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【米国バイオセクターETF】最新パフォーマンス・ランキング2021年3月

出典:Getty Images

世界のバイオテクノロジー市場は、2028年までに年平均成長率(CAGR)が15.83%まで上昇することが予想されています。

足元では米長期金利上昇に端を発し、テック系を中心とした調整相場となっていますが、バイオテクノロジーは息の長い投資テーマです。

今回の記事では、直近の1年で最も高いパフォーマンスを出した3つのETFの概要や特徴をご紹介していきます。

投資銘柄選定の参考にしてみてください。

今後も市場拡大が見込めるバイオテクノロジー市場

世界のバイオテクノロジー市場は今後も急拡大し、多くの投資資金が流れてくると考えられる魅力的なセクターです。

2020年度のバイオテクノロジー市場は約7,500億米ドルと推定されており、非常に大きな市場です。

また、冒頭でもお伝えしたように2021年から2028年までにCAGRで15.83%の上昇が予想され、さらに2028年までの市場規模が2兆4,400億米ドルまで拡大していくと考えられています。

グローバルベースでのバイオテクノロジー試薬市場は、2024年までに8%のCAGRの伸びを示し、最終的な試薬市場の規模は、約380億米ドルにまで達するという予測があります。

試薬市場の拡大は、その何割かが今後当局の承認を経て市場に出回ってきます。

つまり、それだけバイオテクノロジー市場全体の拡大につながることになり、成長余力の高さを予感させてくれます。

バイオテクノロジー市場といっても、その分野は非常に広く、多岐に渡ります。

以下に各分野についてまとめてご紹介していきます。

テクノロジーセグメント

ナノバイオテクノロジー、DNAシーケンシング、発酵、細胞ベースのアッセイ、PCRテクノロジー、クロマトグラフィー、組織工学および再生、その他のテクノロジー

アプリケーションセグメント

天然資源・環境、産業処理、バイオインフォマティクス、健康、食品・農業、その他のアプリケーション

また、世界のバイオテクノロジー市場における主要企業には、ファイザー、ジョンソン・アンド・ジョンソン・サービス、アストラゼネカ、ノボノルディスクA/S、アボット、ギリアド・サイエンシズ、セルゲン、バイオジェン、アムジェン、ノバルティス AG、メルク、サノフィ、F.ホフマン・ラ・ロシュ、ロンザ、といったグローバルベースのヘルス企業があります。

ナスダック・バイオ指数は26.42%の上昇

2020年のバイオテック企業の業績は新型コロナによるパンデミックの影響を受けた他のセクターに比べて、非常に好調でした。

コロナショック後の主要インデックスが軒並み史上最高更新の影響もあり、バイオテクノロジー・セクターも大きな上昇を見せました。

ナスダック・バイオ指数は2020年の年間上昇率(Annual Performance)は26.42%となり、市場から多くの資金が流れてきました。

世界のバイオテック業界に集まった投資資金はおよそ1,340億米ドルとなりました。

このようにコロナ禍の中でも記録的な資金調達に成功し、ワクチンの研究開発が進んできています。

2020年末における治療薬候補が649、ワクチン申請候補は191例となり、その一部は米国FDAなど主要各国の当局から承認を得ています。

こうしたバイオテクノロジー市場の流れを受け、以下にご紹介する3つのETFも大きなパフォーマンスを出しました。

直近1年の米国バイオセクターETFパフォーマンスランキング~GNOM、XBI、BBC

米国のバイオセクターETFのうち、直近1年間(2021年3月25日現在)のトータル・リターンが最も高かった上位3つのファンドをご紹介していきます。

上位3銘柄になったのは、グローバル・X・ゲノミクス&バイオテクノロジー ETF (GNOM)、SPDR S&PバイオテックETF(NYSEMKT:XBI)、バータス・ライフサイ・バイオテック・クリニカル・トライアルズETF(BBC)です。

