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エマージェント・バイオソリューションズの生産拠点でコロナワクチン約1,500万回分が使用不可に

出典:Getty Images

ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は3月31日、コロナワクチンの製造を委託しているエマージェントバイオ・ソリューションズ(NYSE:EBS)で生産過程の一部で人為的ミスが起こり、ワクチン約1,500万回分の使用が不可能になったと発表しました。

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この発表を受けて、エマージェントバイオ・ソリューションズの株価は4月1日の寄り付き時点で-14%となりました。

同社の株価は2月時点では120ドル台でしたが、現在は70ドル台付近で推移しています。

メリーランド州のボルティモア工場で今回の問題は発生しました。

製造過程で品質基準を満たしてないワクチン製造を停止し、米国食品医薬局(FDA)に報告されました。

ワクチンは通常、不活性化されたウィルスを摂取することによって免疫をつけます。

しかしアメリカでは過去に製造工程でミスがポリオワクチンであり出回ってしまった為、品質管理が厳格化されています。

そのためCOVID-19ワクチンの製造でも出荷前に品質管理テストを行いFDAに提出する必要があります。

今回はその品質管理システムの一部によるもので、アストラゼネカのCOVIDワクチン原液を誤って使用してしまったことが原因とされています。

この製造ミスを受けてジョンソン・エンド・ジョンソンは製造、技術運用、品質のエキスパートをエマージェント・バイオソリューションズに送り、品質の担保をサポートする措置をとっています。

アストラゼネカのワクチン生産は別の場所に移し、ジョンソン・エンド・ジョンソンの製品の生産に専念できるよう、米政府はアストラゼネカと合意しました。

エマージェントバイオ・ソリューションズってどんな企業?

エマージェントバイオ・ソリューションズは、ワクチンの製造を専門とする会社です。

炭疽菌ワクチンと天然痘ワクチンは米国内で唯一のサプライヤーです。

炭疽菌のバイオテロに対応するため、国策として製造を担っています。

またワクチンは消費期限があるため毎年一定数、政府がストックしているワクチンが廃棄になります。

その廃棄分を補うために、毎年一定量の注文が入ることが保証されています。

コロナウィルスのワクチン関連では、製造契約をジョンソン・エンド・ジョンソンだけでなく、他のアストラゼネカやノババックスといった製薬企業とも結んでいます。

また製薬会社との契約もアストラゼネカでは3年、ジョンソン・エンド・ジョンソンでは5年と数年にわたって契約されています。

今回人為的なミスが起こってしまいましたが、生産の途中でミスに気付けた点とその迅速な公表でリカバリーでき、最悪の事態は免れました。

エマージェントバイオ・ソリューションズは巨大な生産拠点と米政府からの製造拠点として指定された3つの工場で莫大量の製造を行っています。

CEOのボブ・クレイマー氏は3月3日、「アストラゼネカとジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを生産するインフラストラクチャーは整っており、両方を24時間年中無休で毎日生産しています。私達はそれらのワクチンを年間10億回投与レベルに十分到達できるレベルで運営しています。」と発言しています。

長年積み上げてきた実績、政府が認めた製造工場、高い生産能力を満たせる生産拠点を持つエマージェントバイオ・ソリューションズは、今後もコロナウィルスのワクチン製造において大きな役割を果たしていくでしょう。

参考:

ジョンソン・エンド・ジョンソン

CNBC

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