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パワー半導体に注目。リーディングカンパニーの「パワー・インテグレーションズ」を探る

出典:Getty Images

現在、環境保全の関心の高まりから、EVをはじめとした石油から電気を動力とした製品開発が進んでいます。

EVをはじめとしたあらゆる電気機器は送電線を通じて電力を「交流」から「直流」に変換して供給する必要があります。

このときに活躍する半導体が「パワー半導体」です。

今回はそのパワー半導体に注目し、そのリーディングカンパニーであるパワー・インテグレーションズ(NASDAQ:POWI)を探っていきます。

パワー半導体とは

半導体といえばCPUやメモリなどを連想するかもしれませんが、これらは「演算」や「記憶」するための半導体です。

パワー半導体は、電気を交流(AC)から直流(DC)に変換することや電圧を規定の電圧に降圧する(5Vから3Vなどに落とすこと)などして、モーターを駆動させたり、バッテリーを充電させたり、電気製品を動作させている半導体です。

例えば、パソコンでいえば、交流電源100Vをパソコンに供給すると、CPUには3V、メモリには1.5V、各種デバイスには5Vなどとパソコン内部で使用される電圧はその部品ごとによって違います。

これらの様々な部品に電力を規格に合わせて供給するのがパワー半導体になります。

従来はこれらの電圧を変換するのに「電圧変換器」を用いていました。

パワー半導体の登場によって、電気機器はよりコンパクトかつ多機能に開発することができるようになりました。

また、従来の変換器に比べて、あまりにも比べ物にならないほど電気ロスが少なく省エネという特徴を持っています。

パワー・インテグレーションズの事業概要

上述のようなパワー半導体のリーディングカンパニーが、今回ご紹介するパワー・インテグレーションズです。

パワー・インテグレーションズは、集積回路(IC)や高電圧変換に使用される他の電子部品または回路を設計、開発、販売しています。

同社が開発した製品は交流(AC)直流(DC)電源で使用される集積回路などへコンセントからの高電圧ACを電子機器へ必要な低電圧DCに変換することが可能となります。

同社は米国、カナダ、スイス、英国、ドイツ、マレーシア、フィリピンにデザインセンターを置き、さらに19ヶ所にフィールド・ラボを設けています。

パワー・インテグレーションズはパワー半導体企業でありながら、自社の半導体製造工場を持たず、日本国内ではラピスセミコンダクタ(非上場)やセイコー・エプソンなどに製造を委託しています。

なぜ、今パワー・インテグレーションズに注目するのか

パワー半導体が電気機器において必要不可欠なものでありながら、なぜパワー・インテグレーションズを注目するのでしょうか。

その背景には環境保全の関心の高さからよりクリーンなエネルギー対策としてパワー半導体が注目されているからです。

すべての電気機器に必要不可欠なパワー半導体はEVにとっても同様です。

また、最近では米国のバイデン政権のエネルギー転換政策で注目されている太陽光発電または風力発電施設にもパワー半導体は使われています。

EVに関連して注目してみれば、パワー・インテグレーションズは2020年7月に「イノスイッチ3-AQ」と呼ばれるパワー半導体をパラグイン・ハイブリット式およびバッテリー式電気自動車(EV)向けにリリースしています。

参考

今後のテスラ社をはじめとした各メーカーのEVに用いられるパワー半導体の利用シェア率が上昇できるかどうかが焦点となりそうです。

この他、同社のパワー半導体はiphone用の電源チャージャーや各種IoT機器、日本でも省電力化で話題になったLED電球にも利用されています。

パワー・インテグレーションズの直近の決算(2020年第4四半期)

通年の売上高は前年比より16%増加して、4億8,830万ドルとなりました。

営業キャッシュフローは前年比より44%減少して、1億2,560万ドルとなりました。

2020年第4四半期の純収益は前年期比より24%増加して、1億5,070万ドルとなりました。

また、前年同期比では32%増加しています。

こちらは2019年第4四半期の結果には、特許訴訟の和解による利益が含まれたものでした。

直近3カ年の売上高では以下のようになっています。

  • 2018年 415,955,000ドル(成長率:-65%)
  • 2019年 420,669,000ドル(成長率:13%)
  • 2020年 488,318,000ドル(成長率:8%)

今後の財務の見通し

パワー・インテグレーションズは2021年第1四半期について以下のような見通しを発表しています。

  • 収益については2020年第4四半期と比較して±5%となり、横ばいと予測しています。
  • 粗利益では約48%と予測しています。
  • 営業費用では約4,450万ドルと予測しています。

まとめ

パワー・インテグレーションズの直近1年の株価推移

(画像:Bloomberg)

上図のグラフ通り、直近1年の株価は堅調に推移していますが、パワー・インテグレーションズの株価水準はPER81倍、PBR7.1倍と割高ではあります。

しかし、今後のEVシフトやエネルギー転換政策などの需要期待を加味すれば、収益は2ケタ成長も維持して期待できるのではないでしょうか。

また、下図のグラフはパワー・インテグレーションズ(紫色)、ナスダック総合指数(緑色)、ナスダック電子部品指数(赤色)へ2015年から2020年まで100ドルの現金投資した場合の累積総収益を示しています。

(画像:Last10k.com)

このようにパワー・インテグレーションズへの投資は指数を超えるパフォーマンスとなっています。

今後の株式市場動向のみならず、政策動向にも目が離せません。

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免責事項と開示事項 記事の作者、池田健二は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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