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ゲームストップ狂騒曲と気をつけるべき株式取引における禁止事項

コロナウイルス 投資
出典:Getty Images

年初から1月末に掛けてメディアに何度も出てきたアメリカ株銘柄にゲームストップ(NYSE:GME)があります。

この株は1月12日の引け値が$19.95でした。それが1月27日の引け値では$347.51となっています。

そして翌1月28日には、場中で史上最高値$483.00を記録した後に急落し、2月12日時点では$52.40まで下落しています。

極めて荒っぽい動きをしています。

業績が予想より非常に良くて、サプライズであったかというと、そういうことではありません。

業績的には売上は下落、収益も下落しており、それを理由にヘッジファンドなどが空売りを仕掛けていたくらいです。

上昇した理由は、ファンダメンタルズとは関係なく、超小型株の特性と空売りの存在を利用して、大量に買いを入れることで、空売りを行っているヘッジファンドに大損をさせることを狙って儲けようとした個人投資家集団の動きがあったからです。

超小型株では、大量の注文が入ると一気に株価が上昇したり、暴落したりすることがよくあります。

その特性を利用して、買いを大量に入れると、空売りをしているヘッジファンドが損失に耐えられず、空売りを手仕舞いするために買い戻しを入れることになります。

それが、株価の上昇を加速させることになります。

こうした仕組みを利用して株価のつり上げを狙った取引がなされ、急騰し、その後急落することになりました。

これを仕掛けたのが個人トレーダーであり、米国スマホ証券のロビンフッドから参加する個人が多かったこと、そして、仕掛け人がレディットというSNSのWallstreet Betsいう掲示板で共同で動くことを呼びかけていた、ということなどから、大きな話題になりました。

個人トレーダーがウォールストリートをやっつけたとか、投資の民主化とか、快哉を叫ぶようなトーンの記事も見られました。

しかし、その後本件に、米国の証券取引委員会(SEC)などの規制当局が調査に入っています。

何が問題なのでしょうか?

禁止されている相場操縦行為

ゲームストップ株の急騰の背景に相場操縦と疑われる意図が垣間見えていることが問題になっています。

市場の機能・役割として、様々な市場参加者の様々な思惑により、結果として妥当もしくはそれに近い価格が決定されていくという価格発見機能があります。

それを意図的に妨げる行為は、相場操縦的行為して禁止されています。

フェアな行為ではないので、当然と言えば当然のことです。

具体的に相場操縦と言われるような取引手法にはどのようなものがあるのでしょうか?

これは、日米で違いはほとんどありません。

日本で禁止行為とされているものは、米国でも禁止されていると思って良いです。

例:

  • 見せ玉
  • 仮装売買
  • 馴合売買
  • 終値関与
  • 買い上がり(売り崩し)
  • 作為的相場形成
  • その他の相場操縦的行為(株価固定、高値安値形成、売買高関与など)
  • 風説の流布

これら以外に空売りに関するルール(空売り規制)も気を付けなければなりません。

どれも意図的に価格を吊り上げるなど、自己に有利になるように価格を操作しようというものです。

見せ玉

取引意図の無い注文で、あたかも多くの注文があるかのように見せるもの。

自分がある株を売りたい時に、売りたい価格より低いところで多くの買い注文を入れ、他の市場参加者に、それらよりも高い価格でないと買えなくなるかもしれないと思わせるもの(買いたいときには、高いところに売りを沢山だす)。

そして、自分の本当の取引が終わったら、その他の注文を全てキャンセルする。

他の市場参加者に誤解を与えるための注文。

仮装売買

取引が活発に行われていると他の市場参加者に誤解させるために、売り買い両方に大量の注文を出して誤解させること。

自己売買で、権利の移転を目的としておらず、単に取引高だけを上げる。

馴合売買

上の仮装売買(自己売買)を知り合いとの間で行うもの。

これも、他の市場参加者に誤解を与えることを目的としています。

終値関与

これは違法性を証明するのが難しいですが、引けの直前で価格を上昇させる、あるいは下落させて終値を変えさせる目的で行われるもの。

現在では、終了間際にインデックスファンドやETFなどが大量に取引を行う傾向にあり、なかなかこの終値関与は成功しない。

買い上がり/売り下がり

大量の注文を断続的に出すことで、価格を吊り上げる、引き下げることを狙った取引(保有している株の評価を上げるためなど)。

作為的相場形成

他の投資家の取引を誘引する目的がなかったとしても、取引の状況からみて実勢を反映しない相場を作為的に形成したものと客観的に認められる取引。

その他の相場操縦的行為

株価固定(安定操作取引)・高値安値形成・売買高関与など。

理由はいろいろあると思われますが、意図的に価格を固定したり、上げたり、下げたりすることは相場操縦に当たります。

風説の流布

ある特定の株式の相場変動を図ることを目的として、証券取引や上場会社等に関する事実関係の確認されていない情報や、合理的な根拠に基づかないうわさをインターネットの掲示板等の媒体を利用して流布することをいいます。

また、このような行為は、証券投資を行わなくても「風説の流布」に該当する可能性があります。

市場の正常な形での価格発見機能を歪める価格を意図的に動かそうとする行為は違法とされています。

多くの市場参加者の総意として価格が決まってくるのが市場の原理です。

何らかの意図をもって、ある市場参加者が単独もしくは集団で(共謀して)、価格をある一定の方向に操縦しようとする行為が相場操縦として摘発されることになります。

証券取引に関して、こうした行為を耳にすることはそう多くはないかと思いますが、今回のレディットを介した個人トレーダーの集団的な動きがそれにあたるのではないかという疑念があり、SECが調査を行っています。

現在の法律が今回のケースに対して対応できるかどうかは不明ですが、少なくとも、今後、同様なことが市場の価格形成を歪める可能性があるという判断に至れば、規制対象になる可能性は大きいかと思います。

証券取引のルールは知りませんでした、では済まないです。

摘発されてからでは遅いので、よく理解しておきましょう。

個人で気をつけるべき不正になりそうな行為

問題になりそうな不正行為ということでは、上の中では「風説の流布」には気を付けましょう。

根拠もないまま、ある企業について、噂ベースのことをSNSなどに流したりすると、風説の流布として処罰対象になってしまうこともあり得ます。

もう一つきちんと理解しておく必要があるのが、インサイダー取引です。

株価に影響を与える未発表の重大な事実を知ってしまったときに、その情報が公開される前にその株を取引きしてしまうと、インサイダー取引になります。

その情報を直接聞いたのではなく、たまたま耳にしてしまったとしても、その情報をもとに取引をしたら罰せられます。

通常そういった情報に触れることはあまりありませんが、気を付けた方が良いかと思います。

基本的に「ずる」はダメ、というのが市場のルールです。

それをしっかりと理解した上で、時には、何が禁止行為かを知っておくことも自分を守る上で大事なことかと思います。

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免責事項と開示事項 記事の作者、松本義和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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