【米国個別株動向】トイザラスの倒産を乗り越え、ハズブロの業績は2019年には回復へ

-トイザラス倒産の痛みは続いていますが、2019年にはその影響がかなり弱まります-
モトリーフール米国本社、2019年2月12日投稿記事より
ハズブロ(ティッカー:HAS)は最近決算発表を行いましたが、ホリデーシーズンを含む2018年第4四半期決算が厳しいものとなって2018年を終えました。
昨年夏のトイザラス倒産の影響は引き続き大きく、ハズブロの売上高は、健全な米国消費者の支出拡大にもかかわらず(米国国勢調査局によると2018年の小売売上高は2017年から5%以上増加)、低迷を余儀なくされています。
ハズブロの株価も過去12ヶ月間で9%下落しています。
困難は残りますが、2019年の事業見通しは良好なため、株価反発の可能性があります。
子供たちが欲しいものを手に入れられなくなった時
トイザラスが突然なくなったため、ハズブロはデジタル配信関連を2倍にする必要がありました。
しかし、言うのは簡単ですが実行は容易なことではありません。
また、2018年の夏には、「トランスフォーマー」等の大ヒット映画にも恵まれませんでした。
また、ディズニー(ティッカー:DIS)などとのパートナー売上も見込めませんでした。
こういった複数の逆風が同時に直撃したため、通年の業績は悪化しました。
財務指標 | 2018年通期 | 2017年通期 | 前年比 |
売上高 | 45.8億ドル | 52.1億ドル | -12.1% |
総利益率 | 59.6% | 61% | -1.4%ポイント |
営業利益 | 3億3,100万ドル | 8億1,000万ドル | -59.1% |
1株当たり利益 | 1.74ドル | 3.12ドル | -44.2% |
調整後1株当たり利益 | 3.85ドル | 5.46ドル | -29.5% |
出典:ハズブロ
さらに業績が悪化したのは、米中貿易摩擦のため、中国における玩具生産からの分散を開始したためです。
経営陣は、2020年末までに中国における生産比率を60%にまで削減する過程にある、と強調していますが、これが利益率を低下させています。
ハズブロはまた、欧州での売上高の減少に対処しなければなりませんでした。
市場調査グループNPDの報告によれば、ハズブロの2018年の欧州大陸における玩具およびゲームの売上は4%減となっています。
簡単に言えば、2018年は玩具業界にとっては悪い年でした。
金融危機の影響が緩和し始めた2009年以来、2018年には業界全体での年間売上高が初めて減少しました。
業績が悪化したハズブロの株価は、過去12ヵ月のPERで52倍となっていますが、今後12ヶ月の予想PERは19倍となっており、ウォール街はハズブロの反発に楽観的とみられます。
いくつかの重要な成果も
ハズブロにとっては厳しい2018年でしたが、いくつかの重要な成果もありました。
同社は2018年にアマゾンにおける最大の玩具販売会社であったと発表し、同社のオンラインPOSも2桁成長しました。
デジタルへの移行は面倒なプロセスになる可能性がありますが、デジタルファーストの世界で生き残るために必要なプロセスです。
また、同社は2018年に「パワーレンジャー」シリーズを購入しており、今年後半に新しいテレビ番組がリリースされる予定です。
そういった動きは、ハズブロの人気のある玩具ブランドをメディア資産に変える、という同社の経験の上に成り立っています。
それは、子供向けの娯楽のあらゆる側面を利用した垂直統合型のフランチャイズです。
同様に、ハズブロは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のような人気タイトルをビデオゲームの世界に持ち込むことで、ボードゲームとカードゲームの強みをさらに強化したいと考えています。
回復への道のりをたどるに従い、ハズブロの投資家は再び、より高い配当利回りを享受できるようになるでしょう。
同社の取締役会は最近、四半期配当を8%増やして1株あたり0.68ドルとし、現在の年間配当利回りは3.1%となっています。(記事執筆時点)
2018年はハズブロのことを忘れる価値がありましたが、企業の逆境は投資機会に転じる可能性があります。
今後の株価の反転と高い配当利回りの可能性を考慮すると、ハズブロ株は現在検討の余地があります。
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