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4月2日米国雇用統計の結果と株価の変化

出典:Getty Images

2021/4/2に米国雇用統計が発表され、2021年3月の非農業部門雇用者数変化及び失業率などが判明しました。

コロナショック後の米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比ベースで△2,050万人と、リーマンショックをはるかに上回る過去最低の結果となっていたことは多くの人が覚えていることでしょう。

あれから約1年、雇用状態の回復が大きく落ち込んでいた時期もありましたが、2月期の米国雇用統計で大幅な改善が見られ、今後の回復に大きな期待がかかっています。

今回は発表された3月期の米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比で91.6万人増、失業率は6.0%に低下しました。

それぞれアナリストらによる事前予想は66万人増、6.0%となっていました。

どちらの指標についても、予想以上の結果が発表されたことになります。

特に非農業部門雇用者数は事前予想をはるかに上回っているほか、数字としても非常に高いものになっており、アメリカの労働市場は回復へと大きく前進しつつあると考えても良いのではないでしょうか。

米国雇用統計の主要データ(3月期)

  • 非農業部門雇用者数…91.6万人増(前月結果:37.9万人増)
  • 失業率…6.0%(前月結果:6.2%)
  • 平均時給…-0.1%(前月結果:+0.2%)
  • 不完全雇用率…10.7%(前月結果:11.1%)
  • 労働参加率…61.5%(前月結果:61.4%)

米国雇用統計の詳細

まず農業部門雇用者数について見ていきます。

非農業部門雇用者数とは、米国労働省が毎月第一金曜日に公表する米国雇用統計のひとつであり、農業部門を除いた産業で働く雇用者数のことで、データは前月比でどれだけ増減したかで公表されます。

米国の雇用情勢を示す重要な指標の一つであり、為替相場や株式相場に対して大きな影響を与えます。

4/2に公表された3月期の非農業部門雇用者数は前月比で91.6万人増加しています。

前月結果が37.9万人増(調整後46.8万人増)となっていることと比較すると、大幅な改善が見られています。

調整後の非農業部門雇用者数は増加する傾向にあるため、実際は100万人の大台に乗っている可能性があると言えるのではないでしょうか。

ただコロナパンデミックの労働市場への打撃が初めて反映された米国雇用統計である3月期の米国雇用統計ですら170万人近くが失業していたという事実を踏まえると、未だ回復幅は小幅にとどまっていると考えることもできます。

エコノミストの間では、パンデミックで失われた2,200万人を超える雇用を取り戻すために2年以上かかるとの見方が広まっており、完全回復には長い年月がかかりそうです。

またエコノミストらは、雇用の回復について、2021年においては毎月70万人程度の回復が見込んでいます。

バイデン政権による景気刺激策などにより、今後は力強い消費が観測される可能性が高いです。

その過程で新たな雇用が多く創出される可能性もあると言えるのではないでしょうか。

非農業部門雇用者数について詳細に見ていくと、雇用の伸びに大きく貢献した業種は、レジャー・接客業であり、28万人増加しました。

レストランやバーなどの飲食業が増加分の2/3を占めています。

また建設業は11万人増、製造業では5.3万人の増加となっています。

今後バイデン氏が打ち出した大型のインフラ投資計画が実現すれば、1,900万人の雇用が創出されるとの算出もあり、建設業などにおける雇用者数はさらに増えていくかもしれません。

続いて失業率について見ていきます。

失業率とは、米国労働省が毎月第一金曜日に効用数米国雇用統計のひとつであり、約6万世帯が調査対象となって割り出される指標です。

非農業部門雇用者数と合わせて米国の雇用情勢を示す重要な指標のひとつとなっていると言えるでしょう。

今回発表された3月期の失業率は6.0%となっており、前月結果の6.2%から0.2ポイントの改善となっています。

しかしながら依然として400万人超が半年以上の長期失業状態にあり、未だに多くの失業者が存在しています。

次に平均時給について見ていきます。

平均時給とは、米国労働省が毎月第一金曜日に公表する米国雇用統計のひとつで、農業部門以外の主要産業の一時間当たりの平均賃金のデータであり、前月比でどれだけ増減したかで公表されます。

今回発表された3月期の平均時給は前月比で0.1%減少しています。

平均時給は他の指標とはやや異なる性質を持っており、平均時給が上がればよいわけではありません。

低賃金で労働に従事する労働者が増加すれば、平均賃金は減少します。

比較的低賃金であるレストランでの労働に従事する人が増加したため、平均時給が減少したものと考えられます。

次に不完全雇用率について見ていきます。

不完全雇用率とはU6とも呼ばれている米国労働省が毎月第一金曜日に公表する米国雇用統計のひとつで、フルタイムでの雇用を望んでいるがパートタイムでの勤務を行っている労働者や、積極的に職を探している求職者などが含まれています。

今回発表された3月期の不完全雇用率は10.7%となっています。前月結果が11.1%であったことを踏まえると、一定程度の改善が見られます。

最後に労働参加率について見ていきます。

労働参加率は雇用されているか積極的に就労している労働力人口(16歳以上)の総数に該当する年齢層の全人口に対する割合を示しており、米国労働省が毎月第一金曜日に公表する米国雇用統計のひとつです。

今回発表された3月期の労働参加率は61.5%となっています。小幅ではあるものの、改善が見られています。

米国雇用統計発表を受けて

米国雇用統計が発表された04/02はグッドフライデー(聖金曜日)の祝日であったため、株式市場は休場となっていましたので、株価の値動きは分かりません。

しかしながら今回の米国雇用統計が全体的に良好な結果となっていたことから、株式市場が開場されていたのならば、株価は上昇したと考えることができるでしょう。

ただ金利の上昇については警戒しなければいけません。

実際に04/02における米国国債相場は大幅安となりました。

これは米国雇用統計の良好な結果を反映したものと考えることができます。

米国雇用統計が市場の予想よりも良い結果であったため、市場は金利の上昇について強く意識するようになりました。

経済再開のペースが加速し、雇用が増加すれば、金利が上昇します。

金利が上昇すると、以前の低金利に合わせた利回り設定がなされている国債の価格は下落します。

また金利の上昇を反映した国債が増えれば、国債の利回りが上昇するため、株式市場に対しても影響が出ることが予想されます。

国債の利回りが上昇すれば、リスク資産である株式から国債へと資産を変える機関投資家なども出てくる可能性があるからです。

金利の上昇に伴う市場の変化についても今後はさらに強く意識していく必要があると考えられます。

コロナパンデミックに世界が対応し始め、コロナウイルスとの付き合い方を世界は身に付けつつあります。

その点、世界は過渡期にあると言えるでしょう。

様々なものが変化しつつある中、どのような投資を行っていくべきなのか。

今一度ポートフォリオを見直し、自身がどのような投資を行っていきたいのかから、問い直していく必要があるのかもしれません。

参考元:U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS-Employment Situation Summary

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