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米バイデン政権の巨額経済対策 、恩恵はどこに?

出典:Getty Images

米国の株式市場は絶好調とも言える様子で、5日のマーケットではダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数共に史上最高値を更新しました。

先日、アルコゲス・キャピタル・マネジメントが運用に失敗し、巨額の損失を被ったというニュースがありました。

この件に関連して、米国の野村證券でも巨額の損失が生じる可能性、またクレディ・スイスも、巨額の損害を受けるという事でした。

しかし、このネガティブなニュースへの株式マーケットの反応は薄く、やはり今注目されているのは、債券市場の動向に尽きると言うことなのでしょう。

インフラ投資計画、恩恵はどこに?

さて、米バイデン政権の新たな経済対策2兆3,000億ドル(約255兆円)のインフラ投資計画において、今後どの分野が恩恵を受けることになるのでしょうか?

この経済対策法案は、交通インフラ、住宅や学校、製造業支援、環境を配慮した電気自動車(EV)の充電設備の設置などへの補助金、人口知能(AI)、デジタル、バイオテクノロジーの研究開発への支援などと、広範囲にわたる大規模な経済対策となります。

この法案の恩恵を受けると考えられる分野は、今注目のクリーン・エネルギーの分野、電気自動車や人工知能の分野、そして半導体関連の分野などが挙げられるでしょう。

また米国において、この経済対策で恩恵を受ける分野が出て来れば、自然と日本の企業も好影響を受けることになります。

また、現在為替市場において円安が進んでいることもあり、これは日本の輸出企業にとってメリットがあるので、今年は是非とも期待したいです。

米共和党からの指摘

今回の大規模な経済対策について、米共和党からは反対する意見も上がっています。

ミシシッピ州知事のテイト・リーブス氏は「バイデン大統領は、この経済対策をインフラ計画と呼んでいるが、私には2兆ドルの増税に見える」と発言しており、増税への負担を問題視していることを示しました。

米バイデン政権が打ち出した今回の経済対策の財源の大部分は、企業増税によって賄うとされています。

また、今月末に社会福祉に重点を置いた「インフラ投資第2弾」も発表される予定であることから、更に財源を確保する必要もあります。

米共和党は「インフラ投資については賛成だが、法案の中には余分なものが多々ある」と指摘し、この法案に伴う法人税率の増税案について「法人税率を28%まで引き上げるというのは、トランプ政権が設定した21%から7%も上回る事になる」、また「この増税案が実現すればインフレを招き、経済の成長率を鈍化させる事になる」と言う厳しい意見を示しています。

コロナ禍での経済対策

今回の大規模な経済対策は、過去の米国大統領が行ってきたインフラ計画とは規模も内容も大きく違い、電気自動車や人工知能と言った新しい時代への転換に必要なテクノロジー分野への支援も含まれています。

その他にも、コロナ禍という事で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策も昨年から数回にわたり大規模なものが行われて来ました。

米国では、新型コロナウイルスのワクチン接種も急ピッチで進められており、米国においてワクチンを1回でも接種した人の数は、先進国の中で1位の英国に続き、米国は第2位となっています。

イエレン氏が求める最低法人税率の設定

米バイデン政権が打ち出した大規模な経済対策の実現に不可欠な法人税率の引き上げですが、法人税率を引き上げることで一番懸念されるのは、米国内の企業が海外に逃げて行くことです。

このような事態を防ぐため、イエレン米財務長官はシカゴ国際問題評議会にて、世界的な最低法人税率を設定するよう求めました。

G20に含まれる20ヵ国で世界的な法人税率の最低基準を設定することが重要であるとし、「税率の引き下げ合戦を、各国で競い合うのはもう終わりにしましょう」と訴えました。

多国籍企業側にとっても、課税が公平に行われれば経済成長を促すことに繋がると示し、最低法人税率設定の利点、重要性を強く語りました。

急激な金利上昇に伴うリスク

米国債券利回りが急激に上がると、これまでマーケットは敏感に反応して来ました。

ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネス教授のヌリエル・ルービニ氏は、ブルームバーグ・テレビジョンのインタビューにて「バブルとリスクテイク、レバレッジが多く見られ、多くの投資家やプレーヤーがレバレッジとリスクを取り過ぎており、その一部は爆発する可能性がある」と述べました。

また、10年物米国債券利回りが今年2%を超える場面が来た場合、マーケットに衝撃が起こり得ると指摘し、その他のリスクについても「インフレ・リスク」、そして「米中対立の激化」を挙げました。

また、「債券利回りが急上昇する場面があれば市場は動揺し、巨額の損失を出したアルゴゲス・キャピタル・マネジメントと同様の道をたどるヘッジ・ファンドが出て来ても何ら不思議はない」と指摘しています。

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