The Motley Fool

【米国株決算】アドビシステムズの最新決算情報と今後の株価の推移

出典:Getty Images

アドビシステムズ(NASDAQ:ADBE)はアメリカに本社を置くコンピュータ・ソフトウェア企業です。

画像や文章編集、PDFファイル閲覧「Acrobat Reader」、PDFファイル作成、コンテンツ・アプリの制作・配信、ドキュメント・コラボレーション、印刷物デザイン、映像編集・制作などを支援するツールを提供しており、製品は卸売り・小売業者、OEM、ウェブサイトを通じて販売しています。

同社はクラウドコンピューティングサービスにおいて3つの事業領域を持っています。

一つめはアプリケーション事業を含む「Creative Cloud」領域です。

PhotoshopやIllustratorなどをはじめとしたクリエイティブ関連のアプリケーションをクラウド上で提供しています。

二つめは「Experience Cloud」領域です。

ビックデータを活用したデジタルマーケティングコンテンツを提供しています。

三つめは「Document Cloud」です。

文章をクラウド上に保存し、あらゆる場所からアクセスでき、編集や共有が可能なサービスを提供しています。

競合としては、「iCloud」を提供するアップルや「AWS」を提供するアマゾンなどの企業が挙げられます。

本記事ではアドビシステムズの2021年第1四半期決算及び通年決算の情報と今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前における株価等のデータ

決算発表直前である03/23における同社株価の値動きについて確認します。

同日における同社株価の始値は456.86ドル、終値は460.72ドルとなっています。

アドビシステムズの株価は上場以来上昇を続けている典型的なIT関連銘柄の成長株であると言えます。

直近1年間で株価は47%上昇しており、直近5年間では370%ほど上昇しています。

ナスダック総合指数の上昇率が直近1年間で75%、直近5年間で163%となっていますので、直近ではナスダック総合指数のパフォーマンスを下回っていることが分かります。

同社株価はコロナショックによりやや下落したものの、その後も成長を続け、史上最高値を更新し続けていました。

ただ9月以降、同社株価の上昇は一服し、横ばいでの推移が続いています。

またアドビシステムズはS&P500の構成銘柄の一つであり、執筆時時点での時価総額は2152億ドルとなっています。

またアドビシステムズ社は執筆時時点では株式配当を実施していません。

最新決算情報について

概要

2021年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…39.05億ドル(前年同期比26%増)
  • 営業利益…14.54億ドル(前年同期比55%増)
  • 純利益…12.61億ドル(前年同期比32%増)
  • 希薄化後一株合当たりの純利益…2.61ドル(前年同期比33%増)

アナリストらによる同社業績の事前予想では、売上高が37.6億ドル、non-GAAPベースのEPSは2.79ドルとなっていました。

同社の実際の業績は、売上高が39.05億ドル、non-GAAPベースのEPSは3.14ドルとなっていましたので、事前予想を上回る業績を残すことができていることが分かります。

順調な業績ではあるものの、前四半期決算では、純利益が前年同期から164%増加した22.50億ドル、通年決算では純利益は前年比78%増の52.60億ドルとなっていましたので、前年同期比での増加率は減少傾向にあることが分かります。

2021年も2020年のような好調な業績を維持できるのかどうかに注目が集まります。

同社CEOが決算短信で発表したコメントは以下の通りです。

アドビは第1四半期に記録的な売上を達成しましたが、事業全体に大きなチャンスがあり、グローバルな実行力に引き続き自信を持っていることから、年間目標を引き上げます。

アドビのクリエイティブクラウド、ドキュメントクラウド、エクスペリエンスクラウドは学生から個人、大企業に至るまで、世界純のあらゆる顧客層にとってミッションクリティカルな存在となっています

また同社CFOは以下のように述べています。

第1四半期の業績は好調で、収益の伸びと利益を加速させました。

アドビは強力なキャッシュフローとマージンを伴って、トップラインとボトムラインの両方の成長を促進する能力を持つユニークな企業です。

詳細

続いて収入形態別に同社の決算情報を見ていきます。

  • サブスクリプション収入…35.84億ドル(前年同期比31%増)
  • プロダクト収入…1.55億ドル(前年同期比8%増)
  • サービス・サポート収入…1.66億ドル(前年同期比23%減)

