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【米国株動向】特別目的買収会社(SPAC)の今後の新たなトレンドとは

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2021218日投稿記事より

特別目的買収会社(SPAC)は、いま最も話題の投資のトレンドとなっています。

SPACとは、自らは事業を実施せず、上場後に未公開会社を買収することを目的とする企業です。

買収された企業は、SPACとの合併後の存続会社となり、従来のプロセスとは異なる方法で上場することになります。

SPACが調達した資金は、昨年1年間で834億ドルだったのに対し、2021年は最初の6週間で460億ドルを超えています。

さらに、SPACの数も飛躍的に増加しています。

上場したSPACの数は、2019年は59社でしたが、2020年には248社に上りました。

今年はこれまでに145社が上場しており、今後も増える見込みです。

SPACは通常、プライベートエクイティ企業やヘッジファンドなどの機関投資家や、大富豪の投資家が設立・出資するものです。

しかし、近いうちに異なるタイプのSPACが台頭するかもしれません。

それは、事業会社が出資するSPACです。

新たな方向性のSPAC

シリアルメーカーのポスト・ホールディングス(NYSE:POST)は最近、SPACを設立することを発表しました。

このSPAC子会社のポスト・ホールディングス・パートナリング・コーポレーションは、新規株式公開(IPO)で4,000万株を発行して4億ドルを調達し、消費財業界の企業を上場させることを目指しています。

IPOの主幹事はエバーコアとバークレイズ・キャピタルが務めます。両社は発行株式の最大15%を購入できるオプションを保有しており、完全に行使された場合の発行株式数は4,600万株となります。

SPAC子会社の経営を担うのは親会社の経営陣で、親会社の社長兼最高経営責任者(CEO)のロバート・ビターレ氏がSPACの最高投資責任者(CIO)となる予定です。

価値創造の歴史

この試みは、ポストにとって全く新しい投資手法となります。

同社は従来、株主価値を高めるために、買収やブランドのスピンオフを実施してきました。

同社自身、非上場の食品メーカーからスピンオフされた企業です。

SPAC子会社の提出書類によれば、親会社のポストは設立以来279%の株主総利回りを生み出してきました。

ポストにとって、SPACの流行に乗るのは、価値創造のための新たな手段の1つというわけです。

上場の優れたルート?

過去1年間でSPACが急増したのには理由があります。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によって、IPO市場は非常に不安定かつ不透明になり、多くの企業がIPOを中止しました。

しかし、SPACとの合併なら状況をはるかにコントロールしやすくなり、確実性も増すほか、コストも安くなります。

買収される企業は、買収価格を自分から提案できる上、通常のIPOのロードショー(機関投資家向け説明会)よりも速く手続きを進められるのです。

しかし、SPACへの投資は、中身を確認せずに買い物をするようなものです。

SPACが仮に買収を実行するとしても、投資家にはどんな会社を買収するか分かりません。

SPACは存続期間(通常は約2年間)が決まっています。

そのため、SPACを設立する側の裕福な機関投資家は、期限が切れる前にとにかく買収を成立させようとします。

これは必ずしも、SPACが上場させる企業が良い投資先であるということを意味しません。

トレンドの始まり

ポストのSPAC子会社のように、事業会社が出資するSPACは、通常のSPACよりも投資先として優れているかもしれません。

親会社のポストは、投資家のために価値を創造してきた実績があります。

また、どのようなビジネスがニーズに最も合致するかについて、鋭い感覚を持っているでしょう。

ポストのSPACは、事業会社が出資する初のSPACではありません。

メディア会社のリバティ・メディア(NASDAQ:FWONA)(NASDAQ:FWONK)は、SPACのリバティ・メディア・アクィジション・コーポレーション(NASDAQ:LMACU)を設立しました。

同社は「メディア、デジタルメディア、音楽、エンターテインメント、コミュニケーション、通信、ハイテク業界」の企業をターゲットとしています。

リバティ・メディアの会長を務める大富豪のジョン・マローン氏は、数々の買収を成立させてきた素晴らしい実績があります。

リバティ・メディア自体が、長年にわたって買収されてきた企業の集合体です。

SPACは今やIPO業界の一部となり、今後は上場の手段として好まれるようになる可能性があります。

この方法を通じて株主価値を創造しようとする事業会社は、さらに増えるかもしれません。

【米国株動向】テスラを超える成長が期待できるSPAC3銘柄

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Rich Dupreyは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、ポスト・ホールディングス株を推奨しています。
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