尚、直近1年以内に新たに設立されたETFについてはランキング対象としておりません。

米国バイオセクターETFベスト3(直近1年のトータル・リターン、2021年3月25日現在)
Ticker ETF銘柄 セクター 総資産 トータル・リターン(直近1年)
GNOM グローバル・X・ゲノミクス&バイオテクノロジー ETF ヘルスケア/バイオテック 1億9,480万米ドル 102.68%
XBI SPDR S&PバイオテックETF ヘルスケア/バイオテック 67億9,240万米ドル 101.98%
BBC バータス・ライフサイ・バイオテック・クリニカル・トライアルズETF ヘルスケア/バイオテック 5,168万米ドル 98.32%
NBI ナスダック・バイオテクノロジー・インデックス  NASDAQ Biotechnology Index 26.42%

(etf.com及びnasdaq.comより筆者作成。直近1年以内に新たに設立されたETFについてはランキング対象としておりません)

【GNOM・XBI・BBC日足チャート】

(出典:TradingView、2021年3月30日付け日足チャート)

上位3つのETFとなったのは、ファンドの資産規模が大小様々ですが、いずれもバイオセクターの代表的な指標となるナスダック・バイオテクノロジー・インデックスを大きくアウトパフォームしています。

それでは個々のファンド概要についてお伝えしていきしょう。 

グローバル・X・ゲノミクス&バイオテクノロジー ETF

ファクトシート(2021年3月25日時点)

ファンド名 グローバル・X・ゲノミクス&バイオテクノロジー ETF(GNOM)
直近1年のトータル・リターン 102.68%
運用資産残高(AUM) 1億9,480万米ドル
株価収益率 -26.73倍
経費率 0.50%
年間分配金利回り 0.15%
投資対象資産 マルチキャップ・グロース株
投資対象セクター ヘルスケア(バイオテクノロジー)
構成銘柄数 41銘柄
ベンチマーク Solactive Genomics Index
主要投資対象国・地域 米国
上場市場 NASDAQ(ナスダック)
ファンド運用開始日 2019年4月5日
運用会社 Global X Management Company

上位10銘柄(2021年3月25日時点)

構成銘柄名 ティッカー 保有比率
Pacific Biosciences of California, Inc. PACB 5.86%
Natera, Inc. NTRA 4.94%
Illumina, Inc. ILMN 4.41%
CRISPR Therapeutics AG CRSP 4.38%
Ultragenyx Pharmaceutical, Inc. RARE 4.04%
Agilent Technologies, Inc. A 3.93%
Arrowhead Pharmaceuticals, Inc. ARWR 3.65%
Alnylam Pharmaceuticals, Inc ALNY 3.64%
Intellia Therapeutics, Inc. NTLA 3.54%
CareDx, Inc. CDNA 3.46%

セクター別構成比率(2021年3月25日時点)投資対象国・地域

セクター 構成比率
ヘルステック(バイオテクノロジー)  92.00%
ヘルスサービス(医療・看護サービス)   7.97%
現金   0.03%

投資対象国・地域比率(2021年3月25日時点)

投資対象国・地域 比率
米国 96.39%
アジアパシフィック  3.58%
その他  0.03%

(データ出典:etfdb.com及びfinance.yahoo.comより筆者作成。直近1年以内に新たに設立されたETFについてはランキング対象としておりません)

グローバル・X・ゲノミクス&バイオテクノロジー ETF(GNOM)は、2019年4月5日に運用が開始され、まだわずか2年ほどの新しいファンドです。

ゲノム編集やゲノム医療(治療)、ゲノム科学、バイオテクノロジー関連の事業会社を運用対象にしています。

経費率の0.50%はこのセクターの中では髙くも低くもないといったレベルです。

運用対象の約96%が米国内のバイオ関連銘柄です。

ファンドを構成する41銘柄のうち、上位10社の組入比率が約42%と比較的上手くリスク分散されています。

上位10社のうちのトップ3社は、いずれも遺伝子解析や遺伝子検査に関する米国の研究・サービス会社です。

組入比率トップのパシフィック・バイオサイエンシズ・オブ・カリフォルニア(PACB)は、遺伝子解析技術の開発、製造販売をおこなうバイオ研究会社です。

主に女性の出生前遺伝子の検査サービス会社であるナテラ(NTRA)は、DNA検査技術を使って染色体異常や遺伝子性遺伝子の状態を解析し、出産に最も適した受精胚を選べるようにサポートするサービスを展開しています。

