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【米国株動向】 5Gサービスを提供するベライゾンとTモバイル、どちらが有望か

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2021310日投稿記事より

ベライゾン・コミュニケーションズ(NYSE:VZ)とTモバイル(NASDAQ:TMUS)にAT&Tを加えた3社は、次世代通信規格5Gのサービスで寡占状態にあります。

その背景には高水準の固定費負担や最速の通信速度といった要因があります。

5Gの利用可能エリアが広がる今、ベライゾンとTモバイルではどちらのリターンが高くなるでしょうか。

ベライゾン・コミュニケーションズ:最速の5Gサービスを提供

ベライゾンは、2019年4月にシカゴとミネアポリスの一部で5Gサービスを開始しました。

現在、顧客は1,800以上の都市で2億人におよびますが、55都市では通信速度が秒速4ギガバイトの5G最速サービスを導入しています。

5Gはベライゾンのドル箱です。

2020年は設備投資182億ドルに対し、236億ドルのフリーキャッシュフロー(FCF)を生み出しました。

これは2020年の配当負担額102億ドルを十分上回ります。

2020年は14年連続で増配しましたが、さらに増配の可能性があります。

執筆時点での年間配当2ドル51セントで計算される配当利回りは4.4%、株価収益率(PER)は13倍とAT&Tの19倍を下回り、キャッシュフローの観点からは割安に見えます。

しかしPERが低いのは、売上げの鈍化が原因と見て間違いなさそうです。

TモバイルやAT&Tとの競争で、ベライゾンの純増契約数と売上高は長い間伸び悩んでいます。

2020年の売上高は前年を3%下回る1,283億ドルとなり、1株当たり利益(GAAPベース)も前年を8%下回る4ドル30セントでした。

さらにネットワーク整備費用によって有利子負債は約1,290億ドルに膨らみました。

純資産が693億ドルのベライゾンにとっては過大で、負債資本比率は1.9倍弱となっています。

有利子負債増加の一方で手元流動性も200億ドル増加したため、新型コロナウィルスの感染拡大期も同社は流動性を確保できました。

キャッシュフローで支払利息の42億ドルを賄えたことも負債に対する懸念を緩和しますが、有利子負債は株価に重くのしかかります。

昨年はS&P500指数が31%上昇したのに対し、ベライゾンの株価は横ばいでした。

過去10年間でも同社の株価上昇率58%に対し、S&P500の上昇率は192%です(執筆時点)。

【米国株決算】ベライゾン・コミュニケーションズの最新決算情報と今後の株価の推移

Tモバイル:巨額の投資を回収へ

ワイヤレス通信の専業会社Tモバイルは、同業のスプリント買収によって割当周波数を拡大し、最近の電波オークションでも成功を収めています。

周波数が割当てられれば、特定の地域の周波数管理を独占でき、通信品質の競争で有利になります。

Tモバイルは当初、低料金で顧客を集め、株主もそれを評価しました。

今年株価は年初来45%を超えて上昇し、過去10年間の上昇率は320%です(執筆時点)。

無配でありながら、株主はベライゾンよりも高いリターンを得て、執筆時点のPERは45倍とベライゾンの約3倍です。

Tモバイルの2020年売上高は684億ドルとベライゾンを下回りますが、スプリント買収によって前年比では52%増加しました。

営業費用や支払利息、負債償還費用などスプリント買収にかかわる費用の増加で、純利益は前年を12%下回る31億ドル弱でした。

買収によって有利子負債は2019年の273億ドルから736億ドルに急増しましたが、純資産653億ドルに対する負債資本比率は約1.1倍と、ベライゾンを下回ります。

それでも、費用の増加などはFCFを押し下げ、2020年は約30億ドルでした。

他にもスプリント買収時に利用した金利スワップ清算費用が23億ドルあり、同社の実質的なFCFは6億5,800万ドルにすぎませんでした。

投資家は、同社が5Gインフラのために土地と設備に110億ドル超を投資したことにも注意する必要があります。

営業キャッシュフローは86億ドルにとどまり、31億ドルの買収代金の繰延べがなければ、キャッシュフローは赤字になっていたでしょう。

【米国株動向】AT&TとTモバイル:どちらがより魅力的な銘柄か?

ベライゾンかTモバイルか

バリュエーションは割高ですが、投資家にはTモバイルが有望でしょう。

割当周波数の拡大で通信品質が向上する上に、売上高、利益の伸び率は常にベライゾンを上回っています。

今後は巨額の投資が実を結ぶ可能性も高まりそうです。

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5Gサービスの世界市場は今年415億ドルに達し、2021年から2027年の間に年率平均44%の成長率で成長する可能性があります。その成長市場で勝者となるであろう銘柄をご紹介します。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Will Healyは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、TモバイルUS株、ベライゾン・コミュニケーションズ株を推奨しています。
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