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【米国個別株動向】AT&Tの決算発表を受けて。今年「買い」なのか?

モトリーフール米国本社、2019年2月11日投稿記事より

AT&T(ティッカー:T)の株価は、2018年初めから25%低下しており、最近発表された2018年通期決算も、株価を押し上げることはほとんどありませんでした。

利益は増加していますが、多額の債務があるため、成長はほとんど停滞しているように見えます。

債務の一部は、昨年の850億ドルにのぼる物議をかもしたタイムワーナーの買収に起因します。

この状況は、バリューを追求する投資家にとっては絶好の機会の一つかもしれません。

2018年通期業績について

一見したところ、AT&Tの2018年通期業績は堅調です。

売上高は一桁台半ばの増加となり、2017年末に米国の法人税改革可決による税率の低下と相まって、純利益は二桁台の大幅増となりました。

財務指標 2018年通期 2017年通期 前年比
売上高 1,708億ドル 1,605億ドル 6.4%
営業費用 1,447億ドル 1,406億ドル 2.9%
調整後1株当たり利益 3.52ドル 3.05ドル 15.4%
設備投資 213億ドル 216億ドル (1.4%)
フリーキャッシュフロー 224億ドル 165億ドル 35.8%

出典:AT&T

ただし、これら増収増益の背景は、2018年夏に行われたタイムワーナーの買収によるものです。

AT&Tの中核であるワイヤレス事業の後払い個人加入者数はわずか20万人増で、一方、競合のベライゾン(ティッカー:VZ)は同110万人増でした。

一方、長期債務は2017年末の1,260億ドルから2018年末には1,660億ドルに膨れ上がっており、これもタイムワーナーの買収によるものです。

一部の投資家は、AT&Tによる買収が賢明でなかった結果になることを心配しています。

その点、ベライゾンはM&Aにおいてはるかに保守的であり、買収をYahoo!やAOL等の小規模なものにとどめています。

そしてベライゾンはその後、メディア買収戦略の非を認め、買収の評価損を計上し、メディア関連の従業員を解雇しています。

しかし、AT&Tの経営陣は2019年に再び純利益が増加すると予想しています。

同年のフリーキャッシュフロー(現事業維持および設備投資の支払いの後に残されたお金)を約260億ドルと見込んでおり、2018年比で16%の増加です。

これは、2018年の213億ドルと比較して、約230億ドルと予想される設備投資の増加にもかかわらずです。

この増加は、ベライゾンでも同様に本格的に行われている新しい5Gネットワ​​ークの構築によるものです。

5Gモバイルネットワークは、モバイル通信事業者がカバレッジ品質の卓越性を求めて再び争うようになるため、今後ますます重要になるでしょう。

この競争に劣後しないために、AT&Tにはやるべきことがいくつかあります。

「成長株」ではないが、「バリュー株」としてはありかも

AT&Tは、キャッシュフローが今年増加すると予想していることから、多額の債務を返済することが最優先事項であると述べています。

CEOのランドール・スティーブンソン氏は次のように述べています。

フリーキャッシュフローに対する配当性向は、2018年第4四半期が46%、2018年通期が60%となり、35年連続で増配することができました。

この勢いを2019年も継続させる所存であり、債務削減を続け、事業投資を継続させつつ、増配記録を続けるつもりです。

なお、1,600億ドルを超える債務の返済は難しく、特に、モバイル事業者が今後5Gビジネスへの投資を増やしている間はなおさらです。

さらに、メディア業界の状況は流動的で、タイムワーナー買収の効果には疑問が投げかけられています。

その結果、今後の悲観的な見方が、かなりAT&Tの株価に反映されていると見られます。

12ヶ月後の予想EPS(1株当たり利益)は8.2倍で、債務の少ないベライゾンの11.5倍よりも低くなっています。

これは今後、ベライゾンの方がAT&Tよりも早く成長するとの投資家の予想を意味しています。

なお、低成長だとの見方により、AT&Tの株は約6.9%の配当利回りとなっています。

債務と設備投資は配当に幾分か圧力をかけますが、経営陣のより高いフリーキャッシュフロー予想は、2018年の配当性向60%と比較し、2019年の配当性向も50%超を意図するものです。

このことは、36年連続増配の余地があることを示しています。

あなたが5G関連銘柄を探している成長重視の投資家でしたら、他の株式を探した方が良いでしょう。

しかし安定したインカム収入をお探しでしたら、AT&T株は検討に値するといえます。


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