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バークシャー・ハサウェイの円建て社債発行とその考察について

出典:Motley Fool

アメリカの投資・保険会社であり、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)が円建て社債の発行を決定しました。

発行規模は1,600億円であり、大きな注目を集めています。

同社が円建て社債を発行するのは今回では3回目になります。

昨年の8月には日本の5大商社である、伊藤忠商事、三井物産、三菱商事、住友商事、丸紅の株式を取得しており、バフェット氏が日本の銘柄に興味を示していることが分かります。

本記事では今回のバークシャー・ハサウェイによる円建て社債発行や今までの発行について解説するほか、これらの事実を踏まえた考察を行っていきます。

バフェット氏に強い興味を示す投資家の方はもちろん、米国株だけでなく日本株もポートフォリオに組み込んでいる投資家やバフェット氏の動向に興味を持つ投資家の方など、様々な投資家の方に読んで頂ければと思います。

今回のバークシャー・ハサウェイによる円建て社債の発行について

バークシャー・ハサウェイが2021年4月5日、円建て社債の発行条件を決定するための需要調査を開始したことが判明しました。

これは主幹事を務めるJPモルガン証券が公表した資料から判明したことです。

5日時点において同社は、償還期限が5年・10年・15年・20年と4つの社債の発行を予定しているとしていました。

バークシャー・ハサウェイは2020年の8月に、伊藤忠商事や三菱商事などの日本の5大商社に投資を行っていたことから、今回の円建て社債の発行は日本やアメリカなどで大きな注目を集めました。

8日の発表により、同社が実際に発行する社債は合計1,600億円になることが判明しました。

発行は15日であり、償還期限は5年・10年・20年の3本になるとしています。

このうち10年債の発行金額が800億円と最も多くなっています。

表面利率は5年債が0.173%、10年債は0.437%、20年債が0.969%となっています。

また発行額は順に400億円、800億円、400億円となっています。

今回発行される10年債の表面利回りはバークシャー・ハサウェイが2019年に発行した10年債の0.44%、2020年に発行した1.11%と比較すると、やや物足りないと言えるでしょう。

ただ国内債に比べれば、バークシャー・ハサウェイが今回発行する円建て社債よりも検討しやすい水準にあるとの反応もあります。

バークシャー・ハサウェイによる円建て社債発行の歴史

冒頭でも触れましたが、バークシャー・ハサウェイが円建て社債を発行するのは、今回が初めてではありません。

2019年と2020年にも円建て社債の発行を行っています。

2019年9月には総額4,300億円で円債市場に姿を現したほか、2020年4月にも1,955億円の円建て社債を起債しました。

2020年の8月には日本の5大商社の株式を取得しており、円建て社債の発行を活用したと見られています。

これらの経緯から、バフェット氏は日本の市場に一定の興味を示していると考えることができるのではないでしょうか。

バークシャー・ハサウェイはなぜ円建て社債の発行を行うのか

いくつかの理由が考えられますが、一つ目の理由として、米国株の「割高感」が挙げられるのではないでしょうか。

皆さんご存じの通り、米国の株式市場には投資マネーが集中し、あふれかえっている状態です。

バイデン政権はさらなる追加の施策を実施すると考えられ、今後もマネーが市場にあふれる状態は続いていくものと考えることができます。

そこで同氏は日本の株式に注目しました。

先ほどから述べているように、同氏は昨年の8月に日本の5大商社の株式をそれぞれ5%超取得しました。

その際同氏は価格次第では保有比率を最大9.9%まで高める可能性があると述べています。

昨年の8月初頭から現在までの5大商社それぞれのパフォーマンスについて見ていきます。伊藤忠商事の株価は8月初頭の2,300円前後から、現在3,500円前後まで上昇しており、8カ月強の期間に52%ほど上昇しました。

続いて三井物産の株価ですが、昨年8月初頭の1,600円前後から、現在2,300円前後まで上昇しており、43%ほど上昇しました。

続いて三菱商事ですが、昨年8月初頭の2,100円前後から3,050円前後まで上昇しており、45%ほど上昇しています。

さらに住友商事ですが、昨年8月初頭の1,200円前後から1,550円前後まで上昇しており、29%ほど上昇しています。

最後に丸紅ですが、昨年8月初頭の500円前後から現在910円前後まで上昇しており、82%ほど上昇しています。

昨年8月初頭の日経平均株価は22,000円前後であり、現在は30,000円弱となっていますので、日経平均株価はこの期間で35%上昇したことになります。

住友商事株のパフォーマンスのみ日経平均株価のパフォーマンスを下回っていることになり、それ以外の4銘柄については、日経平均株価を上回るパフォーマンスを見せています。

バフェット氏が見込んだ通り、5大商社の株価は日経平均株価のパフォーマンスを大きく上回って推移していることから、5大商社株の株価にバフェット氏は満足しているものと考えてよいのではないでしょうか。

また5大商社の株価は、日経平均株価を上回るパフォーマンスを見せているだけにとどまりません。

NYダウ平均株価、ナスダック総合指数、S&P500のパフォーマンスも、それぞれ30%、40%、25%前後であり、アメリカの標準的な株価指数を上回るパフォーマンスを5大商社株は見せていることになります。

これらの理由から、バフェット氏が今後も5大商社を中心とした日本株に投資する可能性は高いと言えるのではないでしょうか。

ただバークシャー・ハサウェイは今回の円建て社債の発行目的を償還したドル建て債の借り換えを含めた一般運転資金の調達としており、その詳細な使い道などは公表していません。

バークシャー・ハサウェイは投資会社としてのイメージが強く、調達した資金を株式投資に利用すると考えがちですが、それを示す明確な根拠まではありません。

同社が株式を買い増すかどうかは分かりませんが、それとは別に、同社が昨年8月に購入した日本の5大商社株については一定の評価をしているものと考えることができるのではないでしょうか。

バークシャー・ハサウェイはどのような銘柄に投資をするのか

最後に、バークシャー・ハサウェイが円建て社債発行により調達した資金を株式の投資に利用すると仮定した場合、どのような銘柄に投資するのかについて考察していきます。

まず挙げられるのが、5大商社株の買い増しでしょう。

前述の通り、5大商社株は非常に良好なパフォーマンスを発揮しています。

バフェット氏はこれらの銘柄について、長期保有を目的としていると述べていることから、今後も良好なパフォーマンスを発揮すると考えた場合、これらの銘柄を買い増す可能性があると考えてよいのではないでしょうか。

そのほかに考えられる銘柄として岩谷産業と豊田通商が挙げられます。

これらの銘柄は直近6カ月でそれぞれ69%、58%の上昇を記録しており、これはバークシャー・ハサウェイが保有している5大商社株のパフォーマンスを上回っています。

そのほかに考えられる銘柄としては、三菱UFJフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループなどの銀行株などが挙げられるでしょう。

現在は低金利により苦しい状況が続いているものの、今後の動向次第では収益改善が望めるほか、高い配当利回りを持っているため、安定したリターンを得やすいものと言えます。

このようにバークシャー・ハサウェイが投資先として選ぶ日本株は、配当利回りが高いものや収益改善のポテンシャルを秘めた銘柄になるのではないかと考えています。

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