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BDC銘柄の投資はリスク分散と損切必須。配当の高さはリスクの高さ

出典:Getty Images

一部の投資メディアやSNSで、高配当のBDC銘柄が話題になっています。

BDC銘柄の配当を調べてみると、利回りが6%、8%は当たり前の高配当銘柄ばかりです。

個人投資家に人気の高配当利回りETFでも3%前後の利回りなので、配当利回りだけを見ると気になって当然です。

一方で、BDC銘柄が日本の大手ネット証券で新規買い付け停止の措置がとられているといった話題もあがっています。

高配当の恩恵を受けたい反面、投資対象としてはリスクが高く、不安に感じる投資家も多いのではないでしょうか。

そこで現在、投資家の間で話題になっているBDC銘柄について解説します。

BDC銘柄とは?

BDCとは「Business Development Companies」の略です。

事業開発会社で新産業や有望な中堅企業などの事業開発をサポートしています。

ベンチャー・キャピタルとの違いは参加する投資家にあります。

  • BDC:公開市場から誰でも投資に参加できる
  • ベンチャー・キャピタル:一部の限られた投資家から投資を募る

つまりBDCの方がベンチャー・キャピタルよりも一般的な投資家にとって参加しやすい投資対象といえます。

では、何故BDCは極端に高い配当が可能になるのでしょうか。

その理由は法人税の優遇措置にあります。

BDCは投資家から資金を集め、米国の中堅企業に投資をします。

そして投融資先の企業から得られる利息や配当といった収益が、「BDC」を通じて投資家に配当される仕組みです。

その際に、BDCは収益の90%以上を配当すること等を条件に税制的な優遇措置を受けています。

日本のREIT(不動産投資信託)も利益の大部分(税引き前利益の90%超え)を分配金として支払うことで、法人税が免除される仕組みですが、BDCもREITに近い仕組みで高配当を可能としています。

BDC銘柄のメリット

BDC銘柄のメリットはシンプルに高配当であることです。

一般的な高配当銘柄やETFに比べるとBDC銘柄の利回りは高く、利回りが高いことはリスクだと考える投資家からすれば、手を出しづらくなるほどの配当利回りです。

ただ、投資できる人が限られているベンチャー・キャピタルも上場の基準を満たしている企業よりリスクの高いところに投資をする分、ハイリターンを得られる仕組みです。

BDCは通常、投資家が投資できない投資対象に間接的に投資する手段として、投資家に選択肢を与えてくれています。

BDC銘柄の事例と詳細の調べ方

具体的なBDC銘柄としてよく挙げられているのは以下の4つです。

  • ARCC   (Ares Capital Corporation)
  • ORCC   (Owl Rock Capital Corporation)
  • MAIN   (Main Street Capital Corporation)
  • PSEC   (Prospect Capital Corporation)

BDCはそれぞれが事業開発会社で、公式サイトを訪れると英語ですが、投資家向けにポートフォリオを公開しています。

(Ares Capital Corporation公式)

(Ares Capital Corporation IR)

またIR情報を辿っていくと、米国の個別銘柄と同じようにForm10-Kが見つかるので、具体的なBDC銘柄の投資先や運用方針・成績を確認したい場合は公式サイトから情報を辿っていくのがおすすめです。

ロイターやYahoo Financeでも利回りや簡易的な売上の確認はできます。

ただしポートフォリオ先の上場もされていないような企業を一つ一つ、確認してみると上場企業のような詳細がわかる訳ではありません。

BDCそのものの運用のことは分かっても、投資先の詳細まではつかみづらいのがBDC投資の難しさです。

そして、実はBDC銘柄を分散投資したETFも存在します。

信託報酬はETFなのでかかってしまうものの、BDC銘柄の分散投資が可能になります。

BDC銘柄を分散投資したい場合はETFを検討しても良いでしょう。

BDC銘柄のデメリット。日本では取り扱い中止に

BDC銘柄のデメリットはリスクが高いことです。

  • それぞれの投資先の詳細を調べるのが難しい
  • 投資先は基本的にリスクの高い企業が多い
  • 90%の利益を株主に還元する仕組みで株価が上昇しづらい

高配当ではあるものの、それぞれの投資先の詳細がいまいち分かりづらく、不透明な部分が出てきてしまいます。

特に不安定で景気敏感な投資先を多数抱えているBDCは、リスクが高めです。

例えば、2020年のコロナウイルス感染拡大では、BDCが融資している中小企業が経営困難に陥る懸念から、一時4割も値を下げました。

BDCの投資先の不良債権化が進むと、自ずとBDC銘柄は高い配当金を無意味にしてしまうほど値を下げてしまう恐れがあります。

また日本では大手ネット証券がBDC銘柄の新規買い付けを停止する措置をとっています。

米国株の個別銘柄を多数取り扱っているマネックス証券が、BDC銘柄の取り扱いを停止したことは一部の投資家に衝撃を与えました。

今後、楽天証券なども同じように取り扱い停止の方向に向かう可能性は高く、BDC銘柄を一般的な大手ネット証券から購入すること自体が難しくなる可能性があります。

米国の現地ネット証券、例えばFirstradeやInteractive Brokersの米国法人など、日本人でも開設できる口座を使う手もありますが、BDC銘柄を買うためだけに開設するのは少し煩雑です。

また、BDC銘柄は基本的にリスクも高いため、ポートフォリオ全体の1割など、一部にとどめる方が無難です。

日本の投資信託で「新・ミューズニッチ米国BDCファンド(為替ヘッジなし・毎月分配型)」などBDC投資ができる投資信託もあります。

米国のBDC銘柄の取引が難しくなったら、日本の投資信託を活用するのが一番手軽で簡単です。

BDC投資はリスク分散と損切りをセットで

BDC投資はリスクが高いので、基本的にリスク分散と損切りが必須です。

ポートフォリオ全体の一部にBDC投資はとどめ、自分のリスク許容度をこえたら損切りも必要になります。

高配当で大きなポジションをとりたくなるのも無理はありません。

しかし、高配当とリスクはセットだという基本にたちかえり、高配当のいいところだけをとることはできないことを踏まえてBDC銘柄とのつきあい方を考えましょう。

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