています。

2021年4月1日に日銀が発表した全国企業短期経済観測調査によれば、大企業製造業の業況判断指数は2019年9月の水準まで回復していますが、大企業非製造業の業況判断指数は低迷した状態が続いています。

非製造業のなかでも飲食業やサービス業などは緊急事態宣言の再発令、外出自粛、店舗の営業時間短縮などの影響もあり、歴史的な低水準となっています。

このようにK字型は経済の分断、二極化が起きているときに用いられる形になります。

まとめ

以上が、景気を表す折れ線グラフの解説になります。

景気を表す折れ線グラフはV字、U字、W字、L字が一般的に用いられますが、これらの表記は正式なものではありません。

そのため、専門家によってはWW字や逆根号など特殊な折れ線グラフの形もあります。

K字も最近になって注目を集めている折れ線グラフの形になり、不況からの回復できる業種と、回復できずに停滞している業種の二極化が進んでいることを表しています。

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