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バークシャー・ハサウェイが買い増しした銘柄とその分析

出典:Getty Images

ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)が、2020年10-12月期に購入・売却した銘柄が明らかになりました。

本記事では同社が2020年10-12月期に売買した銘柄のうち、買い増しした銘柄について着目し、分析をしていきます。

バークシャー・ハサウェイが購入した銘柄について

買い増し銘柄

新規保有銘柄

  • マーシュ・アンド・マクレナン(NYSE:MMC)
  • ベライゾン・コミュニケーションズ(NYSE:VZ)
  • E.W.スクリップス(NASDAQ:SSP)
  • シェブロン(NYSE:CVX)

クローガーについて

企業概要

クローガーは、スーパーマーケットなどを運営する企業です。

売上高ベースでは米国最大のスーパーマーケットのひとつであり、デパートやガソリンスタンドなども運営しています。

同業他社として、ウォルマートやコストコ・ホールセールなどが挙げられるでしょう。

バークシャー・ハサウェイは2017年にウォルマートの株式を売却した一方、2019年にクローガーの株式を購入しています。

この動きは、バークシャー・ハサウェイ社がウォルマート株からクローガー株に乗り換えたと捉えることができます。

業績

最新決算である2020年第3四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…297.23億ドル(前年同期比6%増)
  • 営業利益…7.92億ドル(前年同期比212%増)
  • 同社に帰属する純利益…6.31億ドル(前年同期比140%増)
  • 希薄化後EPS…0.80ドル(前年同期比150%増)

売上高は微増であるものの、純利益は大きく増加しており、比較的好調な業績であると言えるでしょう。

また同社の配当金は四半期当たり0.18ドルであり、配当利回りは2%前後となっています。連続増配年数は10年です。

株価について

執筆時時点での同社株価は33ドル台となっています。1年前の株価から大きく変動していません。

またアナリストらによる目標株価の平均は35.17ドルとなっていますので、同社株価は今後微増する可能性があります。

クローガーの分析

クローガー株の魅力のひとつに、PERの低さがあります。

執筆時時点での同社のPERは16倍台であり、比較的低水準にあると言えます。

銘柄のバリュエーションを重視するバフェット氏の投資戦略の基本に当てはまる銘柄であると言えるでしょう。

また同社はデジタル小売についても注力しています。

2020年に初めて、米国企業のEC売上高トップ10にランキングしました。

今後はEC売上が小売企業の命運を左右する側面もありますので、同社がこれからどれほどEC売上を伸長させていけるのかどうかが、同社の今後の株価を左右する要因になると考えることができるのではないでしょうか。

TモバイルUSについて

企業概要

TモバイルUSはアメリカの携帯電話事業者です。

アメリカにはベライゾン・ワイヤレス、AT&T・モビリティ、TモバイルUS、スプリントの4つの大手携帯電話会社が存在していましたが、2019年にTモバイルUSがスプリントを吸収合併したため、アメリカの携帯電話事業者は上記の3社になりました。

この吸収合併により、TモバイルUSの市場シェアは3割前後となり、同じく3割前後であるAT&Tに並びました。1位は4割前後を占めるベライゾンです。

業績について

TモバイルUSの最新決算である2020年第4四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…203.41億ドル(前年同期比71%増)
  • 純利益…7.50億ドル(前年同期から増減なし)
  • EPS…0.60ドル(前年同期比31%減)

