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カーボンニュートラル時代の投資テーマと注目の米国株銘柄【第1回】

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地球温暖化やカーボンニュートラルは既に投資テーマとしてかねてより広く意識されてきました。

しかし、カーボンニュートラル実現を宣言しているバイデン政権の誕生により、新たにスポットを浴びるテーマとなっています。

そこで、今回第1回目の記事では、これまでのカーボンニュートラルへの世界の流れと個々の投資テーマをまとめてご紹介していきます。

第2回目では、さらに関連する注目の米国株銘柄の情報もお伝えします。

カーボンニュートラルへ向けた流れは今後加速化

カーボンニュートラルへ向けた世界の主要先進国の動きが始まったばかりですが、その流れは今後ますます加速化していくと考えられます。

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素の排出を社会全体としてゼロにしていこうという考え方です。

「社会全体としてゼロ」とは、二酸化炭素の排出量と森林などによる吸収量を同じにすることでゼロにできるという意味になります。

カーボンニュートラルは、脱炭素やカーボンゼロ、カーボンオフセットという呼ばれ方もされますが、基本的な考えた方はどれも大差ありません。

カーボンニュートラルの考え方の背景には、地球温暖化防止とそのための温室効果ガス削減という観点があります。

この流れが世界的により意識され、具体的な世界的な枠組みとなったのは、京都議定書とその後継とされるパリ協定です。

1997年12月に調印された京都議定書では、先進国及び市場経済移行国の温室効果ガス排出の削減目的が定められました。

また、パリ協定では、温室効果ガス排出量の削減義務を先進国だけでなく、途上国を含めた全ての主要排出国が対象とされています。

こうした流れから、カーボンニュートラルへ向けた流れが世界的に生まれ、二酸化炭素を排出する世界中の企業や自治体に大きな変化を強いてきています。

二酸化炭素排出が難しい場合には、それを埋め合わさせるために排出権を二酸化炭素排出量目標が低く定められている国などから購入するケースが見られました。

日本は、かつて排出権を中国やロシアから購入しています。

カーボンニュートラルへの口火を切ったEUと英国

ここ数年でカーボンニュートラルへ向け口火を切ったのは、ドイツやフランス、イタリヤ、スペインを中心とするEU主要国と英国です。

欧州委員会は2019年12月に発表した「欧州グリーンディール」の中で、2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げました。

さらに同委員会は、2020年9月に2030年目標として少なくとも55%の排出削減(1990年比)を発表しています。

同じような動きは、英国でも見られています。

2008年制定の「気候変動法」を2019年6月に「気候変動法」を改正することで、G7では初となる2050年までのネットゼロを法制化しています。

これらの法制化とともに2020年11月17日には、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに全面的に禁止する措置を発表しました(ハイブリット車の新車販売は2035年以降禁止)。

ドイツやフランスなど他のヨーロッパ諸国もこの流れに追随する形で同様のガソリン車とディーゼル車の新車販売の禁止を発表しています。

日米と中国の動き

カーボンニュートラルに向けたヨーロッパの取り組みと同様に日米両国だけでなく、二酸化炭素の高排出国である中国も同様の動きを見せています。

パリ協定を脱退したトランプ政権でしたが、バイデンはパリ協定復帰を明言し、同時に2050年までのカーボンニュートラルも宣言しています。

また、米国は今後4年でのEV普及や建築物のグリーン化、さらに脱炭素分野におけるエネルギー開発に日本円でおよそ200兆円の投資をおこなうとしています。

米国では各州がカーボンニュートラルに向けた具体的な目標を掲げて動き始めていますが、民間企業も相次いでカーボンニュートラル実現を宣言しています。

特にアマゾンやマイクロソフトといった大手テック企業やフォード、ダウやUSスティールといった大手製造業も同様の宣言をおこない、ビジネスに組みこんでいく姿勢を見せ始めています。

日本は菅政権が2050年カーボンニュートラルの実現を目指すことをG20リヤド・サミットで表明、脱炭素に向けた2兆円規模の研究開発のためのグリーンイノベーション基金創設も同時に表明しています。

