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日本には存在しないセクターである「森林REIT」について

出典:Getty Images

米国REITには様々なセクターがあり、日本から投資できるJ-REITにはないセクターも存在します。

森林に対して投資をする「森林REIT」は、J-REITにはないセクターの1つです。

不動産への投資先にはオフィス、物流施設、商業施設が代表的であり、最近ではデータセンターも注目されていますが、これらはすべて建物です。

不動産投資の選択肢は建物だけでなく土地そのものに投資することもできるので、森林REITは土地に投資をする選択肢の1つになります。

この記事では森林REITについて解説した上で、日本から森林REITに投資をする方法を紹介していきます。

森林REITとは

森林REITは米国REITのセクターの一つであり、森林地に投資するREITです。

英語では「Timberland REITs」と呼ばれます。

オフィスなどに投資をする場合は、企業の賃料収入が利益となり、投資家に分配されることになりますが、森林REITの利益は木材を伐採し、売却した利益を投資家に分配することで還元します。

木材需要が高まるほど、利回りも大きくなりやすい投資対象といえるでしょう。

その他にも保有している土地の貸し出しをおこなう方法や、保有している土地から採掘できる天然資源も売却する方法で利益を出せるので、木材の売却以外にも利益を出すことも可能です。

木材の需要が減少している場面でも、運営方法によっては収益を得られます。

森林REITはなぜ日本には存在しないのか

まず、日本のJ-REITは米国REITと比較して投資対象が狭いことがあげられます。

2020年10月に一般社団法人不動産投資協会が発表した『 Jリートダイジェスト』では、J-REITの不動産用途別比率は、オフィスが40.6%と半分近くを占めており、物流施設が17.6%、商業施設が17.0%となっており、1%以上の比率を占めている投資対象は住宅・ホテル・ヘルスケアであるため、基本的には6種類しか投資対象がありません。

米国で注目されているデータセンターも全体の1%以下です。

投資対象が幅広い米国REITと比較すると、そもそもの投資対象の幅が狭いといえるでしょう。

また、日本の森林業は今でも機械ではなく人の手によって管理や、伐採がおこなわれている地域も多いです。

機械化によって効率を求めた米国の森林業と比較して、日本の森林業は投資対象としての魅力が薄いことも理由の一つと考えられます。

上場している森林REITの種類

米国REITの中で上場している森林REITは4種類です。

REIT名 時価総額 上場市場
Weyerhaeuser 256億ドル (NYSE:WY)
Rayonier 43億ドル (NYSE:RYN)
PotlatchDeltic Corp 34億ドル (NASDAQ:PCH)
CatchMark Timber Trust 5億ドル (NYSE:CTT)

※記事執筆時点

4種類のREITの時価総額を比較するとWeyerhaeuserが圧倒していることが分かりますが、米国の森林REITで最も規模が大きいのは、北米最大の森林オーナーであるWeyerhaeuserです。

Weyerhaeuserは林業・加工木材・不動産の3つの事業を中心におこなっています。

林業・加工木材がメインであり、不動産は2つの事業を補完する形です。

また、鉱物の採掘などの天然資源の売却もしています。

収益の大半は木材の販売であり、日本も輸出先の一つです。

米国REIT全体の銘柄数は150を超えるので、市場全体で考えるとけっして森林REITは規模が大きいとはいえませんが、代表的な森林REITであるWeyerhaeuserを含めて4種類のREITがあることを把握しておきましょう。

日本から森林REITに投資をする方法

日本では、REITを含む外国投資信託を販売するためには金融庁への届け出が必要です。

金融庁に届け出には日本に来る必要があり、事務的なコストも発生するため、米国REITの運用元もわざわざ手間やコストをかけて日本に上場するメリットはほとんどありません。

森林REITどころか米国REITに直接投資をするのが難しいのが現状です。

しかし、間接的な方法を含めれば日本から森林REITに投資をする方法も存在します。

森林REITを対象にしたETFに投資をする

間接的な方法で森林REITに投資をする方法は、森林REITを投資対象にしたETFに投資をすることです。

森林REITへの間接的な投資ができる代表的なETFには、BlackRockが運用する「iシェアーズ グローバル・ティンバー&フォレストリー ETF」があります。

林業や木材に関連する世界の投資対象に対して分散投資できるETFとなっています。

2021年3月19日時点でのポートフォリオの上位5位までの銘柄を見ていきましょう。

順位 銘柄名 保有比率
1位 Svenska Cellulosa SCA AB Class B 8.31%
2位 Weyerhaeuser 7.58%
3位 Rayonier 7.20%
4位 PotlatchDeltic Corp 6.98%
5位 West Fraser Timber 6.61%

上位5位の銘柄の内、2~3位を先ほど紹介した森林REITが占めています。

また、CatchMark Timber Trustは上位ではありませんが、1.04%の比率で組み入れられています。

合計すると米国の森林ETFの保有比率は22.8%です。

今後組み入れ銘柄の比率などが変化する可能性もありますが、米国の4つの森林REITに分散投資するには保有割合も大きく優秀なETFといえるでしょう。

森林REITに投資をするなら、今回紹介したETFをはじめとする森林REITの組入比率が大きいETFに投資をするのがよいでしょう。

まとめ

米国REITには住宅ローンを対象にしたREITや、刑務所を対象にしたREITなど日本にはない様々な投資対象があります。

直接投資が難しいデメリットがありますが、J-REITのみ保有している投資家の方は、森林REITのような日本では投資対象でない米国REITへの投資も検討してみましょう。

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