サブスクリプション形態による収入が大きく増加している一方、プロダクト収入が減少しています。

同社がサブスクリプション形態による安定的な収益構造へと転換していることが分かると言えるのではないでしょうか。

続いてセグメント別に同社の決算情報を見ていきます。

第4四半期決算におけるセグメント別の売上高は以下の通りです。

  • Digital Media…28.59億ドル(前年同期比32%増)
  • Digital Experience…9.34億ドル(前年同期比24%増)
  • Publishing and Advertising…1.12億ドル(前年同期比34%減)

Publishing and Advertisingセグメントの売上高を大きく減少しているものの、収益軸となっているDigital Mediaセグメントの売上高は前年同期から大きく上昇しています。

続いて地域別の売上高について見ていきます。

  • アメリカ地域…22.24億ドル(前年同期比24%増)
  • 欧州・中東・アフリカ地域…10.52億ドル(前年同期比29%増)
  • アジア地域…6.29億ドル(前年同期比32%増)

各地域ともに売上高は増加しており、地域別の売上高構成比率についても大きな変化は見られていません。

最後に次四半期である2021年第2四半期決算の見通しについて見ていきます。

2021年第2四半期決算

  • 売上高…~37.2億ドル
  • EPS…~2.09ドル

売上高は今四半期と同程度を見積もっているものの、EPSは今四半期の実績を大きく下回る2.09ドルを見積もっています。

続いて2021年通年業績の見通しについて見ていきます。

2021年通年決算

  • 売上高…~154.5億ドル
  • EPS…~9.13ドル

前四半期にて発表した2021年通年業績見通しでは、売上高が151.5億ドル、EPSが8.57ドルとなっていましたので、CEOからのメッセージにもあった通り、通年業績見通しを上方修正しています。

今後も見通しの上方修正が行われる可能性があると言えるでしょう。

決算発表後における株価の推移

決算発表翌日である03/24における株価の推移について見ていきます。

前日終値である460.72ドルに対して、24日の始値は464.74ドルとなっていました。

その後は軟調な推移が続き、終値は451.51ドルとなっていました。

同社株価が寄り付きで上昇していた要因として、同社がアナリストらによる事前予想を上回る業績の残すことができたほか、2021年通年業績見通しを上方修正したことが挙げられるのではないでしょうか。

同社株価が24日において軟調な推移をした要因として、ナスダック総合指数が同日、軟調な推移をしたことに引っ張られたことが挙げられると考えます。

最後に同社の今後について考察していきます。

同社はコロナパンデミック禍にあり、業績を大きく成長させていきました。

しかしながら今後は前年同期比の業績として比較されるのが、コロナ禍の好調な業績になっていきます。

2020年における好調な業績を2021年において超えることができなければ、市場は同社に対してネガティブな印象を持つ可能性があります。

現在の通年業績見通しでは、2020年の通年業績を超えることができていません。

しかしながら同社にもチャンスはあります。

コロナワクチンが普及しつつあるものの、変異株の登場などにより、今後もリモートワークを強いられる企業は多くなるでしょう。

またDXの流れも同社にとって好機です。

これらのチャンスをしっかりと活用し、シェアを広げていけるのかどうかが同社の今後を左右すると考えられます。

同銘柄を保有する投資家の方は、同社が発表する製品やサービスなどについて、敏感になっておく必要があると言えるのではないでしょうか。

2020年の業績を超えることができるかどうかは分かりませんが、同社はサブスクリプション形態のサービスを収益の軸としているため、今後も堅調な業績を残すことができることについては間違いないと考えています。

参考元:Adobe Raises Annual Targets on Strong Q1 Results

フリーレポート配信

新型コロナウイルスの感染再拡大で未だ予断を許さない状況ですが、ワクチン開発で大きな進展が示されるなど、厳しい状況の中にも明るい兆しも見えてきています。2021年にかけて成長ストーリーを持っている5銘柄を紹介します。

2021年注目の5銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事の作者、白紙は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事