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SEC(米国証券取引委員会)が「SPAC」を警戒。今後「SPAC」はどうなるのか

出典:Getty Images

「SPAC」(特別買収目的会社)とは、他の企業を買収、又は合併する目的で、証券取引所に上場する空箱のような形のみの会社または企業の事を指します。

SPACは、ペーパー上にのみに存在している会社であり、事業も営んでいない、事務所も従業員もいない、つまり実態のない会社です。

その実態のない会社が、上場して株式公開をします。

株式公開をして資金を集め、その後、未公開企業を買収、又は合併することを目的としています。

そのため、Special Purpose Acquisition Company(特別買収目的会社 )と言うのです。

SPACは、企業を買収または企業と合併する事で、実体の無い空箱会社から実体のある会社に変わります。

そしてSPACに買収された企業、又は合併した企業はSPACと統合した事で、一飛びに上場企業となります。

本来、企業が上場するには、様々な厳しい条件を満たさなければなりません。

しかし、SPACを使うことで、本来ならば行われる「上場のための厳しい審査」が省かれ、未公開企業が一夜にして上場企業になることが出来るのです。

【米国株動向】話題のSPACについて知っておくべき3つのこと

SPACへの投資

SPACは、IPO(市場に企業が上場し、株式を公開すること)の時点で、後に買収する企業を特定しません。

その事からSPACは「ブランク・チェック・カンパニー(白紙の小切手会社)」とも呼ばれています。

どういう事かと言いますと、投資家はSPACがどの企業を買収するのか、わからない状態でSPACに投資をします。

つまり投資家は、このSPACはきっと将来有望な企業を買収するであろう。という理由または希望だけで投資を行うのです。

ここで疑問が浮かびます。

どの企業を買収するのか、また、どの企業と合併するのかがわからないSPAC(実体のない空箱企業)に、どうして資金が集まるのでしょうか?

その理由を幾つか挙げてみました。

まず、従来は著名な投資家など資金力が無ければ参加できなかった未公開株式への投資に、少額の資金で参加出来るようになったという事が挙げられます。

次に、昨年給付金バブルが起き、ロビンフッターと呼ばれる投資経験が浅い人たちが新規で市場に参入して来ました。

ロビンフットという投資アプリが出てきて、この投資アプリを使ってSPACにも簡単に投資が出来るようになった事も挙げられます。

そして、昨年から株式市場が強気な事、またSPACをサポートするセレブリティーが増え続けているという流れもあります。

大規模な機関投資家や著名投資家、政治家、スポーツ選手といった知名度の高い人達が、SPACに関与することで一般投資家からも注目されるようになりました。

また、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でIPOでの手続きが進めにくかったという点もあり、上場を目指す企業からはSPACとの合併や買収を経て上場へという期待が高まったという点も無視できないでしょう。

2020年から「SPAC」による上場が急増しました。

昨年、米国株式市場においてのIPOの資金調達額は1,500億ドルとなり、そのうち半分がSPACによるものだと言われています。

2020年の1年間で、SPACは過去10年間の合計を上回る資金を集めたのです。

米ニコラのスキャンダル

これまでSPACと合併して上場した企業の中には、オンラインスポーツ・カジノを手掛けるドラフトキングス、英ヴァージン・グループの宇宙旅行企業ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスなどがあります。

また、昨年6月、水素燃料電池トラックメーカーの米ニコラがSPACと合併し、米ナスダック市場に上場しました。

しかし上場後、ニコラが自社の技術について虚偽の説明を行っていたことが発覚し、大きなスキャンダルとなりました。

この一件からSPACに対しての警戒感が出てきました。

上記にも記載したとおり、SPACと合併することで、合併した企業は一飛びで上場企業となります。

上場に値する条件を満たしていない企業であっても審査を省くことで、通常よりも容易に上場出来てしまう、この一連の流れが市場の正当性や投資家からの信頼性を危うくしてしまう可能性さえあるのです。

SEC(米国証券取引委員会)が投資家に警告

今月10日に米国証券取引委員会(SEC)の投資家教育擁護局から「セレブリティーが関与しているという理由のみに基づいて、SPACに関連する投資決定を行わないように」という異例の警告が投資家に向けて発信されました。

ハリウッド・スターや、プロ・アスリートなどのセレブリティと呼ばれる人たちが、様々な製品、又は、サービスなどを支持する事がありますが、時に支持するだけではなく、スポンサーや投資家としてSPACなどの投資機会に関与し、ある特定のSPACを支援する事があります。

SEC(証券取引委員会)は、こういった場合SPACとスポンサーとの間で利益相反を抱えている可能性がある事、又は、一般の投資家よりも良い条件で株式を受け取っている場合もあると述べました。

SPACの人気の高さに、一部のアナリストやエコノミストが懸念を示しておりSPACの規制の強化が、多方面から今求められています。

この流れに対応するようにSECの企業財務部門のディレクターは、SPACを調査すると述べました。

また、SPACに対しネガティブな印象を持っているのはSECだけではなく、バークシャー・ハサウェイの副会長であるチャーリー・マンガー氏も、世界から「あれら」が無くなれば世界は良くなる、とSPACを「あれら」という言葉を使い直接的には発言しなかったものの、ネガティブなコメントを出しています。

また、一方でこのような意見もあります。

SPACは、企業側にメリットがあります。

例えばSPACを通して若くて急成長している企業が、早く市場に参入することが出来れば、従来のIPOと比べて迅速に資本流入を得ることが可能となり、更なる成長が見込めるというポジティブな見方もあるのです。

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