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米国ヘルスケア(コロナワクチン)銘柄の最新業績:ファイザーとジョンソン・アンド・ジョンソン

出典:Getty Images

新型コロナウイルス感染症のワクチンは、様々な製薬企業あるいはバイテク企業で開発されています。

他社に先駆けて、ファイザー、アストラゼネカおよびモデルナが、各国からコロナワクチンの承認を得た後に、コロナワクチンの提供を開始しました。

しかし、その後、コロナワクチン接種後に高齢者の方が亡くなった事例が数件発生しました。

一般的に死亡原因を特定するのは難しいため、本当にコロナワクチン接種が原因で死亡したのか疑って見ておく必要があります。

また、インフルエンザワクチンを含めた他のワクチンにおいても、接種後に亡くなってしまった事例も発生していているため、一般的にそのような事故を避けるのは難しいようです。

これらのことを考えれば、それほど心配する必要はなさそうです。

一方で、ジョンソン・アンド・ジョンソンもコロナワクチンの開発を行なっており、発表されたデータによれば効果はそれほど高くなさそうであることが判明しました。

これを受けて、同社の株価は下落しました。

しかし、それでも一定の有意な効果があるため、使用する価値は十分あるようです。

先月末あるいは今月の初めに、ファイザー(NYSE:PFE)とジョンソン・アンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は第4四半期(Q4)の業績を公表しました。

そこで、今回はファイザーとジョンソン・アンド・ジョンソンの最新業績やコロナワクチンの最新情報について解説していきます。

特に注目するべきはファイザーのコロナワクチンであり、2021年の売り上げ規模は1年間で150億ドルと予測されています。

業績が好調なファイザー:コロナワクチンの売り上げ予測は年間150億ドル

最初に、ファイザーの最新業績やコロナワクチンの最新状況について解説します。

ファイザーは米国の大手グローバル製薬企業であり、がんや免疫疾患、心臓疾患、神経疾患、感染症などの治療薬やワクチンの開発・提供を行っています。

今回のパンデミックにおいては、ドイツのBioNTechと提携してコロナワクチンの開発を行い、他社に先駆けてコロナワクチンの提供を開始しました。

ファイザーの業績

ファイザーの第4 四半期(Q4)の決算報告書は今年の2月2日に発表され、2020年の1年間の業績全体を見渡せるようになったので、ここでは年間の業績(FYE: Financial Year End)を見ていきます。

同社の決算報告書によれば、2020年の1年間の売り上げは2019年のそれと比較して、売り上げは少し伸び、利益は大きく伸びました。

具体的な数字や原因について以下に解説していきます。

  • 売上高:2%増加減少(2020年FYE: 419億ドル、2019年FYE: 411.7億ドル)
  • 純利益:41%減少(2020年FYE: 96.1億ドル、2019年FYE: 162.7億ドル)
  • 調整後の利益:16%増加(2020年FYE: 125億ドル、2019年FYE: 108.1億ドル)

純利益は大きく減少したように見えますが、実際には、コンシューマー・ヘルスケアのジョイントベンチャーの契約解消によって得た2019年の収入が大きく影響したようです。

