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【米国株動向】注目のヘルスケア株3銘柄

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2021215日投稿記事より

最近のヘルスケア・セクターは、必ずしも投資家を熱狂させてはいません。

2020年の平均リターンは13.3%と悪くない結果でしたが、18.4%のリターンを挙げた市場全体(S&P500指数)に対してはアンダーパフォームとなりました。

しかし、平均値を見ても全体像は分かりません。

とりわけヘルスケア・セクターは、科学の最先端を走る中小企業から、景気後退時に市場をアウトパフォームする傾向がある「ディフェンシブ」な大型株まで、極めて多様な銘柄が存在します。

以下の3銘柄は、長期的に見て市場をアウトパフォームすると筆者が考えている企業です。

2社は急成長中の若い企業で、もう1社は定評ある企業にもかかわらず株価が割安になっています。

1. プロジニー

晩婚化などの要因により、不妊症は増加しています。

しかし、ニーズの高まりにもかかわらず、米国で不妊症治療を受けるための手段は、高額な費用がかかることや、保険の適用範囲外であることによって制限されています。

そこで登場するのが医療サービス企業のプロジニー(NASDAQ:PGNY)です。

プロジニーは、不妊症に特化した企業向け福利厚生サービスの運営会社です。

企業は、特に若年層の専門人材の採用を目指す業界において、不妊症に関する福利厚生サービスを提供することが、「働きやすい職場」という評価を得るために重要であることに気付き始めています。

アルファベット傘下のグーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの企業は、従来の医療保険会社よりも優れたプロジニーの不妊症関連サービスを利用しています。

プロジニーによれば、従来のサービスは利用率とコストをコントロールすることに重点が置かれています。一方、同社が重視しているのは、治療の結果と患者の体験です。

同社は最新の医療の進歩を活用し、コンシェルジュのようなスタイルで加入者を支えるとともに、業界で最も包括的な不妊症データベースを通じてデータを追跡します。

これにより、治療回数や高リスクな妊娠を減らしつつ、平均を上回る成功率を実現しています。

その結果、従来のサービスよりもコストが削減され、加入者の満足度も高まっているのです。

直近四半期の売上は前年同期比で62%増加し、1株当たりの損益は1.10ドルの赤字から0.05ドルの黒字に転換しました。

また、130社(前年同期比55%増)の顧客を有し、サービス対象人数は230万人(同64%)に上ります。

顧客維持率は2016年から100%付近を保っています。

同社は極めて大きな成長機会の初期段階にあります。

同社のターゲット市場において、保険に加入せずに自社で資金を積み立てている企業は8,000社、これらの企業の社員数は6,900万人に上ります。

アナリストは、同社の2021年の売上が5億2,800万ドルへ57%増加すると予想しており、この予想に基づく株価売上倍率(PSR)は8倍となっています(執筆時点)。

2. インビテ

遺伝子検査に重点を置く企業は、ヘルスケア業界の中でも特に大幅な長期的成長が見込まれます。

遺伝子検査会社のインビテ(NYSE:NVTA)は、遺伝情報などの分子情報を「オーダーメイドな医療の新しいバイタルサイン」とすることによって、遺伝子検査を主要な医療手段の1つとして位置付けることを目指しています。

遺伝子検査がコレステロール検査と同様に当たり前のものとなるのは、まだ何年も先でしょう。

しかし、オーダーメイドな医薬品を志向するトレンドは大規模な市場を生み出しており、インビテは現在こうした市場で活動しています。

がんの治療方法は、固形腫瘍の遺伝子分析に基づいて決定される部分が大きくなっています。

また遺伝子検査によって、身体を傷つけない方法で出生前診断を実施したり、希少な遺伝病や遺伝的ながんリスクを発見したりすることは一般的になっており、インビテの急成長を促進しています。

2020年春には新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によって検査件数がやや落ち込みましたが、下半期には業績が回復し、第3四半期の売上は前年同期比22%増となりました。

同社は最近、第4四半期決算の速報値を発表しており、売上が前年同期比49%に急増したと述べています。

同社の予想では、今後数年間の年間売上の伸びは50~60%となる見込みです。

アナリストは2021年の通期売上を76%増と予想しています。

黒字化が遠いにもかかわらず、2021年の予想売上に基づくPSRは20倍となっており(執筆時点)、株価は割安とは言えません。

しかし、同社ほどの成長性と事業機会を有する企業ならば、リスク許容度が高い投資家が長期的に投資すればきっと報われるでしょう。

3. バーテックス・ファーマシューティカルズ

売上を2桁台のペースで成長させつつ、安定して黒字を計上しているヘルスケア企業に投資したいという保守的な投資家にとって、製薬会社バーテックス・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:VRTX)はぴったりでしょう。

同社は嚢胞性線維症(CF)治療薬で支配的な地位にある上、開発中の医薬品候補は将来的に新たな市場を開拓する可能性があります。

短期的には、成長をもたらすのはCF治療薬でしょう。

成長の牽引要因となるのは、最新世代の治療薬であるトリカフタと、治療対象の患者数の増加です。

バーテックスは、以前は治療の対象外だった追加的な変異を有する患者や、若年層の患者の治療について承認を獲得しています。

同社によれば、米国、欧州、カナダ、オーストラリアのCF患者8万3,000人のうち、現在は治療を受けていないが、同社の医薬品による治療を受けられる可能性がある患者は3万人に上ります。

バーテックスは、非常に注目されている医薬品候補のCTX001を有しています。

CTX001は、同社がバイオ医薬品会社CRISPRセラピューティクスと共同開発している遺伝子治療薬で、遺伝病の鎌状赤血球症と地中海性貧血の治療を目指しています。

バーテックスは昨年末、同薬の有望な臨床試験結果を発表しました。

しかし、投資家はバーテックスに対して冷淡で、予想株価収益率(PER)はS&P500指数の22倍を下回る18.9倍です(執筆時点)。

これは恐らく、同社のCF以外の医薬品候補による利益が実現するのがはるか先だからでしょう。

最も製品化が近いのはCTX001ですが、確実ではありません。

さらに、発売は早くとも2022年で、もっと遅くなる可能性もあります。

しかし、市場はCF治療薬の明るい材料を見落としています。

同事業は、売上が2桁台のペースで増加しているだけでなく、多額のキャッシュフローを生み出しているのです。

同社はこのキャッシュを研究・開発や、医薬品候補を充実させるための事業取引に投じる意向です。

2020年末の手元現金額は67億ドルで、昨年末の38億ドルから増加しています。また、同社に負債はありません。

バーテックスが現金を有効活用するにつれて、事業の価値は増大するでしょう。

一方で投資家は、黒字を計上しつつ現在も成長している同社の株式を非常に割安な株価で購入することができます。

【米国株動向】筆者がこのメガトレンドに多額の投資をしている理由

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。アルファベットのエグゼクティブであるSuzanne Freyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。Randi Zuckerbergは、フェイスブックのマーケティング開発部の元ディレクターおよび元スポークスウーマンであり、マーク・ザッカーバーグCEOの姉です。Randiはモトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Jim Crumleyは、アルファベット(C株)、アマゾン株、マイクロソフト株、バーテックス・ファーマシューティカルズ株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アルファベット(A株)、アルファベット(C株)、アマゾン株、CRISPRセラピューティクス株、インビテ株、マイクロソフト株、アンダーアーマー(A株)、アンダーアーマー(C株)を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、CRISPRセラピューティクス株を推奨しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株のオプションを推奨しています(2022年1月の1940ドルのショート・コール、2022年1月の1920ドルのロング・コール)。
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