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大麻合法化で米国大麻関連株・ETFに追い風か。大麻ETFの最新情報と代表的なETFを紹介

出典:Getty Images

この数年でカナダやアメリカなど主要先進国で、大麻合法化の動きが出てきた関係で、市場から大きな注目を集めつつあるのが大麻関連株です。

昨年の米国大統領選以降、大麻株関連のETFが2倍超に急騰するなどの活発な値動きを見せてきました。

さらに今年2021年2月10日には、大麻関連株が過去最高値を更新し、またも注目を集めています。

今回はそんな気になる大麻関連株で構成されている米国ETFを取り巻く環境や最新情報、さらに注目しておきたい代表的なETFをご紹介していきます。

今年2月に過去最高値を更新した大麻関連株~大麻生産のティルレイが50%超の急騰

今年2月10日の米国株式市場では、大麻関連株が全般的に過去最高値を更新する急騰を見せました。

急騰の理由は、オンライン掲示板「レディット」での呼び掛けに応じた個人投資家達が短期間で集中的に買いを入れたことによるものでした。

このため、医療用大麻の製造・販売会社であるカナダのティルレイ(TLRY)が50%超(以下の日足チャート参照)、同じくカナダの医療用大麻製造会社であるオーロラ・カナビス(ACB)が20%超などの大幅高となりました。

【ティルレイ(TLRY)日足チャート】

(出典:Tradingview)

尚、2月10日に急騰した大麻関連株については、翌日には利益確定売りのために上昇分をほぼ全て帳消しにする下げとなり、まさに「往って来い」相場となっています(上記日足チャート参照)。

今回の値動きは投機的ともいえる値動きであり、時価総額が小さい小型・マイクロキャップで占められている大麻関連株のボラティリティの高さが改めて認識される形にもなっています。

大麻(マリファナ)合法化に関するこれまでの動き

ここ数年の大麻関連の合法化に関しては、様々な動きが出てきています。

この合法化とは、既に多くの国で認められている医療用大麻の利用ではなく、娯楽用の大麻使用を合法化するという動きです。

まず2018年6月19日には、カナダで娯楽目的による大麻使用が合法化されました。

19日のカナダ議会上院では、娯楽目的による大麻合法化法案が、賛成52反対29という投票結果を受けての合法化案可となりました。

大麻が合法化されたのは、ウルグアイに次いで世界2番目、G7などの主要先進国では初めての動きとなり、大きな注目を集めました。

娯楽用大麻の合法化の動きは、米国でも見られてきました。

米国では、昨年2020年12月下院において、大麻利用に関する規制の権限を連邦政府から各州に移すという法案が可決され、実際に一部の州(現在15州)で合法化されています。

また、同時に昨年11月の大統領選後に左派リベラルである民主党バイデン政権発足により、大麻合法化への期待感がさらに高まっています。

このような流れを受けて、大麻関連銘柄やETFは昨年後半から徐々に上昇し始め、最終的に大幅高となりました。

その勢いは当然ながら、大麻関連株で構成されるETFにも波及しています。

昨年11月の大統領選以降、大麻関連の代表的なETFである「ETFMG Alternative Harvest ETF(NYSEMKT:MJ)」は2倍超に急騰しています。

今後の大麻関連株やETFはどうなるのか?

大麻合法化の動きは、いずれ他の先進国にも及ぶ可能性があります。

そうなれば、大麻生産量や大麻関連の製品開発が増加していき、関連する市場や株式にも好影響を与えることになりそうです。

このように大麻関連株やETFには追い風ともいえる流れが見られ、今後も大きな注目が集まりそうです。

とりわけ大麻関連株の値動きに直接影響を与える要因としては、今後も米国内で大麻合法化を進める州の増加などが考えられます。

合法化された州を中心として、大麻への需要が高まれば市場が活性化され、大麻関連市場を大きくサポートする動きとなることも考えられます。

そうなれば、今回のような投機的な値動きではなく、本格的な上昇相場となる可能性もあります。

その一方で、合法化された州の需要を取り込もうと大麻市場の競争が激化し、製造・販売会社や小売業者への価格下落圧力となる可能性もあります。

大麻は成長が早く、収穫までの期間が4ヶ月から長くても半年と比較的短いのが特徴です。

そのため、大きな需要が見込めるとなれば、生産が急激に拡大し、供給過剰となることも考慮する必要があります。

ただし、こういった動きはまだ中長期的な展望や予測にすぎず、高いボラティリティに注意しながら、市場を見ていく必要があるでしょう。

注目の大麻関連株ETFをご紹介

次に大麻関連株ETFで是非とも注目しておきたいファンドをご紹介していきます。

現在、米国市場では7つの大麻関連株ETFがあります。

以下の表では、それら7つのETFをAUMの大きい順にまとめてあります。

この中から代表的な大麻関連株ETFともいうべきETFMG Alternative Harvest ETF(MJ)について詳しくお伝えしていきます。

大麻関連株ETF名称 ティッカー AUM(運用資産残高)
ETFMG Alternative Harvest ETF MJ 18億1,660万米ドル
AdvisorShares Pure US Cannabis ETF MSOS 10億6,230万米ドル
AdvisorShares Pure Cannabis ETF YOLO 4億5,380万ドル
Cannabis ETF THCX 1億8,430万ドル
Cambria Cannabis ETF TOKE 3,850万ドル
Global X Cannabis ETF POTX 2,387万ドル
Amplify Seymour Cannabis ETF CNBS 1,426万ドル

(2021年2月26日時点)

