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【米国株動向】クラウドサービスのヴィーバ・システムズとハブスポット、どちらをより注目すべきか

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2021325日投稿記事より

ヴィーバ・システムズ(NYSE:VEEV)とハブスポット(NYSE:HUBS)は、どちらもクラウドベースのサービスを通じて企業の業務を効率化しています。

ヴィーバは、ライフサイエンス企業向けに顧客関係管理(CRM)、ストレージ、分析などのツールを提供します。

同社のサービスは臨床試験や業界の規制にも対応しています。

ハブスポットは、CRM、マーケティング、見込み客の獲得、検索エンジン最適化、分析ツールを一体化したパッケージを提供しています。

ヴィーバとハブスポットは直接的な競争相手ではありませんが、両社共にわずか数年で株価が急上昇しています。

ヴィーバは2013年に20ドルで上場し、現在の株価は約270ドルです。

ハブスポットは2015年に25ドルで上場し、現在は約460ドルとなっています(いずれも執筆時点)。

ここでは両社を比較してみましょう。

ヴィーバの成長ペース

ヴィーバはライフサイエンス市場で先行者優位を享受しています。

アストラゼネカ、モデルナ、メルクなどの大手製薬会社はいずれもヴィーバのサービスを利用しています。

同社のサービスはCRMプラットフォームのセールスフォース上で稼働しており、同サービスを提供するCRM業界の巨人であるセールスフォース・ドット・コム(NYSE:CRM)と直接競合することはありません。

2021年度(2021年1月期)の顧客数は15%増加して993件となりました。

サブスクリプション収入の維持率は124%で、これは既存のサービス加入者が同社のサービスへの支出額を24%増加させたことを意味しています。

この数値は2020年度末の121%から上昇しており、ヘルスケアCRM業界のより小規模なライバルはあまりシェアを伸ばしていないとみられます。

その結果、ヴィーバの通期の売上は33%増、調整後営業利益率は上昇、米国会計基準(GAAP)に準拠しない純利益は36%増となりました。

同社はGAAPベースでも黒字を維持しました。

ヴィーバは2022年度の売上を20%増と予想していますが、投資の増加などにより利益はわずか9%増にとどまるとみています。

しかし、同社は2025年度までに年間売上30億ドルを達成するという目標を維持しました。

これは今後4年間で売上が年率平均約20%のペースで増加することに相当します。

【米国株動向】好決算でも株価下落、クラウドサービスのヴィーバ・システムズは買いか

ハブスポットの成長ペース

ハブスポットの2020年度(2020年12月期)の売上は31%増加しました。

調整後営業利益率も上昇しており、非GAAP純利益は10%増となりました。

しかし、ヴィーバとは違ってGAAPベースでは赤字となっている上、赤字額は増加しています。

ハブスポットのサブスクリプション収入の維持率は2019年の99.9%から2020年には102.3%へ上昇しましたが、これはヴィーバやその他多くの高成長クラウド企業の維持率を大幅に下回っています。

しかし、顧客数は通期で42%増加して約10万4,000件となりました。

ハブスポットは2021年度通期売上を31~33%増、非GAAPの1株当たり純利益(EPS)を5~10%増と予想しています。

同社はヴィーバと同様に、投資の増加によって利益率が低下するとみています。

これはCRM市場全体に見られる傾向であり、セールスフォースも、ビジネスチャットを手掛けるスラックの統合によって利益の伸びが鈍化すると予想しています。

セールスフォースとハブスポットの事業はCRMとマーケティングの分野で競合しているため、セールスフォースの拡大はハブスポットにとって逆風となる可能性があります。

しかし、ハブスポットが現在も成長を続けていることからみて、小規模な企業でもセールスフォースの陰で好調な業績を上げる余地はあるでしょう。

結論

ヴィーバとハブスポットは異なるタイプの顧客にサービスを提供していますが、両社共に新規参入が難しいニッチな領域を開拓しており、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)市場の長期的な拡大による恩恵を受ける可能性があります。

しかし、ヴィーバには2つの重要な強みが存在します。

第一に、同社の予想株価収益率(PER)は70倍で、ハブスポットの約200倍を大幅に下回っています(執筆時点)。

第二に、ヴィーバはハブスポットに比べて直接的な競争相手が少なく、GAAPベースで黒字です。

したがって、筆者はハブスポットよりもヴィーバに注目する方が賢明だと考えています。

ハブスポットについては、大きなポジションを構築する前にバリュエーションが低下するのを待つべきでしょう。

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Leo Sunは、セールスフォース・ドットコム株、ヴィーバ・システムズ株を保有しています。モトリーフール米国本社はセールスフォース・ドットコム株、ハブスポット株、スラック・テクノロジーズ株、ヴィーバ・システムズ株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、モデルナ株を推奨しています。
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