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バークシャー・ハサウェイが売却した銘柄とその分析

出典:Motley Fool

ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)が2020年10-12月期に購入・売却した銘柄が明らかになりました。

本記事では同社が2020年10-12月期に売買した銘柄のうち、売却した銘柄のいくつかについて着目し、分析をしていきます。

バークシャー・ハサウェイが売却した銘柄について

一部売却

完全売却

金融株の売却について

今四半期において、バークシャー・ハサウェイは金融関係銘柄の多くを売却しました。

同社が売却した金融セクターの銘柄は以下の通りです。

売却した10銘柄のうち、金融セクターの銘柄は5つとなっています。

バフェット氏が金融セクターの銘柄を売却したことには理由があると考えています。

それは株価にあります。各銘柄の現在の株価(記事執筆時点)と、アナリストらによる目標株価の平均を見ていきます。

USバンコープ

  • 現在の株価:52ドル前後
  • 目標株価:54.13ドル

ウェルズ・ファーゴ

  • 現在の株価:38ドル前後
  • 目標株価:38.38ドル

PNCファイナンシャル・サービシズ

  • 現在の株価:178ドル前後
  • 目標株価:164.13ドル

JPモルガン

  • 現在の株価:153ドル前後
  • 目標株価:147.68ドル

M&Tバンク

  • 現在の株価:162ドル前後
  • 目標株価:156.47ドル

ここからも分かるように、アナリストらによる目標株価と現在の株価が同程度、もしくは目標株価の方が現在の株価よりも高くなっているケースが多いです。

金融セクターの銘柄は、コロナショック後に大きく下落し、夏頃までは低調な推移をしていました。

しかしながら10-12月期において、これらの銘柄の株価は回復しました。

回復後の株価を適正もしくは割高な株価であると判断するアナリストが多いことが、先ほどのデータから分かります。

バフェット氏は、金融セクター株の株価が、今後大きく上昇せず、低調な推移をしていくものと見込んで、これらの銘柄を売却したと考えることができるのではないでしょうか。

金融セクターの銘柄はコロナショック後の低調な推移から回復すると以前から考えられており、回復後である10-12月期にこれらの銘柄を売却したことは、非常に納得できるものとなっています。

今後のパフォーマンスに期待できない金融銘柄よりも、PERが低く、目標株価も高いアッヴィやメルク、クローガーなどに投資した方が良いとの判断をしたものと考えることができるのではないでしょうか。

バリック・ゴールド

企業概要

バリック・ゴールドはカナダのトロントに本社を置く金採掘会社です。

カナダの産金最大手企業であり、金生産超は世界一となっています。

アメリカを中心に世界各国で事業展開しており、合計で約30もの金・銅鉱山の権益を所有しています。

アメリカ以外にもカナダ、オーストラリア、南米諸国で鉱山の運営、開発、採掘を展開しています。

主要鉱山としてはアメリカネバダ州のコルテッツ鉱山とゴールドストライク鉱山、チリのラグナス・ノルテ鉱山、ドミニカ共和国のプエブロ・ビエホ鉱山などが挙げられます。

そのほかにも銅の生産や石油と天然ガスの所有権を保有しています。

同銘柄は、バークシャー・ハサウェイが2四半期前に新規購入した銘柄であり、当時大きな注目を集めていました。

業績について

最新決算である2020年第4四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…32.79億ドル(前年同期比14%増)
  • 純利益…6.85億ドル(前年同期比51%減)
  • 希薄化後EPS…0.09ドル(前年同期比88%減)