売上高は前年同期から大きく増加したものの、純利益では増減が見られていません。

株価について

執筆時時点での同社株価は118ドル前後となっています。

これは1年前の株価から22%上昇しています。

またアナリストらによる同社目標株価の平均は153.30ドルとなっています。

最低でも125.00ドルとなっていますので、同社株価は今後上昇していくことが期待できます。

TモバイルUSの分析

TモバイルUSの魅力は、AT&Tやベライゾンなどを上回る、新規契約者数の多さにあると言えるでしょう。

同社の2020年における携帯電話契約数は220万であり、AT&Tの150万やベライゾンの48万を大きく上回る水準となっています。

将来性が非常に高いと言えるでしょう。

懸念点として、PERの高さがあります。

同社のPERは400倍近く、今後投資家が望む水準の業績を維持することができなければ、株価が大きく下落する可能性があると言えるでしょう。

バークシャー・ハサウェイは同社の将来性に着目して買い増ししたものと考えることができます。

アッヴィについて

企業概要

アッヴィは、新薬の研究・開発・販売を行うグローバルなバイオ医薬品企業です。

同社は2013年時点で125年の歴史を持っていたヘルスケアカンパニーであるアボットラボラトリーズの分社化により、新しいバイオ医薬品企業として誕生しました。

現在では世界75か国以上で約30,000人もの社員が働いており、非常に規模の大きな会社であると言えるでしょう。

業績について

アッヴィの最新決算である2020年第4四半期決算は以下の通りです。

  • 売上高…138.58億ドル(前年同期比59%増)
  • 純利益…0.38億ドル(前年同期比99%減)
  • 希薄化後EPS…0.01ドル(前年同期比99%減)

売上高は前年同期から59%増加しているものの、営業経費の大幅な増加によって大幅な減益となっています。

株価について

執筆時時点での同社株価は108ドル前後となっています。

直近1年間で同社株価は16%増加しています。

アナリストらによる同社目標株価の平均は120.33ドルとなっています。

アッヴィの分析

アッヴィの魅力はその配当利回りの高さでしょう。

直近においても増配を行っており、配当利回りは5%前後となっています。

また営業経費の増加によって純利益は減少しているものの、売上高は増加しており、今後の増益が期待できると言えるでしょう。

アッヴィのこのような状況からバフェット氏は同社の株式が割安であると判断し、購入したと考えることができます。

メルクについて

企業概要

メルクは医薬品会社大手です。

NYダウ工業株30種平均の構成銘柄の一つとなっています。

世界の140ヵ国以上で事業を行っており、2019年においては世界第4位、アメリカ国内ではファイザーに次ぐ第2位の医薬品メーカーとなっています。

業績について

メルクの最新決算である2020年第4四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…125.14億ドル(前年同期比5%増)
  • 純損益…△20.94億ドル(前年同期比44.58億ドル減)
  • 希薄化後EPS…△0.83ドル(前年同期比1.75ドル減)

売上高は前年同期から微増しているものの、純利益は大幅に減少し、赤字に転落しています。

主な原因として、営業経費の増加や開発費の増加が挙げられます。

株価について

執筆時時点での同社株価は75ドル前後となっています。

直近1年間において、同社株価は8%ほど下落しており、低調なパフォーマンスであると言えるでしょう。

メルクの分析

メルクもアッヴィと同様の魅力を持っています。

一つは配当利回りの高さです。

アッヴィほどではないものの、配当利回りは3%超であり、非常に高い水準にあります。

またアナリストらによる同社目標株価は96.33ドルとなっています。

現在の株価は75ドル前後であり、同社株価は割安であるとの見方が強くなっています。

PERも20倍前後であり、割安感があります。

このような状況で、バフェット氏は同社の株価が割安であると判断し、買い増ししたと考えることができるのではないでしょうか。

まとめ

今回はバークシャー・ハサウェイが2020年10-12月期に買い増しした銘柄から、クローガー、TモバイルUS、アッヴィ、メルクについて分析しました。

買い増しした銘柄については、どれもバフェット氏が今まで取ってきた投資戦略から大きく逸れてはいません。

株式バブルと呼ばれる環境においても、同氏の投資戦略は変わっていません。

環境に左右されず、自身が大事にしてきた基本戦略に忠実であることは、我々個人投資家も見習うべきでしょう。

株式バブルと呼ばれる時代の波に安易に乗ることで、一部の人は成功を収めるでしょうが、それはごく一部の人でしょう。

バフェット氏ら、偉大な投資家たちが築き上げてきた投資の基本に忠実になり、堅実な利益を積み上げていくことが、成功への近道であると言えるのではないでしょうか。

参考元:

Merck Announces Fourth-Quarter and Full-Year 2020 Financial Results

AbbVie Reports Full-Year and Fourth-Quarter 2020 Financial Results

T-Mobile Caps Best Year Ever in 2020 with Strong Q4 Results, Is the Only National Wireless Provider to Beat Expectations on BOTH Customer Growth and Profitability

Kroger Fourth Quarter Conference Call with Investors

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