ETFMG Alternative Harvest ETF

大麻関連株ETFですが、実は日本で購入できるファンドは極めて少なく、その多くはアメリカの証券会社から購入する必要があるものばかりです。

しかし、ETFMGオルタナティブ・ハーベストETFは、日本のサクソバンク証券で買える唯一の大麻関連株ETFとなっています。

また、このETFは大麻関連株ETFの代表的ともいえるファンドになっており、是非ともチェックしておきたい大麻関連株ETFの一つです。

ファクトシート(2021年2月26日時点)

ファンド名 ETFMGオルタナティブ・ハーベストETF(MJ)
直近1年の上昇率 %
運用資産残高(AUM) 18億1,660万米ドル
経費率 0.75%
年間分配金利回り 2.88%
投資対象資産 小型ブレンド株(Small Cap Blend Equities)
投資対象セクター ハイテク(インターネット)
構成銘柄数 32銘柄
ベンチマーク Prime Alternative Harvest Index
投資対象国・地域 米国
上場市場 NYSE
ファンド運用開始日 2015年12月3日
運用会社 ETF Managers Group LLC (ETFMG)

上位10銘柄(2021年2月26日時点)

構成銘柄名 ティッカー 保有比率
GW Pharmaceuticals PLC Sponsored ADR GWPH 10.21%
Aphria Inc APHA 9.93%
Tilray, Inc. TLRY 6.94%
Canopy Growth Corporation WEED 5.79%
Cronos Group Inc CRON 5.43%
GrowGeneration Corp. GRWG 5.28%
HEXO Corp. HEXO 3.89%
Schweitzer-Mauduit International, Inc. SWM 3.87%
Village Farms International, Inc. VFF 3.81%
Vector Group Ltd. VGR 3.65%

セクター別構成比率(2021年2月26日時点)投資対象国・地域

セクター 構成比率
プロセス産業 Process Industries 42.63%
耐久消費財 Consumer Non-Durable 23.23%
ヘルス・テクノロジー Health Technology 17.15%
流通サービス Distribution Services 15.21%
生産業向け製造 Producer Manufacturing  1.03%
現金 Cash  0.75%

投資対象国・地域比率(2021年2月26日時点)

投資対象国・地域 比率
米国 91.15%
ヨーロッパ 7.20%
アジア・パシフィック(日本含む) 0.90%
その他 0.75%

(データ出典:etfdb.comより筆者作成)

特徴

ETFMGオルタナティブ・ハーベストETF(MJ)は、ファンド運用が2015年12月3日に開始された世界初であり米国初となる大麻関連株ETFです。

現在、米国市場では7つの大麻関連株ETFがありますが、運用資産残高(AUM)が18億米ドルと他の6つのETFより一桁多い資産規模があります。

出来高も約150万株で他の同種のETFよりも、流動性の面でも優れています。

MJはプライム・オルタナティブ・ハーベスト・インデックス(Prime Alternative Harvest Index)を採用しており、ベンチマークに連動している大麻関連株ETFは、このMJとGlobal X Cannabis ETFの2つだけとなっています。

メリット

MJで魅力的なのは、日本国内の証券会社で購入できるという点の他に大麻関連株ETFの中では、比較的分配金が多いことが挙げられます。

MJの直近の年間分配金利回りは2.88%で、これは同じカテゴリーのETFであるAmplify Seymour Cannabis ETFの0.35%、Advisor Shares Pure Cannabis ETFの1.37%に比べて高いということが言えます。

この理由としては、無配か、わずかな分配金というケースが多い大麻関連株にあって、それ以外のタバコなどの保有銘柄からの分配金が考えられます。

大麻関連株にほぼ特化しているYOLOなど他の大麻関連株ETFに比べて、この数字はメリットといえます。

保有銘柄の特徴

MJの保有銘柄を見ていくと、大麻関連株で多く占められています。

上位10銘柄のうちの上位3銘柄は、代表的な大麻関連株となっています。

上記の表で10.21%の保有割合となっているGWファーマシューティカルズは、英国のバイオ医薬品会社です。

同社の主要医薬品「サティベックス」は、がんや神経痛の痛みを緩和させる口腔粘膜スプレー治療薬です。

また、アフリアはカナダの医療用と娯楽用大麻の製造会社で、純度の高い乾燥大麻を製造・販売しています。

ティルレイは同じくカナダ企業で、主に医療用大麻の製造・販売している医薬品の会社です。

直近の値動き

まずは以下のMJ週足チャートをご覧ください。

(出典:Tradingview)

2020年にかけて右肩下がりの値動きを形成後、同年3月のコロナショックでいったん底をついています。

その後同年10月にかけてジワジワと下がりましたが、11月の大統領選前にダブルボトムを形成する底をついてから、急激な上昇を見せてきました。

大麻合法化に寛容と期待されたリベラルな左派のバイデン政権誕生と12月の米下院での大麻合法化案可決にといった流れを受けて市場が反応し、2021年初頭から上昇していきました。

尚、同年2月に長い上ヒゲがあるのは、既にお伝えしたオンライン掲示板「レディット」での呼び掛けに応じた個人投資家による急激な買いと利益確定売りが入ったためです。

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コロナ禍で消費者が一斉にレストランや航空機の利用を敬遠した一方、在宅需要という大きな恩恵を享受し、新産業として伸びた分野もあります。過去1年で既に株価は大幅に上昇してしまいましたが、在宅関連銘柄としても、長期的な成長株としても注目できる3銘柄を取り上げます。

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