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ペット需要の高まりで注目すべき2銘柄。チューイとゾエティス

出典:Getty Images

現在、コロナ禍でペットの価格が高騰しています。

在宅ワーク等、自宅で過ごす時間が増加する環境下でペットと共に過ごしたいという人々が増えていますが、こうした背景からペットの取引価格が急騰し、ペット用品や飼育に関連する消費財の需要も見られています。

ペット需要の推移

ペットの需要は年々増加傾向にあり、今回のコロナ禍によって一気に需要を押し上げました。

また、特に犬・猫における飼い主をサポートする「ペットテック」が登場したために、ペットの飼いやすさはより一層手軽なものとなってきています。

ペットテックとは最先端デジタル技術を使ったペット向けのテクノロジーやサービスのことで、例えば、スマートフォンとウェアラブルデバイスを用いてGPS追跡・健康の把握・歩行時間などを監視するといったものや、AIを組み入れた室内カメラで外出先からでもペットの姿を把握するといったものから、オンラインを通じてペット用品をいつでも訴求するサービスといったものがあります。

このペットテックの市場規模はGlobal Market Insights, Inc.の調べによれば、2018年に45億ドル(約4800億円)から2025年には200億ドル(約2兆1000億円)の規模までに成長すると予測しています。

また、2019年から2025年に掛けての年平均成長率は25%と予測しています。

ペットへの支出は、景気の後退・回復に関わらず必需となります。

さらに景気後退時には、最も回復力が観測されるカテゴリーでもあります。

それは前回起きたリーマンショック時である2008年から2010年の不況の中でも観測されています。

当時、食品・住宅・娯楽などの個人消費は減少しましたが、ペットへの支出は増加しました。

これは不況下で在宅時間が多く、ペットに癒やされたいとする人々の行動により、ペットと共に過ごす時間が多くなったことを示しています。

ペット用品ECサイト「チューイ」

チューイ(NYSE:CHWY)は、ペット関連のECサイトを運営しています。

社名と同じウェブサイトやモバイルサイトを通じてペットフードや様々な用品、ペットのヘルスケア商品を販売しています。

2017年にペットスマート社と統合、実店舗とオンライン統合し拡大してきました。

価格、利便性、専門性で顧客に訴求しています。

ECサイトでは、ペットフード・おやつ、ペット用品、ペット用医薬品、その他ペット用健康製品、ペットサービスを購入することができます。

ペット業界では世界で起きている消費行動と同様に、店頭での購入からオンラインで購入することに移り変わっています。

米国ペット製品協会によれば、オンラインを通じたペット製品売上は市場全体の7%であり、2019年には22%に増加しています。

これは年平均成長率が40%を超えていることを示しています。

また、同調べでは、オンライン購入者のうち39%がサブスクリプションによる購入であることが分かっています。

さらにペット製品以外でオンラインでの購入比率を比べた場合、ペット製品のオンラインでの購入は依然と低いままであり、今後長期的な成長が見込めます。

しかし、一方で損益パフォーマンスではチューイの場合、厳しいといえるかもしれません。

素晴らしい売上成長率を見せてはいますが、営業利益、経常利益ともにマイナスで推移しています。

チューイ・直近3カ年のパフォーマンス(ドル)

2018/01 2019/01 2020/01
売上高 2,104,287,000 3,532,837,000 4,846,743,000
(成長率) +1,656.20% +67.88% +37.19%
営業利益 -337,851,000 -267,766,000 -252,726,000
(成長率) -2,317.71% +20.74% +5.61%
経常利益 -338,057,000 -267,890,000 -252,370,000
(成長率) -2,322.13% +20.75% +5.79%

(出所:SBI証券)

世界トップ級アニマルヘルス企業「ゾエティス」

高まるペット需要が背景にあるものの、もっと堅実な経営を行っている企業はないかというところで、ゾエティス(NYSE:ZTS)に注目したいと思います。

ゾエティスは2012年にファイザーから分離独立した世界トップ級のアニマルヘルス企業です。

家畜やペットの健康関連製品を製造・販売、ワクチンや寄生虫駆除剤が主力としています。また、現在は獣医師向けソリューションに注力しています。

売上の53%を米国で稼ぎ、残りを海外事業で稼いでいます。(売上第2位は中国)

ゾエティスは犬や猫といったコンパニオンアニマル以外にも馬(コンパニオンアニマルに含む)、牛、豚、家禽(ニワトリやアヒルなど)、魚、羊の8つのコア種に向けた医薬品、ワクチン、遺伝子検査などの製造またはサービスを展開しています。

今回、コロナ禍でペット需要が進んだ先進諸国では犬・猫に向けた製品の収益が圧倒的でしたが、世界市場で見た場合、羊、豚、牛、魚などで過半数を占めます。

これらは今後、長期的に見た場合、人口増加によるペット需要と共に家畜需要にも応えることができることを示しています。

製品ラインナップ以下のようなものになっています。

  • ワクチン
  • 抗感染薬
  • 寄生虫駆除薬
  • 皮膚科
  • 動物の健康診断
  • 薬用飼料添加物

ワクチン・抗感染薬は犬・猫だけに求められるものではありません。

豚や家禽を発生源としたインフルエンザ、牛の肺炎、各種伝染病といったものが、家畜を飼育する上で懸念されます。

コンパニオンアニマルにはついては急性嘔吐や変形性関節症に対応する医薬品、アレルギー性皮膚炎に関連する製品などを販売しています。

これらは一般的に獣医師により販売されています。

しかし、現在は獣医師以外からオンラインを通じて購入する事例が増えてきています。

特にノミ・ダニ駆除製品は獣医師による流通経路から有効であると実証されており、今回のコロナ禍にてオンライン取引が増加したことが考えられます。

さて、下表はゾエティスの直近3カ年の損益パフォーマンスになります。

上述のチューイーと比べて3カ年連続でプラス成長にて推移しており、堅実なものとなっています。

ゾエティス・直近3カ年のパフォーマンス(ドル)

2018/01 2019/01 2020/01
売上高 5,825,000,000 6,260,000,000 6,675,000,000
(成長率) +9.76% +7.46% +6.62%
営業利益 1,690,000,000 1,801,000,000 1,996,000,000
(成長率) 10.81% 6.56% 10.82%
経常利益 1,690,000,000 1,801,000,000 1,996,000,000
(成長率) 10.81% 6.56% 10.82%

(出所:SBI証券)

まとめ 

今回はペット需要の高まりから、グロース銘柄であるチューイーと堅実な損益パフォーマンスを誇るゾエティスをご紹介しました。

ペット需要の高まりは一時的なものに留まらず、継続的な飼育が必要となるために長期トレンドとなります。

また、ペット産業自体がオンライン化が依然として進んでおらず、今後の成長が見込めるカテゴリーとなっています。

コロナ禍によって人の行動様式が変わってきたことと、人間だけではなくペットもまた新たな在り方を求められています。

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免責事項と開示事項 記事の作者、池田健二は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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