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ESG投資の重要性と注目の米国株について

出典:Getty Images

昨今、環境問題に対する取り組みが先進国各国で進められています。

パリ協定などでその中長期的な目標が定められており、各国は課せられた目標を達成するために、様々な施策を打ち出しています。

国家に課せられた目標とはいえ、企業も無関係ではありません。

今まで環境問題に対する取り組みは「企業イメージの良化」として捉えられていましたが、近年は「企業利益の向上」のためにも、環境問題に対する取り組みが必要とされてきています。

この流れを株式投資に反映させたものがESG投資です。

ESG投資を行うことで、長期的なパフォーマンスが改善することが期待でき、大きな注目を集めています。

本記事ではESG投資の重要性と、ESG投資にオススメできる銘柄について紹介します。

ESG投資とは

ESG投資は、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。

特に年金基金などを大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価するという概念が普及し、気候変動などを念頭に置いた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たな収益創出の機会を評価するベンチマークとして、国連持続可能な開発目標と合わせて注目されています。

機関投資家は世の中の多くの株式を保有しています。

特に経済協力開発機構の統計によると、米国は先進国の中でも機関投資家の株式保有比率が突出しており、2017年時点では、平均的な企業ではその保有比率は80%ほどに達しています。

その機関投資家がESGに着目した投資を行うため、長期的な株価はESGの要素によって変化すると言えるのではないでしょうか。

短期的なトレードを行う投資家にとっては、それほど重要な要素ではないかもしれませんが、長期的なトレードを行う投資家にとって、ESGといった要素は注目しなければならない要素となっています。

ESG投資とは何か?特徴やメリット・デメリットを解説

資産運用会社とESG投資

機関投資家とESG投資について先ほどまで簡単に触れてきましたが、資産運用会社とESG投資についても見ていきます。

ご存じの通り、資産運用会社はプロの投資家として一般の人々からマネーを預かり、投資を行う会社です。

投資家としてはプロ中のプロである彼らが、どのような視点や活動を行っているのかどうかを知ることは、投資家として非常に重要なことです。

ここでは運用資産が8.7兆ドルにものぼるブラックロック社に注目します。

昨今、資産運用会社の間で投資先の温暖化ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を掲げる動きが広がっています。

この動きはブラックロック社にとっても例外ではありません。

同社は気候変動に影響を与える主要企業など世界企業1100社を対象に対話や議決権行使を通じて一段の対策を求めるという取り組みを行っていくと発表しました。

また2050年の排出ゼロの達成に向け新たな運用商品の提供も始めます。

また同社は投資先全体の温暖化ガス排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指す運用会社の団体であるネットゼロ・アセット・マネージャーズ・イニシアチブへの参加も検討しているとしています。

この動きには1.3兆ドルの運用資産を持つアメリカのインベスコ社や日本のニッセイアセットマネジメントなども参加を検討しています。

排出ゼロを明確に目指すマネーは少なくとも約19兆ドルにも及ぶとされており、今後もさらに増えていくものと思われます。

このような脱炭素志向の強まりから、温室効果ガスの排出削減に消極的な企業は投資対象から外されるリスクが高まっています。

機関投資家や資産運用会社の投資対象から外されるということは、長期的にその企業の株価は伸び悩むことになるかもしれません。

ESGに関する項目について、個人投資家としてもしっかりと着目する必要があることが、改めて分かったかと思います。

ESG投資のメリット

ここで改めてESG投資のメリットについて整理します。

ESG投資のメリットは大きく分けて2点です。

  • 長期的なリターンを得ることが期待できる
  • 投資活動が社会貢献にもつながる

1点目は先ほどから説明してきた通りです。

世界的な環境問題への取り組みから、企業も環境問題に対する取り組みを増やしています。

また株式市場に莫大なマネーを投資している機関投資家や資産運用会社がESGといった要素を投資の判断材料として重視していることから、ESGといった要素が長期的な株価に影響を与える可能性は極めて高いです。

