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バフェットが保有する中でも特に成長率が高い銘柄3選

出典:Motley Fool

米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は90歳の誕生日を迎えた2020年8月末に、自身がCEO兼会長を務める投資会社バークシャー・ハサウェイが、初めて日本の5大総合商社株を5%超取得した事を明らかにしており、5社の株価は当日いずれも急騰劇を演じました。

同氏は同年5月の年次株主総会にて、新型コロナウイルスの感染拡大によって「世界が変わる」として、保有していた米航空株を全て売却したと明かし、程なくして米大手地銀株の一部売却が伝わる等、彼の四半期毎の新規購入や保有状況が報告される「Form 13F」の発表が特に市場関係者の関心を集めています。

そこで、今回は運用資産総額が約28兆円にも及ぶ米投資会社「バークシャー・ハサウェイ」の保有上位10銘柄と直近の第4Qの売買動向及び、投資環境も交えてご紹介致します。

会長兼CEO(最高経営責任者) ウォーレン・バフェット(90)
時価総額・セクター 600億ドル(2021年3月現在)・金融
株式運用総額(2020年12月末) 2,699億ドル(合計47銘柄)
直近の業績(20年Q4, YOY) 売上高-1.5%、当期純利益+22%
株主還元政策 20年10~12月期に90億ドル分の自社株買いを実施

出所:BERKSHIRE HATHAWAY INC.「2020 Annual Report」を基に筆者作成

まず、バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ社は米国屈指の投資会社として、時価総額では「S&P500種株価指数」の8番目及び、金融セクターではトップの最大の規模であり、また米誌「フォーブス」が2020年4月に発表した世界長者番付20年版によると、同氏の資産額は675億ドルと世界4位の大富豪です。

1965年より年次報告書にて公表される年率の運用リターンによると、直近10年間では、「S&P500種株価指数」に対して、6勝4敗ですが、2020年までのパフォーマンス全体では同指数の約120倍に相当かつ、複利年率リターンも20%と凄まじい成績を残してきました。

出所:BERKSHIRE HATHAWAY INC.「2020 Annual Report」を基に筆者作成

2月半ばに提出された直近2020年12月末時点での「保有銘柄報告書」によると、10~12月には前四半期(Q3)に新規購入した「ベライゾン」や「Tモバイル」といった通信株を追加で買い増す一方で、米金融大手「JPモルガン・チェース」をはじめ、金鉱山会社「バリック・ゴールド」」や製薬大手「ファイザー」を含む5銘柄を完全に売却しています。

出所:dataroma.com「Activity」を基に筆者作成

2020年通期では、これまでお気に入り銘柄とされていた金融株やエアライン株の売却に動く一方で、米大手製薬4社やビッグデータ分析用のシステム基盤をクラウド経由で提供する新興企業の「スノーフレーク」へ新規購入する等、アップルを除くIT株には消極的な姿勢だった同氏の投資スタンスもコロナ禍で変わりゆく世界の潮流へ舵を切っている様子です。

出所:hedgefollow.com「Warren Buffett Stocks Portfolio」を基に筆者作成

実際に、昨年に米金融大手の「ゴールドマン・サックス」やバフェット氏の長期保有銘柄として有名な「ウェルズファーゴ」等の売却に伴い、コロナ禍以前には同社ポートフォリオの4割超を占めていた金融株は昨年末時点で約25%に減少する一方で、世界初の2兆ドル企業に成長した「アップル」は一時全体の50%を超え、同社最大の主力銘柄となりました。

出所:dataroma.com「History」を基に筆者作成

2020年の年次報告書によると、バフェット氏はアップルが活発に自社株買いを実施したお蔭で、直近2四半期で同社株を約1割売却したにも関わらず、バークシャーのアップル株保有率が5.4%に高まり、更に同社が過去2年半に渡り、自社株買いを実施した事で、株主はアップルの資産と将来の利益の10%を間接的に保有した事になると指摘しています。

また、バークシャー自身においても、2四半期連続で過去最大級となる自社株買いを実施した事で、20年通期の自社株買い総額は初の247億ドルに及び、発行済み株式数を約5%減らすといった大胆な株主還元政策を行う一方で、現金・同等物は1380億ドルと期末として過去最高を更新しているため、今後の同社の潤沢な手元資金の使い道に注目が集まります。

それでは、バフェット氏率いるバークシャーの運用ポートフォリオの上位10銘柄を対象に、直近3年間における売上高成長率が最も高い銘柄をご紹介致します。

Revenue % YOY
Ticker % of

portfolio

Growth

(3-Year Annualized)

 

*Estimate (2022)

 

 

FCF Growth Industry
1 MCO 2.65 8.51% 7.00% 27.21% Financial Data & Stock Exchanges
2 AAPL 43.61 6.19% 4.40% 24.57% Consumer Electronics
3 AXP 6.79 3.16% 12.10% -65.69% Credit Services
4 USB 2.26 2.05% 2.50% -23.99% Banks—Regional
5 DVA 1.57 2.02% 3.00% -0.10% Medical Care Facilities
6 VZ 3.19 0.59% 1.90% 26.86% Telecom Services
7 KHC 4.18 -0.06% -2.20% 55.64% Packaged Foods
8 BAC 11.34 -0.42% 4.70% -38.5% Banks—Diversified
9 KO 8.13 -2.31% 5.80% 2.97% everages—

Non-Alcoholic

10 CVX 1.52 -11.15% 7.60% -87.46% Oil & Gas Integrated

各指標:Key Ratio(morinigstar.com)

*FCF :Free Cash Flow/Sales (%)

*Estimate:Analysis(finance.yahoo.com)

