The Motley Fool

従業員100名の小規模会社がアメリカ政府とコロナ検査キットで巨額の契約を結ぶ

出典:Getty Images

2月2日の朝、オーストラリアにて驚くニュースを耳にしました。

オーストラリアのブリスベン市内にある従業員数約100名の小規模な会社が製造するコロナウィルス検査キットが、生産納入の契約を結んだとありました。

「Ellume(エリューム)」という世間ではあまり名前を知られていない小規模な医療機器メーカーが、アメリカ政府と約2億3,000万ドルという巨額の契約を結んだ事に多くの人が驚きました。

このエリュームという会社は2010年に創業され、アメリカや他国はもとより、地元オーストラリアの証券取引所にも上場していない会社です。

エリュームは、今回アメリカ政府に承認されたコロナウイルス検査キットのような自分で検査ができる商品、病院など医療現場で使われる端末機、医療ラボなどで使われる試験機器などを製造・販売しています。

エリュームのアメリカ市場との関わりは、2019年にアメリカのバイオテクノロジー会社、Qiagen(キアゲン(NYSE:QGEN))がエリュームに15億ドルの投資を行う事による業務提携を開始したころから始まりました。

そして2020年にアメリカのFDAにエリュームが開発したコロナウイルス検査キットが承認されました。

それを受けてアメリカ政府が大規模な生産納入の契約を結んだようです。

この検査キットは、処方箋がなくても購入ができ、自宅で2歳以上が簡単に利用できます。

綿棒にて鼻から粘液を取り、端末カートリッジに入れると15分ほどで結果をスマートフォンに送ってくれるというとても簡単な方法で検査ができます。

また、値段も1セット30ドルと安く、大量の検査を必要としていたアメリカ政府に受け入れられる要因となっているようです。

キアゲンについて

エリュームと提携しているキアゲンは、1984年に設立され、本社はオランダにあります。

試薬、診断薬、分子診断機器の開発、販売を主に行っており、従業員数が約5000人という国際企業です。

2005年に世界的に流行した鳥インフルエンザの際は、それに対する検査キットを開発、販売しています。

その後もSARS用の検査キットを販売したりと、世界的に流行している菌に対しての検査キットの開発、販売に活動的な会社のようで、今回のエリュームとの提携もその戦略からでしょう。

キアゲンは日本法人もあり、東京と大阪に営業所があります。

分子診断ラボ、製薬会社、バイオテクノロジー会社、医学・食品関係の研究をしている団体にそれらの関連製品を販売しています。

売り上げの約50%はアメリカ地域、約30%はヨーロッパ地域、そして約20%が日本を含むアジア地域となっています。

需要が増える検査キット

一時は沈静したかと思えたコロナウィルスですが、第二次波、第三次波と、まだまだ威勢は収まっていません。

各国の政府は国民に対してワクチンの配布を急ぎ始めましたが、残念ながら日本政府の対応は他国に比べて遅れを取っているようです。

ワクチンと共に需要が増えているのが、エリュームが開発・販売したような検査キットです。

従来の検査キットは医者の処方箋が必要なものでしたが、同社の製品はそれが必要なく手軽に購入できる製品なので、とても話題を呼んでいます。

今回のアメリカ政府との契約の報道を受けて、他国の政府や製薬関係の企業からもこの製品は大いに注目されている事でしょう。

そして、残念ながらコロナウィルスはまだまだ簡単には沈静化しないでしょうから、このような検査キットの需要というのは、これから伸びていく可能性はとても大きいと思います。

キアゲンの過去10年のチャートを見てみると、株価は2016年から右肩上がりで上昇している事がわかります。

2019年8月頃から下落しましたが、コロナウィルスが世界で問題になり始めた2019年末頃から医薬品か検査キット関連の期待感からか、株価は再上昇しています。

<Motley Fool USAより引用>

一方のエリュームは、まだ世界のどこの株式市場にても上場していませんが、今回のアメリカ政府との取引により、オーストラリアの市場では大きく注目され、将来的なIPOを始め、今後の業務提携の継続から買収など、今後の動きに注目が集まる事でしょう。

エリュームの会社の規模からすると、このままキアゲンと業務提携を継続するか、キアゲンによるエリュームの買収というのが、可能性が高い話かと思いますが、会社の業績と共に規模も大きくなる事でしょう。

キアゲンのヒット商品は検査キット関連が多いようですが、コロナウィルス用の検査キットは、この先、数年間の短期に売れる商品となるでしょうが、DNA関連の検査キットは経済状態に影響されずに売れていくでしょう。

今後のエリュームとの業務提携や買収などの話や、キアゲンの検査キットの売れ行きなどを踏まえて、キアゲンの株は長期的な投資が期待できると思います。

フリーレポート配信

コロナ禍で消費者が一斉にレストランや航空機の利用を敬遠した一方、在宅需要という大きな恩恵を享受し、新産業として伸びた分野もあります。過去1年で既に株価は大幅に上昇してしまいましたが、在宅関連銘柄としても、長期的な成長株としても注目できる3銘柄を取り上げます。

在宅需要で新たな産業が勃興する中、注目のコンスーマー関連3銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事の作者、小林貴之は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事