したがってESG投資を行うことは長期的なリターンの創出につながります。

2点目は文面通りの意味です。

投資活動に社会貢献という意味合いが加わることで、投資が金銭的なリターンを得るためのものだけではなくなります。

様々な意味合いが加わっていくことで、目先の利益だけにとらわれず、より広い視野を持ちながら投資を行うことができるようになるかもしれません。

ESG投資のデメリット

メリットだけでなく、ESG投資のデメリットについてもしっかりと理解しておく必要があります。

  • ESG投資の意識しすぎるあまり、リターンが小さくなってしまう
  • ESGに対する取り組みが先行しすぎることによる株価の高騰リスク

1点目ですが、ESG投資を意識しすぎるあまり株式投資のリターンが小さくなってしまう可能性があります。

企業が環境に配慮した事業を展開する場合、事業にもよりますが、莫大なコストが生じる場合があります。

設備投資や研究開発に莫大なコストを投じることにより、一時的ではあるものの、その企業が生み出す純利益が小さくなってしまう可能性があります。

そのため見かけ上業績が悪化したように見えるため、株価が下落してしまう可能性が考えられます。

また企業が環境に配慮した事業の展開に失敗した場合、企業の業績が悪化する可能性についても考慮しなければなりません。

このように単にESGといった要素が優れているからという理由で投資先を選んでしまうと、長期的なリターンを損ねる可能性があると言えるでしょう。

銘柄は慎重に選定しなければなりません。

2点目ですが、ESGに対する取り組みを対外的に大きく掲げ、その実態を知らずに投資する投資家が増えることにより、株価が実態と大きく乖離して上昇する可能性もあります。

こちらは発生の可能性がそれほど高いわけではありませんが、ESG投資を行う際は、その企業が実際にどのような取り組みを行っているのか、またその取り組みによりどのような効果が生まれるのかについてしっかり精査する必要があります。

ESG投資に適した米国株

続いてESG投資に適した米国株について紹介していきます。

マイクロソフト

マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)の設立者であるビル・ゲイツ氏は社会問題に対して積極的に取り組んでいる人物として知られています。

また同時にマイクロソフトも温暖化問題に対して積極的に取り組んでいます。

2020年の1月16日に同社は2030年までに二酸化炭素の排出量を実質マイナスにする「カーボン・ネイティブ」を達成すると発表しました。

データセンターや社屋など自社の活動で排出を減らすだけでなく、部品メーカーなどのサプライチェーンに連なる企業にも協力を求めるという壮大な計画です。

実際、このことが発表された1月16日における同社株価は1.8%上昇しました。

iShares ESG Aware MSCI USA ETF

個別株への投資も良いですが、ESG投資を行うのであれば、ETFを購入するのも効果的な投資行動になります。

米国企業がどのような環境対策を行っているのか、詳細に把握することは非常に困難です。

英語のホームページや記事を多く読むことは、英語がある程度堪能な投資家にとっても容易なことではありません。

そこで資産運用会社がESGへの取り組みをしっかりと行っている企業のみで構成したETFを購入することで、自分自身でESGへの取り組みを精査する手間を省くことができます。

中でもiShares ESG Aware MSCI USA ETF(NASDAQ:ESGU)はESG関連のETFの中でも最大規模のETFになります。

先ほども触れたブラックロック社が運用するETFです。

直近6カ月でその価格は18%ほど上昇しています。

チャートを見ると分かりませんが、非常に安定感のある推移をしており、ポートフォリオに安定感をもたらしたい投資家は一度チェックしてみて下さい。

他にもESG投資に適した銘柄は多く存在しています。

一から調べるのは大変だと思いますので、先ほど紹介したiShares ESG Aware MSCI USA ETFの構成銘柄から気になる企業について調べてみると良いかもしれません。

自身のポートフォリオに組み入れている銘柄と比較してみることはすぐにできると思いますので、ぜひやってみて下さい。

長期的に安定したリターンを得た方はぜひ、ESG投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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