イルミナ(ILMN)は、遺伝的変異と遺伝子機能を解析するための統合システムを開発、製造、販売する企業で、政府機関から学術機関、バイオテクノロジー企業、製薬企業などを主な顧客としています。

SPDR S&PバイオテックETF

ファクトシート(2021年3月25日時点)

ファンド名 SPDR S&PバイオテックETF(XBI)
直近1年のトータル・リターン 101.98%
運用資産残高(AUM) 67億9,240万米ドル
株価収益率 9.25
経費率 0.35%
年間分配金利回り 0.25%
投資対象資産 マルチキャップ・グロース株
投資対象セクター ヘルスケア(バイオテクノロジー)
構成銘柄数 193銘柄
ベンチマーク S&P Biotechnology Select Industry Index
主要投資対象国・地域 米国
上場市場 NASDAQ(ナスダック)
ファンド運用開始日 2006年2月6日
運用会社 State Street SPDR

上位10銘柄(2021年3月25日時点)

構成銘柄名 ティッカー 保有比率
Vericel Corporation VCEL 0.78%
Clovis Oncology, Inc. CLVS 0.77%
Amgen Inc. AMGN 0.75%
Syndax Pharmaceuticals Inc SNDX 0.74%
Gilead Sciences, Inc. GILD 0.74%
United Therapeutics Corporation UTHR 0.73%
Exact Sciences Corporation EXAS 0.72%
Sangamo Therapeutics, Inc. SGMO 0.71%
Alkermes Plc ALKS 0.71%
Emergent BioSolutions Inc. EBS 0.71%

セクター別構成比率(2021年3月25日時点)投資対象国・地域

セクター 構成比率
ヘルステック(バイオテクノロジー) 92.00%
ヘルスサービス(医療・看護サービス)  1.28%
その他 Miscellaneous   6.72%

投資対象国・地域比率(2021年3月25日時点)

投資対象国・地域 比率
米国 99.08%
その他  0.92%

(データ出典:etfdb.com、morningstar.com及びfinance.yahoo.comより筆者作成。直近1年以内に新たに設立されたETFについてはランキング対象としておりません)

SPDR S&PバイオテックETF(以下、XBI)は、米国3大ETF運用会社の一角であるステートストリートが運用するSPDR(スパイダー)ブランドの一つです。

S&P Biotechnology Select Industry Indexをベンチマークとし、経費率は大手運用会社ならではの0.35%と、バイオ系ETFの中では低く抑えられています。

マルチキャップ・グロース株を対象とするXBIは、193銘柄の組入銘柄数に対し、いずれの組入比率はいずれも1%以下と非常にリスク分散されています。

XBIの大きな特徴は、「Equal-Weighted Market Cap Index」となっているため、銘柄間の保有ウェイトに差が小さい点にあります。

一般的に同様のバイオセクター関連株のETFの場合、上位10銘柄だけで投資全体の半分近くを占める喪のも見られます。

その点、XBIは銘柄数の多さに加え、組入比率が小さいのは、比較的ハイリスクセクターであるバイオテクノロジーの分野において、リスク分散の点から優位性があるといえるでしょう。

また、運用資産残高(AUM)はおよそ68億万米ドルと大きく、ファンドサイズのスケールメリットから経費率は0.35%と比較的低くなっています。

組入比率の上位3社を見ると、まずトップのヴェリセル(VCEL)は損傷した細胞組織や器官を修復・再生させる細胞療法の開発と商品化事業をおこなっている米国のバイオ医薬品会社です。

クロビス・オンコロジー(CLVS)も米国のバイオ医薬品会社で、抗がん剤関連の開発と商業化をおこなっています。

バイオ医薬品メーカーであるアムジェン(AMGN)は、主にがん、腎臓病、炎症、腫瘍学の分野における治療薬開発を手掛けるバイオ医薬品メ―カ―です。

バータス・ライフサイ・バイオテック・クリニカル・トライアルズETF

ファクトシート(2021年3月25日時点)