日本政府はガソリン車の新車販売を2030年代半ばまでに禁止、さらに東京都はそれより5年も早い2030年までにガソリン車だけの販売を禁止するとしています。

また、世界の工場である中国も脱炭素を商機と捉え、EVやPHV、水素・燃料電池産業を戦略的に育成する方向で動いています。

中国は、既に太陽光、風力など再生可能エネルギーの設備投資の分野で世界をリードしている点も注目となります。

中国のカーボンニュートラルについては、2060年までに達成することを目指すとしています。

世界各国の国策となっているカーボンニュートラル(脱炭素社会実現)は息の長い投資テーマに

こうして世界各国では、カーボンニュートラル実現が国策となって動きだしており、関連する分野については、中長期の投資テーマになっています。

カーボンニュートラル関連の米国株銘柄を選ぶ際の対象やテーマは多岐にわたりますが、主なものをご紹介していきます。

「電気自動車(EV)」関連銘柄

EVは既に投資テーマとしての旬は終わった感もあります。

しかし、上記のように各国で様々な環境規制強化の動きが見られる中、世界的なEVシフトの本格的な流れは始まったばかりで、その動きは今後ますます加速していきます。

EVの高級ブランドとして有名なテスラには、既に機関投資家や個人投資家から多くの資金が集まり、ついにトヨタ自動車の時価総額を上回り、話題となりました。

老舗ともいえる大手自動車メーカー各社にとってもEV転換は待ったなしの状況です。

特にテスラへの巻き返しを図ろうと、ドイツの自動車メーカーを中心に意慾的なEVモデルを相ついで発表しています。

また、独フォルクスワーゲンは、2024年までにEV分野に330億ユーロの投資計画を打ち出していますし、同社傘下のポルシェは新型EVのタイカンを発表し、話題となりました。

日本の自動車メーカーはハイブリットカーがあることから、若干EV開発で遅れを取っている感がありますが、計画は進んでいます。

やはり海外販売比率が高く、同時に日本政府や東京都でもガソリン車の販売を2020年までとする方針を打ち出されたことから、EVシフトは間違いない状況といえるでしょう。

「次世代電池」関連銘柄

今後自動車業界の主流になるEVが必要とするリチウム電池の素材であるレアメタル(レアアース)も、既に大きな注目を集めてきました。

これからの投資テーマとなりそうなのは、「次世代電池」です。

その次世代電池の筆頭として着目されそうなのが、全固体電池になります。

EVの航続距離の問題や安全性などの点から優位性を持つ全固体電池は、2035年までに約2兆7,000億円という市場規模まで拡大することも予想されています。

他にもリチウム硫黄電池やコンバージョン電池、クレイ電池、空気電池、バイポーラ電池などの次世代電池も注目を集めていく可能性があります。

「再生可能エネルギー」関連銘柄

クリーンエネルギーへの投資を推進していく政策を掲げる米民主党バイデン政権の誕生で、再生エネルギー関連銘柄は今後も注目です。

再生可能エネルギーでは、太陽光、地熱、風力、波力、地熱、潮力といった永続的に利用可能なエネルギーが対象となっています。

火力発電のような地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が著しく少ないエネルギーとして優れているとされます。

とりわけ発電コストが著しく低下してきた太陽光発電と風力発電は、再生可能エネルギー事業会社の収益力と競争力を高めています。

ESG(環境・社会・企業統治)関連銘柄

ESGやESG投資という言葉もかなり浸透しつつある投資テーマとなっており、目新しいものではないかもしれません。

しかし、ESGに向けた企業の取り組み姿勢は投資家による銘柄選択の際の大きな判断材料の一つになりつつあります。

実際にフィデリティなど大手ファンド運用会社では、ESGへの取り組み姿勢が組入れ銘柄を選択する上での重要な基準の一つとしています。

ESGとは、EnvironmentのE(環境)、SocialのS(社会)GovernanceのG(ガバナンス)の頭文字からできた言葉です。

ESG投資では、投資判断の際に企業業績や株価といった財務的な要素に加え、環境・社会・ガバナンス(ESG)からなる非財務的な要素も対象にした銘柄選定をおこなうことで、投資リスクの緩和とリターンの最大化を狙います。

このような考え方をベースにして、強固なサステナビリティ特性を持つ企業銘柄で構成されるETFも市場に多く出てきています。

カーボンニュートラル時代の投資テーマと注目の米国株銘柄【第2回】

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