売上高は前年同期から14%増加しているものの、純利益は大きく減少しています。

前四半期と比較しても売上高や純利益は減少しており、業績が好調であるとは言えません。

株価について

執筆時時点での同社株価は20ドル前後となっています。

2020年の7月から9月頃にかけて、同社株価は30ドル前後で推移していましたが、30ドルを安定して超えることができず、同社株価は9月以降、下落に転じています。

ただアナリストらによる同社目標株価の平均は32.05ドルとなっており、今後の株価上昇が期待できます。

しかしながらバフェット氏が株価を購入した際の株価を大きく上回るような目標株価ではありません。

バリック・ゴールドの分析

なぜバフェット氏はバリック・ゴールドの株式を売却したのでしょうか。

その明確な要因を考察することは難しいですが、バフェット氏が望むようなパフォーマンスを同銘柄が発揮できなかったからだと推測することができます。

またバリック・ゴールドは高配当銘柄ではなく、配当利回りは1%台です。

保有しているだけでバークシャー・ハサウェイの収益増加に貢献することができないという側面も、同銘柄の売却に繋がったと考えることができます。

ファイザー

企業概要

ファイザーは、米国の大手医薬品メーカーです。

循環器系、中枢神経系、鎮痛・抗炎症系、筋骨格系、感染症、泌尿器系、眼科系、ガン、内分泌系、ワクチンの薬剤など開発、製造、販売しています。

主要製品としては「セレブレックス」、「チャンテックス」、「リピトール」、「リリカ」、「プリスティーク」、「バイアグラ」などが挙げられます。

ファイザーはNYダウ工業株30種平均の構成銘柄として有名でしたが、先日の銘柄入れ替えにて、アムジェンにその座を奪われました。

業績について

最新決算である2020年第4四半期決算について見ていきます。

  • 売上高…116.84億ドル(前年同期比12%増)
  • 純利益…5.94億ドル(前年同期比9.31億ドル増)
  • 希薄化後EPS…0.10ドル(前年同期比0.16ドル増)

売上高は増加し、純利益も前年同期の赤字から黒字へと転換しています。好調な業績であると言えるのではないでしょうか。

株価について

執筆時時点における同社株価は34ドル前後となっています。

また直近1年間で同社株価は6%ほど上昇しています。

またアナリストらによる同社目標株価の平均は41.09ドルとなっています。

同社株価は今後上昇するとの見方が強くなっていることが分かります。

ファイザーの分析

結論から述べると、バークシャー・ハサウェイがファイザーの株式を売却したことの明確な要因は分かりません。

株価も下落基調にあるわけではなく、PERも12倍前後であり、割安感があると言えるでしょう。

目標株価も41ドル前後と、今後の上昇が期待できます。業績も堅調に推移しています。

これらの状況から、バークシャー・ハサウェイが同銘柄を売却したことの合理的な理由を推測することは困難であり、バフェット氏らもこのことについて説明を行っていません。

唯一考えられる要因として、ファイザーよりもより良いパフォーマンスを発揮してくれる銘柄がたくさんあることが挙げられるでしょう。

バークシャー・ハサウェイは、アッヴィやメルクなどの株式を買い増ししており、医療関係銘柄を十分保有しています。

これらの銘柄の中で、ファイザーのパフォーマンスが相対的に低く見えただけでしょう。

ファイザーの株式を保有している投資家がバークシャー・ハサウェイの動きに追従する必要性は低いと考えています。

【米国株動向】ウォーレン・バフェットがファイザー株を売却、個人投資家も続くべきか

まとめ

今回はバークシャー・ハサウェイが2020年10-12月期において売却した銘柄の中から、金融銘柄、バリック・ゴールド、ファイザーについて分析しました。

これらの銘柄のほかにも、同社はアップルの株式も売却しています。

ただこれはアップルの今後に期待が持てなくなったというわけではないでしょう。

バークシャー・ハサウェイが保有する株式のなかでアップルの株式が含める割合は極めて高いです。

ポートフォリオのバランスをよくするために、アップルの株式を売却し、依存度を減らそうとしたのではないかと推測することができるでしょう。

バリック・ゴールドやファイザーの株式を取得から素早く売却した動きを必ずしも真似する必要はありませんが、上昇が期待できない銘柄に固執することなく、素早く見切りをつける動きは見習っても良いのかもしれません。

参考元:

Barrick Gold earnings release Q4/2020

PFIZER REPORTS FOURTH-QUARTER AND FULL-YEAR 2020 RESULTS AND RELEASES 5-YEAR PIPELINE METRICS

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