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日米大手企業 、生き残りをかけた戦略

出典:Getty Images

世界的に有名な大企業であっても、今は生き残るのは難しい時代です。

各企業は時に、生き残りを掛けた大きな選択に迫られます。

決定した戦略が将来、吉と出るか?凶と出るか?

その答えは誰にも分かりませんが、生き残るためには時代の流れを掴み、先手を打って動いて行くことも大切な事でしょう。

この記事では、日米の大手企業が生き残りをかけて行った戦略の事例を2つ紹介します。

日立製作所が「日立金属」を売却へ

日立製作所は、上場子会社である日立金属を米投資ファンドのベイン・キャピタルと国内投資会社の日本産業パートナーズが軸となる日米ファンド連合に売却する方針を固めました。

日立製作所は、ここ数年に置いて製造業系の子会社や事業を次々と売却して来ました。

また、日立化成を昭和電工に売却した際には、日立グループの「御三家」の一つが売却されると言う事で大きな話題となりました。

日立グループの「御三家」というのは「日立化成」、「日立電線」(日立金属と合併済)、そして今回売却される「日立金属」です。

古き良き時代に多くの産業をもたらした日立グループの「御三家」は、ここで幕を引くことになります。

昨年には、「日立金属」において長年にわたる品質検査の不正が発覚し、その後、当時の社長が引責辞任すると言うこともありました。

直近の業績は厳しい状況であり、今年3月期の連結最終損益は460億円の赤字、また前期は376億円の赤字という事で、二期連続で最大の赤字となる見通しを出しています。

今回の決断について、日立製作所は中枢のビジネスと金属との相乗効果は薄いという判断にいたり、昨年末から売却に向けた流れを進めて来たと発表しています。

同社は、2008年に起こった「リーマン・ショック」後に、約8千億円と言う巨額の赤字を計上しており、それを機に子会社との関係を見直して来ました。

日立製作所は、IT技術によるITサービスへの強化に努めていく方針で、積極的にM&Aも行って来ました。

昨年には、スイス重電大手「ABB」の送配電事業を約7千億円で買収しています。

また、先月末には米ITベンチャー企業の米グローバル・ロジックを約1兆円で買収すると発表しました。

この米グローバル・ロジックという企業は、医療、自動車、産業分野のシステム開発を行っている企業でソフトウェアとクラウドを繋ぐ技術に長けています。

日立製作所は記者会見において、米グローバル・ロジックを買収する狙いは「Lumada(ルマーダ)の世界展開のため」と説明しており、このLumada(ルマーダ)とは、日立製作所が成長戦略の軸にしているIoT基盤であり、ITを使った社会イノベーション事業で企業の生産性の向上などを支援するサービスです。

また、米グローバル・ロジックは、ユーザーとの共創拠点であるデザインスタジオを世界に8カ所、また現地で開発サービスを提供できる開発拠点を世界30カ所で運営しており、既にグローバルビジネスの基盤が出来上がっている企業です。

従って、この買収に伴い日立製作所はグローバルで顧客のニーズに合った様々なサービスを展開できる基盤を整えたと言えます。

マイクロソフトが「音声認識ソフト企業」を買収

今月12日、米大手IT企業のマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)が音声認識ソフトを手掛ける米ニュアンス・コミュニケーションズを買収することが明らかになりました。

買収金額は197億ドル(約2兆1,500億円)、そして今回の買収は、全額現金での買収となります。

マイクロソフトは、この買収でヘルスケア関連のクラウドサービスの向上を目指します。

マイクロソフトが過去に行ったM&Aの規模の中で、今回の買収は「リンクトイン」以来の大規模買収となります。

今回買収されるニュアンス・コミュニケーションズは、アップルの音声アシスト機能の基盤を製造した企業であり、技術力に長けている企業です。

今回の買収で、グーグルなどの大手IT企業なども手掛けている音声人工知能の分野を向上させる狙いがあると見られています。

マイクロソフトとニュアンス・コミュニケーションズは、数年前から医療向けサービスへの向上を目指し、互いの技術、サービスでの統合を目指して来ました。

今回の買収で、マイクロソフトは他社には真似できないサービスを開始し、ヘルスケア分野での市場の拡大や活躍が期待できます。

マイクロソフトは、これまでも積極的に企業買収を行っており、過去にはリンクトインだけでなく、「スカイプ」などの買収も行っています。

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