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ラスベガス・サンズが「ラスベガス」を捨てた?コロナ後にアジアで生まれ変われるかに注目

2021年3月初旬、世界的なカジノオペレーターのラスベガス・サンズ(NYSE:LVS)が「ベネチアン」「サンズ・エキスポ&コンベンションセンター」などの事業を総額62.5億ドルで「Apollo Global Management」とその関連会社に売却したというニュースが話題になりました。

これは、投資家にとってもカジノファンにとっても衝撃的なニュースだったのではないでしょうか。

  • ラスベガス・サンズの創業者でもあるシェルドン・アデルソン氏が2021年1月に87歳で死去
  • コロナウイルス感染拡大
  • 日本進出からも撤退

このように、ラスベガス・サンズにとって2020年〜21年は転機となりました。

さらにお膝元のラスベガスからの撤退です。

今後、ラスベガス・サンズは投資対象としてどうなっていくのでしょうか。

ラスベガス・サンズの今後の展開を予測してみましょう。

ラスベガス・サンズがアジアに大きく舵をきった

ラスベガスを事実上撤退するサンズが、これから大きく力を入れるのはアジアです。

日本進出の計画は頓挫しましたが、マカオとシンガポールでは、サンズはとても存在感があります。

マカオでは、2004年にオープンのサンズ・マカオ、2007年オープンのザ・ベネチアン・マカオ、2011年オープンのサンズ・コタイ・セントラル、2016年のザ・パリジャン・マカオ などを次々にオープンしています。

さらに2021年2月には、その名の通りイギリスのロンドンをコンセプトにしたザ・ロンドナー・マカオもオープンしました。

マカオにいけばベネチア・パリ・ロンドンの雰囲気を楽しめます。

特にマカオではサンズ系のカジノは大きな存在感があり、マカオのカジノ収入が本場ラスベガスの売上を超えてしまいました。

シンガポールでは、2010年にオープンしたマリーナ・ベイ・サンズが、シンガポールの象徴的な存在の一つとなっています。

屋上のインフィニティ・プールはシンガポールの旅行者の間でとても人気があります。

また、カジノだけではなく国際展示場などのIR施設としても存在感があります。

既にサンズは21世紀からアメリカではなくアジアに力を入れています。

今後はアメリカから撤退し、アジアにさらに力を入れていくことが鮮明になりました。

ラスベガス・サンズがラスベガスから撤退した理由

経営資源をアジアに振りきるという選択をしたのが、ラスベガス撤退の理由です。

サンズの新しい会長兼CEOのロバート・ゴールドスタイン氏は「アジアは引き続きラスベガス・サンズの重要な屋台骨であり、特にマカオとシンガポールでの開発に注力していく」としています。

2019年、COVID-19の前は、マカオのカジノからのEBITDAは32億ドルとなり、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズはさらに17億ドルの売上でした。

一方、ラスベガスで生み出されたのは4億8,700万ドルでした。

ラスベガス・サンズの売上を支えているのは、既にお膝元のラスベガスではなくアジアです。

元CEOのシェルドン・アデルソン氏の死去でラスベガス・サンズは経営的にも転機をむかえました。

実はアデルソン氏の1月11日の死去前からラスベガスの不動産売却は検討されていました。

コロナウイルスによる強制的なシャットダウンが旅行者の現象やホテルの稼働率が低下につながり、ラスベガスのカジノが壊滅的な打撃を受けたことは、計画の前倒しにつながったという見方もあります。

本社はラスベガスに残る。米国のカジノ施設も名称は残る

ラスベガスに旅行を検討している方の中には、本場アメリカのザ・ヴェネチアンをはじめとしたカジノやホテルにもう行けなくなってしまうのかと、残念に感じた方もいるかもしれません。

しかし、元々あったラスベガスにあるサンズが運営する施設の名称は残り、本社機能もラスベガスに残るようです。

経営自体は譲渡されるものの、ラスベガスにあったサンズの施設自体に観光には行けそうです。

オンラインカジノ事業に参入?オーストラリア進出もあるか?

サンズは売上の立たないラスベガスを捨てる代わりに、何か新しい事業を展開するのでしょうか。

現在二つの展開が予想されています。

一つはオンラインカジノへの進出。もう一つはオーストラリアへの進出です。

前CEOのアデルソン氏はオンラインカジノ事業には消極的でした。

Coalition to Stop Internet Gamblingなどの団体や、彼の主張を支持する政治家に資金を提供するほど、オンラインカジノに否定的な立場だったのです。

しかし、アデルソン氏の死去で経営方針を180度変更し、新たにオンラインカジノ事業に参入する可能性があります。

また、オーストラリアにサンズが進出するのではないかという見方もあります。

オーストラリアのクラウンリゾーツというカジノを買収し、カジノライセンスを手に入れる展開です。

オンラインゲーミング市場への参入かオーストラリアへの参入かは、今のところ定かではありません。

しかし、ラスベガス・サンズの投資家にとって今後の新しい経営展開があるとすれば目先、このふたつに注目しておくと良いのではないでしょうか。

サンズのアフターコロナ後の展開に期待

マカオとシンガポールのカジノは、コロナワクチンが普及すれば、2021年の後半に本格的にオープンする見通しです。

そうなれば、数十億ドルのキャッシュを生み出され、今まで閑古鳥がないていたカジノ施設が再び活況になる可能性もあります。

アメリカのお膝元、ラスベガスを実質捨てる選択にでたサンズの今後はアジアにかかっています。

新しく誕生したザ・ロンドナー・マカオも期待が寄せられています。

隔離措置なしで2021年3月現在、マカオに入れるのは高リスク地域を除く中国本土からの旅行者のみですが、リバウンドで今後活況になる可能性も十分にあります。

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