*いずれも2021/3/13時点のデータを参照

ムーディーズ

1900年創業の老舗調査会社として、信用格付けに代表されるリスク評価におけるリーディングカンパニーである同社(NYSE:MCO)は、約140ヵ国以上の4億以上に及ぶ企業、金融機関、地方公共団体等を対象に70兆もの債券レーティング付与の実績があり、バークシャーが20年間の長期間保有している点からも競争優位性の高い事業モデルが強みと言えます。

主要な事業セグメントには信用格付け及び、評価サービスを手掛ける「MIS」部門が売上げ全体の約6割を占める主力ビジネスであり、その対象は事業・金融法人の借入債務から証券化商品やインフラ関連のプロジェクトまで、包括的なリスク評価を提供しており、同部門の営業利益率は約60%と長年かけて培った独自の評価技術が収益の源泉となっています。

更に、「Mood’s Analytics」では信用調査及び定量スコアに加えて、商業用不動産等のデータベースを提供する「RD&A」と、金融機関向けにリスク評価のソフトウェアを手掛ける「ERS」といったサブスクリプション型のサービスにより、部門売上げの9割超を経常収益が占める安定した収益構造を実現しており、ここ10年で売上高は約3倍に成長しています。

2020年通期では、売上高が前年同期比11%増また、直近5年間における売上高の年複利成長率は10%で、純利益についても同20%と継続的な収益拡大の一方で、ROEが163%と高利益率を維持しつつ、今期のガイダンスで1桁台半ばの増収を予想する等、景気環境に左右されにくい経営環境に長期投資の妙味を感じます。

アップル

2020年8月に米国企業として初の時価総額2兆ドルを突破した同社(NASDAQ:AAPL)は、米フォーブスが選ぶ「世界で最も価値のあるブランド」において、10年連続トップとその企業価値は誰もが認める超一流企業であり、バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの運用ポートフォリオの4割超を占める最大の主力銘柄となっています。

主力商品の「iPhone」で売上高の約6割を稼いでおり、特に昨秋発売した5G対応の「iPhone 12 Pro」等の高価格モデルが人気で、ティム・クックCEOによると、世界で使われているiPhoneは10億台を超え、かつ直近四半期の販売額も前年同期比で17%増で、過去最高更新とそのブランド力の強さはなお、成長途上にあると言えます。

更に、コロナ禍での在宅勤務やリモート学習の普及を追い風に、PCの「Mac」及び、タブレット端末の「iPad」の直近四半期の売上高は前年同期比でそれぞれ21%増、41%増と旺盛な端末需要を取り込むと同時に、昨年11月には自社開発のCPU「M1」搭載の「Mac」を発表しており、CPUの処理性能等のユーザビリティの大幅な改善に期待が集まっています。

また同社が2014年頃から進める「プロジェクト・タイタン」なる新規事業をについて、「自動運転車技術の開発及び、2024年に自社開発の電池を搭載した電気自動車(EV)の生産開始を目指している」と報道された事で、自動車業界参入により「MaaS(次世代移動サービス)」といった新たな成長戦略によるブランド価値の更なる向上が予想されます。

21年1Q期では、売上高が四半期で初の1,000億ドルの大台に乗せ、前年同期比21%増かつ、純利益も同29%増と4四半期連続の増収増益で過去最高益を達成と絶好調で、また直近のフリーキャッシュフロー・マージンが約27%と高収益体質を背景に、2月には総額140億ドルの起債により自社株買い等の株主還元に向けて、機動的な財務政策を可能にしています。

アメリカンエキスプレス

1850年創業の同社(NYSE:AXP)は「アメックス」ブランドで知られる米国を代表するクレジットカード会社として、消費者から中小・大企業に至るまで約130ヵ国において、幅広い顧客層に決済事業をはじめ、総合金融サービスを手掛けるグローバル企業であり、同社株を約18%を保有する筆頭株主のバークシャーは29年間に渡って長期投資の対象としています。

直近では米フォーチュン社が選ぶ「2020年最も働きたい企業ベスト100」において9位を、また米JDパワー社の調査によると、国際カード発行会社として顧客満足度1位を獲得する等のCSR(企業の社会的責任)の面での評価がブランド価値の向上に貢献しています。

事業セグメントには、個人向けのクレジットカードや融資事業の「GCSG」、企業向けに支払いプログラムや経費管理ツール等を提供する「GCS」、加盟店向けのネットワークサービスを手掛ける「GMNS」の3部門構成であり、収益源には決済事業関連及び、トラベラーズチェック等の旅行代理事業による手数料が含まれます。

2020年通期の業績は、売上高が前年同期比17%減かつ、純利益も同54%減の減収減益とコロナ禍の外出制限による旅行需要の大幅な減少が響き、特にアメックスカードを使った企業の旅行・娯楽関連消費は前年比で6割減少と在宅勤務やオンライン会議の普及を背景に、ビジネス旅行に逆風が吹く一方で、同社CEOによると、夏以降の航空旅行の回復により、今期は前年比で1割程度の増収を見込む等、業績の底打ち感が示唆されています。

財務面では、フリーキャッシュフローが前年比で6割減少と減収減益が重しになった一方で、2桁台の営業利益率及び、配当も前年と同水準を維持しており、株価は2月にコロナショック以前の水準を回復し、年初来で既に2割超上昇と米主要株式指数を上回るリターンを記録する等、今後の景気回復による業績の回復を織り込みつつあります。

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コロナ禍で消費者が一斉にレストランや航空機の利用を敬遠した一方、在宅需要という大きな恩恵を享受し、新産業として伸びた分野もあります。過去1年で既に株価は大幅に上昇してしまいましたが、在宅関連銘柄としても、長期的な成長株としても注目できる3銘柄を取り上げます。

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