ファンド名 バータス・ライフサイ・バイオテック・クリニカル・トライアルズETF(BBC)
直近1年のトータル・リターン 98.32%
運用資産残高(AUM) 5,168万米ドル
株価収益率 N/A
経費率 0.79%
年間分配金利回り N/A
投資対象資産 マルチキャップ・ブレンド株

(Multi-Cap Blend Equities)

投資対象セクター ヘルスケア(バイオテクノロジー)
構成銘柄数 162銘柄
ベンチマーク LifeSci Biotechnology Clinical Trials Index
主要投資対象国・地域 米国
上場市場 NYSE Arca(NYSE アーカ取引所)
ファンド運用開始日 2014年12月16日
運用会社 Virtus Investment Partners

上位10銘柄(2021年3月25日時点)

構成銘柄名 ティッカー 保有比率
Amyris, Inc. AMRS 3.51%
ImmunityBio Inc IBRX 1.72%
Rubius Therapeutics, Inc. RUBY 1.61%
MUTUAL FUND(OTHER)- BNY MELLON CASH RESERVE USD N/A 1.42%
Five Prime Therapeutics, Inc. FPRX 1.24%
Applied Molecular Transport, Inc. AMTI 1.17%
Morphic Holding, Inc. MORF 1.11%
Prothena Corp. Plc PRTA 1.09%
Dynavax Technologies Corporation DVAX 1.09%
Orchard Therapeutics Plc Sponsored ADR ORTX 1.01%

セクター別構成比率(2021年3月25日時点)投資対象国・地域

セクター 構成比率
ヘルステック Health Technology 93.37%
プロセス産業 Process Industries   3.52%
その他 Miscellaneous   3.11%

投資対象国・地域比率(2021年3月25日時点)

投資対象国・地域 比率
米国 98.34%
その他  1.66%

(データ出典:etfdb.com及びfinance.yahoo.comより筆者作成。直近1年以内に新たに設立されたETFについてはランキング対象としておりません)

バータス・ライフサイ・バイオテク・クリニカル・トライアルズETF(BBC)は、運用資産残高が1億米ドルにも満たない小型ファンドで、LifeSci Biotechnology Clinical Trials Indexをベンチマークとしています。

バイオテクノロジー企業には、「臨床試験段階」にある企業と「製品段階(商業段階)」にある企業と、それぞれ2つの異なるステージがあります。

BBCを運用しているVirtus Investment Partnersも、実は2つのステージごとにBBCとBBPという、投資対象が異なる2つのETFを設定しています。

そのうち、BBCは臨床試験段階にある企業を保有銘柄として組み入れているファンドです。

一般的に臨床試験段階にある企業は、製品段階にある企業よりも、企業規模が小さくて若い企業であるという特徴があります。

そのような企業は承認済みの医薬品を保有しておらず、主に治験段階を経て将来的に承認取得を目指す新薬などの開発をおこなっている企業です。

まだ企業が若く、早期のステージにある段階から比較的少額の資金を提供し、将来の大きな成長の恩恵を受けることを狙った投資戦略といえるでしょう。

運用先はマルチキャップ・ブレンド株ですが、XBIなどに比べると、対象企業銘柄は中小型株の割合が高めです。

運用先の規模が小さいため、ファンドの資産規模も同様に小さく、経費率は大手運用会社よりも0.79%と高めとなっています。

保有銘柄数は162銘柄とファンドサイズからすれば、リスク分散されています。

上位3社のうち、アミリス(AMRS)は燃料とファルネセン製品の研究・開発と販売をおこなうバイオテクノロジー企業です。

再生可能炭化水素分子であるファルネセン関連の製品として、フレーバーや香料、クリーナー、潤滑剤、ヘルスケア製品を開発しており、消費者向けと産業用の両方のアプリケーション向け製品を開発・販売をおこなっています。

米国のバイオ医薬品企業であるイミュニティバイオ(IBRX)は、主にがんや感染症疾患に関する免疫療法や細胞療法の開発をおこなっています。

HIV/AIDSや癌、さらに新型コロナウイルス(COVID-19)の治療薬開発パイプラインも保有しています。

ルビウス・セラピュ―ティクス(RUBY)も、米国のバイオ医薬品企業であり、主に重症患者のための赤血球治療薬の開発に従事しています。

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