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ロシアのECは意外な穴場?伸び盛りの市場に注目

出典:Getty Images

ロシアのEC市場はブルーオーシャンとして注目を集めています。

しかし、日米や中国EC市場に比べるとロシアのEC市場は取りあげられる機会が多くはありません。

そしてロシアはGoogleよりもYandexが検索エンジンとして使われているなど、Web周りの事情が諸外国に比べて特徴的です。

そこで意外な穴場、伸び盛りの市場として注目されているロシアのECについてご紹介します。

ロシアのEC市場は伸び盛り

ロシア・インターネット取引業協会(AKIT)の発表(2月19日)によると、2020年のロシアのEC市場(BtoC)は前年比58.5%増の3兆2,210億ルーブル(約4兆5,094億円、1ルーブル=約1.4円)を記録しました。

日本貿易機構(ジェトロ)によると、市場を牽引したのは国内取引で、ロシア国内のEC取引額が前年比の1.9倍にまで膨らみました。

ロシアのEC市場は世界で現在第9位。

しかし、伸び率が大きい成長市場で投資先・ビジネスを展開する市場としては投資家にも実業家にも魅力的です。

ロシアは欧米に比べるとECでは遅れていました。

広大な国土に十分な流通インフラを築くことができなかったからです。

しかしロシアのインターネット利用率自体は高く、ECが遅れた理由は物流網でした。

その物流網が整ってきたため、ロシアのEC市場が成長する土台が整ってきているのです。

ロシアのEC市場の特徴

国土が大きい

ロシアの国土は世界最大です。日本が45個入る位の大きさです。

そのためロシアのEC発展には物流・インフラの発展が必要でした。

ロシアの地方ではモスクワ、サンクトペテルブルクのような都市部と同じものを実店舗で買うのは困難です。

そのため地方部からEC経由での発注も半数を占めています。

近年の物流・インフラの発展に伴い、ECで地方の人が都市部の人と同じものを手に入れるのが比較的容易になりました。

物流・インフラの発展が追いついていなかったからこそ、整備されてからのロシアECの拡大は早いと予想されます。

インターネット事情が特殊

ロシアでは検索エンジンはGoogleではなく、Yandexの存在感が大きいです。

FacebookやInstagramではなく、ロシア独自のSNSが使われています。

ECでもAmazonよりもロシア発のECサイトが広く使われており、中国と同様、独自の発展をしていることに留意する必要があります。

輸入品に頼っている

ロシアは国内生産が少なく、ECの売上の約3割が越境ECという特徴があります。

現在、ロシアの越境ECで存在感のある国は中国です。

2019年には中国のアリババがロシアで合併ECプラットフォームを設立しました。

実業の観点から考えると、ロシアには越境EC市場としてのチャンスがありそうです。

日本からもロシアEC市場への参入が増えていくでしょう。

ロシアの代表的なECサイトと投資先

ロシアの代表的なECサイトを売上順に並べると、以下の5つになります。

  • 1位…Wildberries.ru
  • 2位…Citilink.ru
  • 3位…Mvideo.ru
  • 4位…Ozon.ru
  • 5位…DNS-shop.ru

売上高1位のWildberries.ruが群を抜いています。

それでもシェアは10%台で、未だにロシアで独占的な立場のECはありません。

つまり現在のロシアのECサイトは群雄割拠で、将来どこが覇権を握るのか分かりません。

投資先として注目されているのは売上高4位のOzon.ruで、2020年11月にOzon Holdings(NASDAQ:OZON)として上場しています。

特徴は物流網を独自に整備した点にあります。

ロシアの郵便は日本ほど高品質な配送ができません。

そのためECで注文しても何日も初品が届かないなどの問題もありました。

OZONは独自の物流網を整備したことによって、あの広大なロシアでも地域の約4割に翌日配達ができるようにしました。

自社の物流網を整えることで、ECで成功した事例として韓国のクーパンが挙げられます。

OZONはロシアのAmazonとも呼ばれており、書籍や電化製品、DVD、ソフトウェア、ゲームソフト、音楽ソフト、子供商品、スポーツ、ファッション、家具等幅広いジャンルの商材を取り扱っています。

また、旅行サイトやECサイト向けの配達代行サービスも取り扱っています。

OZONはロシアECの成長の恩恵を受けられる銘柄で投資先としては妙味があります。

ロシアでAmazonは驚異にはならない?

中国とロシア市場には独自のルールがあるため、Amazonをはじめ米国のIT企業がなかなか簡単に参入できません。

アメリカや他の国で通用したビジネスモデルをそのままローカライズさせてもうまくいかないからです。

ロシアの国営郵便はECサイトの物流網として使いづらいといった、ロシアならではの問題点を克服するのは、Amazonにとって骨の折れる仕事です。

だからこそ中国では中国のIT企業、ロシアではロシアのIT企業が大きな存在感をもっています。

ただしAmazonが驚異でない代わりに、ロシア国内のEC企業同士の競争や越境ECサービスとのシェア争い自体は激化してもおかしくありません。

EC市場全体に追い風は吹いていますが、EC企業同士の競争が加速する可能性は否めません。

越境EC市場としても魅力的なロシア

ロシアは輸入品に頼っている国です。

日本の製品はロシアでも質が高いと評価が高く、日本車もよく売れています。

ただ、日本の具体的なメーカーや製品がロシアで浸透しているわけではありません。

そのため日本からの越境EC先としてロシアにはチャンスがあります。

ロシアは投資先としてだけでなく、ビジネスの場としても大きな可能性があります。

株投資だけでなく、ECを通じた事業を進めるうえでもロシアは見逃せません。

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