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「CURE」レバレッジETFの今後の行方を考察する

出典:Getty Images

CUREとは「Direxionデイリーヘルスケア株ブル3倍ETF」のことですが、米国ヘルスケアへの投資に3倍のレバレッジを活かして投資できる特徴があります。

プラスにもマイナスにもパフォーマンスの3倍も大きく動くCUREについて、今回は考察していきます。

CURE基本データと米国ヘルスケア事情

CURE基本データ

CUREの分配金利回りは0.56%、経費率は1.08%、アクティブファンドでも0.5%程度であることを考えると決して安くはありませんが、3倍のレバレッジETFであるので少し経費率も高くなっています。

ではCUREが連動するヘルスケアセクターにはどんな特徴があるかというと、医療費は景気後退局面でも減少率が低いため、ディフェンシブセクターとして人気があります。

では米国内のヘルスケア産業はどうなのか見ていきましょう。

米国ヘルスケア事情

米国の医療費は年間330兆円と言われる世界で最も大きなマーケットです。

そして日本のような国民皆保険制度がないため、基本的には民間保険に加入して医療サービスを受ける必要があります。

また米国の人口は日本の約3倍ですが、自己破産件数は日本の約7倍と多い傾向にあります。

そして破産理由のトップが高額医療費請求なのです。

つまり米国では医療保険に加入しておかないと手術などをした場合、破産するリスクが伴うことを意味しています。

こうした社会的な背景があり、米国のヘルスケア産業は巨大であり人々の生活の基盤となっているのです。

また米国の生活習慣病は深刻な状況にあります。

実際、米疾病管理予防センター(CDC)の発表によると、米国の約2,600万人が糖尿病、7,900万人が糖尿病予備軍と言われています。

これは米国全体の約3割の人々が糖尿病のリスクを抱えていることとなるのです。

つまり米国内におけるヘルスケアセクターは長期で安定的な需要が見込めることを意味しているのです。

CURE構成銘柄

CUREの構成銘柄Top10は以下の通りです。

  • ジョンソンエンドジョンソン
  • ユナイテッドヘルスグループ
  • メルク
  • ファイザー
  • アボットラボラトリーズ
  • ブリストルマイヤーズスクイブ
  • メドトロニック
  • アムジェン
  • イーライリリー
  • サーモフィッシャーサイエンティフィック

現状、ヘルスケアセクターのPERは1999年がピークの約30倍でしたが、2021年現在は約半分のPERで推移していますが、そこには理由があります。

それは2022年~23年ごろに到来する大手製薬会社の利益を支えた薬品の「パテント切れ(特許期限切れ)」です。

これが投資家にとって大きな懸念材料とされているのです。

とはいえ、現在のヘルスケアの株価はそうしたリスクも織り込まれた株価でありながら、PERは低い傾向にあり、今後の株価上昇トレンドが期待されているのです。

2021年CUREの見通しを考える

「株式投資の未来」という書籍の中で、著者のジェレミー・シーゲル氏が1957年~2003年の間の各セクターの投資利回りを徹底的に調べたところ、投資リターンが最も高いセクターが「ヘルスケア」でした。

実際、この期間のヘルスケアセクターの年平均利回りは14.2%であり、同期間におけるS&P500の年平均利回り10.8%を大きく上回っています。

そしてヘルスケアセクターにおけるベンチマーク的な存在がメルク(MRK)です。

では2021年におけるヘルスケアと「CURE」の見通しはどうかといえば、指標となるのがFOMC(連邦公開市場委員会)です。

直近の3月16.17日に行われたFOMCでは、米国の政策金利(FFレート)を現状の0〜0.25%に維持することと、毎月800億ドルの債権買い入れプログラム、毎月400億ドルの住宅抵当証券も維持されます。

つまり2021年はコロナからの急回復の年ですが、マーケットは既に2022年、23年の景況感を織り込み始めています。

そしてFRBによる米国のGDP予想は2021年+6.5%、2022年+3.3%、2023年+3.3%です。

今後緩やかな経済成長が予測され、米国10年債利回りも落ち着いてきた時、ヘルスケアセクターに注目が集まる時期が到来する可能性が極めて高いはずです。

ポートフォリオの一部にレバレッジを掛けるとしたら「CURE」は面白い存在ではないでしょうか。

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