従って、今回は調整後の利益を見るべきです(他には為替レートについても調整されている)。

これをもとに計算されたEPSは2.22であり、2019年から16% 上昇しました。

セグメント別で見てみると、全てのセグメントが増加しましたが、特にがんや希少疾患の治療薬の売り上げが大きく伸びました。

ファイザーのコロナワクチンの最新状況:売り上げ規模は2021年には150億ドル

ご存知のようにファイザーのコロナワクチンの提供は、様々な国で始まっています。

今のところ大きな問題は起こっていないようです。

同社の発表によれば、このコロナワクチンによる売り上げ規模は、2020年においては約1.5億ドルでした。

2021年には、その売り上げ規模は1年間で約150億ドルになる見込みとのことです。

実際にその売り上げ規模を達成することができれば、同社の業績は大きく伸びることになります。

ジョンソン・アンド・ジョンソンの年間業績とコロナワクチンの開発状況

次に、ジョンソン・アンド・ジョンソンの業績とコロナワクチンの開発状況について説明していきます。

業績についてはやや低調ですが、コロナの影響によるものであるため、一時的であると言えます。

また、同社が受けた影響の大きさは、他社と比較するとそれほどでもないという印象です。

ジョンソン・アンド・ジョンソンは米国の代表的なインデックスであるS&P500の構成銘柄であり、130年以上の歴史を有する米国の大手製薬企業です。

売り上げの約半分は米国以外の市場から得ています。

同社の部門は3つありますが、最も大きな売り上げを得ているのは製薬部門です。

今回のパンデミックにおいては、コロナワクチンを開発しており、臨床試験の最終段階まで進んでいます。

ジョンソン・アンド・ジョンソンの業績

ジョンソン・アンド・ジョンソンの第4 四半期(Q4)の決算報告書は、今年の1月26日に発表されました。

こちらでも年間の業績(FYE)を見ていきます。

同社の決算報告書によれば、2020年の1年間の売り上げは2019年のそれと比較して、売り上げは少し伸びましたが、純利益はやや低下しました。

具体的な数字や原因について以下に述べます。

【米国株決算】ジョンソン&ジョンソンの最新決算情報と今後の株価の推移

  • 売上高:0.6%増加(2020年FYE: 825.8億ドル、2019年FYE: 820.5億ドル)
  • 純利益:2.7%減少(2020年FYE: 147.1億ドル、2019年FYE: 151.1億ドル)

研究開発費のコストが上昇したことが主な要因のようです。

2020年の年間売り上げをセグメント別で見てみると、製薬部門および一般健康医療品部門の年間売り上げは2019年のそれと比較して、各々8%増および1.1%増となりましたが、医療機器部門は11.6%減となりました。

一般健康医療品部門と医療機器部門の売り上げには、主に新型コロナウイルスのパンデミックが影響しました。

従って、同社のやや低調な年間業績は一時的なものと見ることができます。

ジョンソン・アンド・ジョンソンのコロナワクチン開発状況は順調

同社のコロナワクチンは臨床試験のフェーズ3(最終段階)の段階にあり、具体的なデータが公表されました。

そのワクチンの新型コロナウイルス感染に対する防御効果は57%−72%でした(72%米国、66%南米、57%南アフリカ)。

ファイザーなどのコロナワクチンと比較すると低い値ですが、新型コロナウイルス感染に伴って引き起こされる病気や症状を抑える効果率は85%でした。

新型コロナウイルス感染に関わる間接的な症状で死亡するケースが多いので、同社のワクチンは十分利用する価値があると言えます。

さらに、ファイザーのワクチンなどと違って、かなり低い温度での保存は不要な上に1回のワクチン接種で十分であることなどから、差別化は十分できています。

ただし、新型コロナウイルスの南アフリカ変異株に対しては、効果が低いことが示唆されています。

コロナワクチンの情報確認における注意点:変異株に注目するべき

ファイザーとジョンソン・アンド・ジョンソンの最新業績について解説しました。

コロナワクチン接種によって死亡した事例(特に高齢者)が各地で発生していますが、実はインフルエンザなどのワクチン接種でも同様の事例が起こっています。

また、死亡原因の特定は一般的に難しいため、マスコミによって報道された情報を鵜呑みにするべきではありません。

従って、コロナワクチンは今のところ特に大きな問題はないと考えて良いでしょう。

しかし、新型コロナウイルスの変異株については注目しておく必要があります。

本当なのかはよくわかりませんが、各製薬企業によれば、今のところコロナワクチンはそれらのコロナ変異株にも効果があるようです。

ただし、今後コロナワクチンが明確に効かないコロナ変異株が発生する可能性は十分あります。

実際にそのようなことが起これば、それを受けて世界の株価は大きく下落する可能性が高いので注意が必要です。

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