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【米国株動向】オートデスクは建設業界のマイクロソフトになれるか?

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、202141日投稿記事より

建設業界向け施工管理ソフトウェア会社のプロコア・テクノロジーズが米証券取引委員会に最近提出した証券登録届出書によると、この分野のソフトウェアの競争は激化しているようです。

大手ゼネコンが協業の効率的な進め方を模索する中、施工管理ソフトウェアを巡る状況は、この10年間のファイル共有業界と似通っています。

ファイル共有業界ではアルファベットやドロップボックスなど多くの勝者が生まれていますが、リーダーと広く見なされているのはマイクロソフトです。

以下、オートデスク(NASDAQ:ADSK)が建設業界向け施工管理ソフトウェアの分野でリーダーとなれるのかどうかを見ていきます。

オートデスクが施工管理を追求する理由

オートデスクとマイクロソフトの類似性を探る前に、建設業界に関する基礎的な知識をおさらいしておきましょう。

建設業界は巨大な産業であり、プロコア・テクノロジーズの証券登録届出書によると、同業界は世界の国内総生産の13%、世界の雇用の7%を占めています。

同業界における支出の大部分がソフトウェアに向けられているわけではありませんが、ソフトウェアが果たす役割の重要性は高まっています。

建設作業はオフィスと現場の両方で分散して進められるため、従来はコミュニケーションの欠如がプロジェクトの遅れの一因となってきました。

しかし、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータなどインターネット接続機器が普及するにつれてコミュニケーションが合理化され、様々なワークフロー・プラットフォームが登場しています。

オートデスクは、建築・エンジニアリング・建設(AEC)業界に設計ツールを提供する企業として知られていますが、プロジェクトのライフサイクル後期で使用される施工管理ソフトウェアの開発会社の買収に、ここ数年で30億ドル強を投じています。

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マイクロソフトとオートデスクの類似点とは?

オートデスクの設計ソフトウェアは、従来から建設作業用の設計図の作成に使用されています。

つまり、同社のソフトウェアを使って作成されたビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)ファイルやコンピュータ支援設計(CAD) ファイルが、建設業界に力を与えています。

こうした状況は、Microsoft Officeが様々な企業の文書ファイルの作成に使用されているのと似通っています。

こうしたファイル形式の多くは、マイクロソフトまたはオートデスクが開発した固有のファイル形式です。

マイクロソフトは2011年、ボックスやドロップボックスなどのファイル共有プラットフォームの台頭を目の当たりにして、Office 365と呼ばれる独自のサービスを展開しました。

現在、マイクロソフトのファイル共有サービスのユーザー数は全世界で2億人を超えており、同社はこの市場で既に大きなシェアを獲得しています。

一方、オートデスクは2019年に「オートデスク建設クラウド」を立ち上げ、新たな事業に進出しました。

ユーザーは、建設クラウドを使用することにより、あらゆるファイルを1つのプラットフォームで維持できるようになります。その意味で建設クラウドはOffice 365と似通っています。

同社は従来、顧客による建築物の設計を支援するだけでしたが、建設クラウドの立ち上げにより、同社のソフトウェアユーザーはリソース計画の立案と調整、下請け業者の選定、コスト管理、建築プロセスにおけるコミュニケーションなど、様々なことが実行できるようになりました。

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プロコアに対する優位性

オートデスクは建築設計ソフトウェアのリーダーですが、プロコアは施工ソフトウェアの分野で最大の市場シェアを有しています。

プロコアは1万社を超える顧客と160万人のユーザーを抱え、この点では依然としてオートデスクに差をつけています。

しかし、オートデスクに有利な要因がいくつかあります。

第一に、同社はサブスクリプションサービスで500万件を超える契約者を抱えています。

新規顧客は既存のユーザー基盤から容易に獲得できるはずです。

また、既存サービスとセットで販売できるため、価格設定の面で優位に立つ可能性もあります。

建設業界におけるオートデスクの評判の高さと十分な資本を持つ企業としての地位を踏まえると、マイクロソフトとの類似点を指摘するのは簡単です。

ただし、そうした比較は興味深いかもしれませんが、全く同じ条件での比較ではありません。

また、オートデスクには建設業界でまだやるべきことが残っています。

全体として見ると、建設業界にとってデジタルサービスへの移行はまだ始まったばかりであり、オートデスクとプロコアの両方がデジタルへの移行から恩恵を受ける好位置につけていると言えます。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アルファベットのエグゼクティブであるSuzanne Freyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Ryan Hendersonは、オートデスク株、ドロップボックス株を保有しています。モトリーフール米国本社は、ボックス株、オートデスク株、アルファベット(A株)、アルファベット(C株)、マイクロソフト株を保有し、推奨しています。
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