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【米国株動向】バフェット氏の年次書簡におけるポイント:バークシャーの株価は低い水準にあり、同社は過小評価されている

出典:Motley Fool

モトリーフール米国本社、202031日投稿記事より

2月27日にウォーレン・バフェット氏は、最新の「株主への手紙」を公表しました。1965年の開始以来、この年次書簡は毎年、賢明な投資家の注目を集めていますが、この期間に同氏率いるバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)は年率20%のリターンをあげてきました(S&P500指標は同10.2%)。

1965年にバークシャーに1ドルを投資していれば、2020年末には27,173ドルに増加している計算です(S&P500の場合であれば、1ドルから230ドルへ増加した計算)。

一方で、バークシャーの近年のパフォーマンスは以前ほど良好ではなく、過去10年間の同社のリターンは市場を下回っています。

バフェット氏はこの点について直接的には言及していませんが、バークシャーが全てのタイプの投資家に向いているわけではないことを認めています。

それと同時に、市場はバークシャーの将来性を過小評価しており、現在株価が全般的に高水準にあるなかで、同社の株価は極めて割安な水準にあるのではないかと示唆しているように思えます。

「ハンバーガーとコカ・コーラ」vs.「フランス料理と輸入ワイン」

バフェット氏は今年の年次書簡で、フィル フィッシャー氏の言葉を引用しています。

フィル フィッシャー氏が1958年に書いたすばらしい投資に関する本で、企業の経営をレストランの経営にたとえ、次のように述べています。「ハンバーガーとコカ・コーラ」でも「フランス料理と輸入ワイン」でも顧客を引き付けられるが、気まぐれにスタイル変更してはいけない。潜在的な顧客がすぐに分かるような形で一貫したメッセージを発しなければならない。

バフェット氏は、バークシャーが56年間「ハンバーガーとコカ・コーラ」を提供し続けていると述べ、時を経ても、市場がどのような状態にあろうとも、同社のプロセス、投資スタイル、リスク回避姿勢は変わらないと言っているようです。

確かに過去10年間、市場は力強く成長する新興のテクノロジー銘柄、いわゆる「フランス料理と輸入ワイン」に引き付けられていました。

バークシャーの投資スタイルはリスク回避的でバリュー志向であり、全般的にはそれらのテクノロジー関連の銘柄を避けていました。

しかし2020年にバフェット氏が取った投資行動から判断すると、市場で「ハンバーガーとコカ・コーラ」の投資スタイルが再び主流となると考えているようです。

過去最高水準の自社株買い

バークシャーの2020年最大の買収は同社自身でした。

バークシャーは2020年に自社株買いに同社史上で最大規模の247億ドルを費やしました。同社株式の5.2%の消却を十分に行える額です。

バフェット氏は年末以降も引き続き積極的に自社株買いを行っていると述べました。

同氏は自社株買いにより、既存株主のために1株あたりの本質的な価値を高めると同時に、同社が直面する可能性のあるチャンスや課題に向けて十分な資金を残すことができると考えています。

そして、同氏はバークシャーが自社株を非常に安い価格で、本質的な価値よりも割安で購入したと考えているようです。

2020年に同社が行った投資の中で次に大きいものは、第4四半期に86億ドルで買収したベライゾン(NYSE:VZ)、債務込みであれば100億ドルで買収したドミニオン・エナジー(NYSE:D)の天然ガス資産です。

バークシャーは評価されていない

バフェット氏は次に、バークシャーは投資家から過小評価されているとしても、素晴らしい企業であることを詳述しています。

同氏はコングロマリット(複合企業)の評判が悪いことを認めながらも、2つの理由からバークシャーが典型的なコングロマリットよりも優れていると述べています。

1つ目は、典型的なコングロマリットがしばしば雑多な事業を保有、支配しようとする一方で、バークシャーは全ての事業を支配する必要性を感じていません。

1つの企業全てを保有する形でも、公開会社の非支配株主持ち分を保有する形でも問題なく、そのことが同社の潜在的な買収先の範囲を大きく広げています。

2点目として、バフェット氏は、他のコングロマリットが自社の株価上昇のために業績を実際よりもよく見せるよう会計を操作していると非難しています。

それらの企業のCEO(最高経営責任者)は自社の株価が跳ね上がったあと、その株式を同じく過大評価された企業の買収のための資金として使うのです。

バフェット氏はバークシャーが全般的には典型的なコングロマリットとは異なり、他のコングロマリットに当てはまる「コングロマリット・ディスカウント(多くの事業を抱える複合企業の価値が、各事業毎の価値の合計よりも小さい状態)」には値しないと述べています。

バークシャーの「ビッグ4

バフェット氏は次に、バークシャーの子会社や保有銘柄などトップ4事業がいずれも素晴らしく、競争力があり、耐久性のある資産である理由を説明しています。

4事業とは、バークシャーの保険事業、バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道(BNSF)、バークシャー・ハサウェイ・エナジー(BHE)、そしてアップル(NASDAQ:AAPL)です。

バークシャーの保険事業は競合に比べてはるかに資本が厚いことから、近年は債券ではなく、よりリターンの高い株式での資産運用が可能となっています。

また、他の保険会社では投資収益を得るために引受事業で損失を出しているケースが多い中、バークシャーの引受事業は多くの年で大きな利益を生み出しています。

2つ目のBNSFは、寡占状態にある米国鉄道市場の大部分を占めており、取って代わられることはほぼありません。昨年の低迷のなかでも同社経営陣は利益を高める方法を見出しました。

150年超にわたり、建設ラッシュ、不正行為、乱立、破産、再編、そして合併を経て、数十年前にようやく鉄道業界は成熟した合理的な産業に生まれ変わった、とバフェット氏は述べています。

BHEは優良なバランスシートと無配の方針から、高い競争優位性を有します。配当を行っていないことで、同社は他のエネルギー関連事業者が引き受けられないような非常に大きな資本を必要とする長期のプロジェクトに投資することができます。

バフェット氏は現在進行中の米国西部の送電網再建を例に挙げていますが、BHEは2006年にこの必要不可欠なインフラの再建に着手し、2030年に完了を予定しています。

こういった必要とされるエネルギーインフラ・プロジェクトも複数あることから、BHEは必要不可欠な業界で長期的に力強く成長するとみられます。

そしてアップルは、ご存じの通りの企業です。

バフェット氏は長期にわたる忠実な株主に感謝している

書簡の終盤にかけては、長年バークシャーと共にいる投資家への特別な思いをしたためています。

バフェット氏は「ハンバーガーとコカ・コーラ」が現在流行っていなくとも、長期投資家に適した投資スタイルであると考えており、247億ドルの自社株購入はその表れです。

景気が回復するにつれて、バークシャーは過去10年間よりも良好なパフォーマンスを出すようになるだろうと同氏は考えています。

バークシャー・ハサウェイが売却した銘柄とその分析

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Billy Dubersteinは、アップル株、バークシャー・ハサウェイ(B株)を保有しています。Billy Dubersteinの顧客は、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、アップル株、バークシャー・ハサウェイ(B株)を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ドミニオン・エナジー株、ベライゾン・コミュニケーションズ株を推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2023年1月の200ドルのロング・コール、2023年1月の200ドルのショート・プット、2021年3月の225ドルのショート・コール)。
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