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バフェットのお宝ビジネス、「BHE」と「BNSF」

出典:Motley Fool

今年のバークシャーハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)の年次報告書の会長からの手紙を読んで、バフェットがバークシャーの事業の4本柱として、保険、エネルギー、鉄道、そしてアップルの保有というのを上げていました。

アップルの保有(発行済み株式の5.4%)をそうした扱いにしたことが話題になったかと思います。

投資を一つのビジネスの柱としては上げていないところの方が、より驚きであったかもしれません。

保険ビジネスの一部という扱いなのでしょう。

それ以上に、バフェットがバークシャーにとってエネルギーと鉄道のビジネスが重要であるということを示すために、かなりの紙面を割いてこの二つについて語っていることが驚きでもありました。

それだけ重要なビジネスになっているということかと思います。

そして、このビジネスがアメリカ経済の成長とともに大きくバークシャーの収益に貢献していくものと期待できそうです。

鉄道ビジネスも電力ビジネスも、アメリカの成長を支える縁の下の力持ち的な存在です。

そして、どのようなビジネスが成長しようとも、ほぼ間違いなくそれらの成長に合わせて成長するビジネスインフラ企業です。

まさに長期投資の極致のような投資対象かと思います。

この二つのビジネスについて、年次報告書から、バフェットに代わってご説明したいと思います。

鉄道ビジネス:BNSF

もともとはBurlington Northern Inc.とSanta Fe Pacific Corporationの2社が1995年に合併してBNSFとなり、2010年に買収によりバークシャー・ハサウェーの子会社となりました。

歴史をたどると、1850年にイリノイ州で僅か12マイルの路線で運行を開始したところから始まっています。

そして今や、北米最大級の鉄道会社です。

鉄道網の長さは32,500マイル、米国の28州を通り、カナダの3つの州にも伸びています。

そして、全米の全貨物輸送(鉄道・トラック・パイプライン・航空機等)の15%を占めており、全米最大の貨物輸送会社です。

(BNSFのホームページより)

買収して以来、資本支出で410億ドル投資し、減価償却費として200億ドルを支出し、資本集約的なビジネスにあっても、かなりの資本を投下して安全性とサービスの向上に努めています。

日本ではイメージしにくいですが、国土が日本の25倍であることもあり、トラック輸送よりも鉄道輸送の方が効率的です。

100両編成どころか、数キロにおよぶ車両編成もあるようです。大量に物資を運ぶことができます。

であるが故に電化の進んでいないケースも多いようですが、BNSFは電化をかなり進めている上に、一部残っている蒸気機関車に関しては、エネルギー効率の高いものに改良してきています。

アメリカにおいては、陸上輸送では燃料効率の最も良いのが鉄道輸送です。

そのため、BNSFの顧客がトラック輸送を止めて鉄道輸送に変えれば、それだけで顧客の二酸化炭素排出量の大きな削減が可能です。

そもそもゼロエミッション化については、鉄道輸送が有利な上に、更に電化を進めるなどより環境に配慮する方向に動いています。

目立たないビジネスではありますが、非常に重要かつ安定的に成長するビジネスでもあります。

バークシャーにとって喜ばしいことに、ビジネス・ニーズを満たし、かつ十分なキャッシュを残したうえで、親会社であるバークシャー・ハサウェイに418億ドル(約4兆4,000億円)の配当を支払っています。

そして、バフェットが気に入っているのが、その経営です。

昨年は、輸送量全体が約7%減少したにもかかわらず、コストの削減により、利益率を2.9%ポイントも上昇させました。

そして、経営陣の交代も上手く行っているようです。

バフェットが信頼をベースに経営を完全に任せ、それに応える経営陣という理想的な形が出来ています。

エネルギー(電力)ビジネス:BHE(Berkshire Hathaway Energy)

もともとはミッドアメリカン・エナジー・カンパニー(MidAmerican Energy Company)で、バークシャーの買収(1999年に支配株主になっています)以来、2014年までは、ミッドアメリカン・エナジー・カンパニーの名前でビジネスをしていましたが、2014年に現在のバークシャー・ハサウェー・エナジーホールディングカンパニーと名前を変えました。

同社は、その起源に再生可能エネルギー(風力発電)があり、BHEとして今や、1,000億ドルの資産を持つ会社に成長しています。

低価格、安全かつ信頼できるサービスを提供し、顧客にとってベストのエネルギー会社になることをミッションとしています。

電力と天然ガスを12百万の世界にひろがる顧客に配給しています。

そして、再生可能エネルギーへの取り組みも積極的に行っています。

BHEのビジネスの約43%は再生可能エネルギー、もしくは非二酸化炭素系資源によるものです。

全米の規制電力において、BHE子会社のミッドアメリカン・エナジーと、パシフィコープは、1位と2位の風力発電施設規模を誇っています。

更に、BHEリニューアブルス(同じくBHEの子会社)は、トパーズプロジェクトとソーラースタープロジェクトを所有し稼働しています。

どちらのプロジェクトも米国における最大級の太陽光発電プロジェクトです。

BHEは、既に再生可能エネルギー発電に約3兆円を投資することにコミットしています。

更に、約1.8兆円を投資して、古くなった配電網を改善し、送電中のロスを減少させ、より信頼度の高い送電を提供しています。

大きな変革期にある電力業界において、その変化に早期に対応すべく投資を行い、変化をリードする存在になっています。

その過程では様々な困難があったようですが、BHEはよりクリーンなエネルギーの提供にコミットしています。

その結果でもありますが、資本投資が大きいため、BNSFとは異なり、バークシャーに配当を支払う余裕はありません。

それでも、バフェットはこのクリーンなエネルギーの提供にコミットし、やるべきことは全てやる経営陣の姿勢を評価し、信頼しているようです。

いずれ、大きな貢献をしてくれるものと信じているようです。

このBHEビジネスにおける資本投資が終わり、その刈り取りが始まれば、バークシャーにとっても非常に大きな収益源となることが想定されます。

株価の変動に惑わされることなく、長期的観点に立ってビジネスが行われており、バフェットにとって理想的な形で経営されており、とても満足しているように見えます。

BHEの前CEOのデビット・ソコルは、広くバフェットの後継者と見られていましたが、バークシャーの買収案件に絡んで、違法ではないが疑いを呼ぶ行為があり、辞任せざるを得ない状況になってしまいました。

その後CEOについたグレッグ・アベルもバフェットの信頼を十分に得るに足る人物であり、昨年の年次株主総会では、コロナ禍で出席できなかったチャーリー・マンガーの代役で、バフェットに同席しました。

バークシャーにおける位置づけの高さを感じます。

バークシャーの投資ポートフォリオばかりが注目されますが、支配株主となり傘下に入っている保険ビジネス、鉄道ビジネス、エネルギービジネスのどれも非常に魅力的です。

そして、どれにも入らないビジネス(シーズ・キャンディー、ネブラスカ・ファニチャー・マート、ボーシャイムなど)も魅力的なものが沢山あります。

こうした面からも、投資対象としてのバークシャー・ハサウェーの魅力を感じます。

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