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【米国個別株動向】ボーイングの株価を再評価する3つの理由

モトリーフール米国本社、2019年2月9日投稿記事より

ボーイング(ティッカー:BA)の2018年第4四半期決算発表で極めて興味深いことは、収益への景気循環的な影響が弱まりつつある、ということです。

これだけでも、株価目標の上方修正が促進されるはずです。

さらに、民間航空会社がかつてないほど収益性の高い時代を迎えつつあるという点を加えると、ボーイングはかなり魅力的な投資対象のように見え始めています。

循環色を薄める航空旅客市場

投資家がボーイングに長期的に抱いていた最大の懸念の1つは、収益の景気循環的な特徴に関連しています。

旅客数の増加と世界の経済成長は相関する傾向があります。

旅客数の伸びが鈍化すると、航空会社の収入が減り、その結果、航空会社は航空機の注文を停止またはキャンセルします。

これはボーイングにとっては悪いことです。

しかし、規制緩和、航空機の効率性向上、国営航空会社援助の削減、低コスト航空会社の台頭などの航空業界の構造的な変化により、航空会社の収益性が急激に改善しています。

下のグラフが示すように、過去10年間で航空会社の収益性が劇的に上昇しました。

これは、搭乗率が上昇したためです。

つまり、世界的な航空会社は、より効率的に運営され、かつてないほどの収益を上げています。

民間航空会社の純利益と搭乗率

青が純利益(10億ドル、左軸)、赤が搭乗率(右軸)

出典:International Air Transport Association(モトリーフールが図表作成)

さらに次の図は、航空会社の好調な業績の原因が、経済成長だけではないことを示しています。

たとえば、過去5年間と2004~2007年を比較した場合、2004~2007年は世界経済の成長率および旅客成長率は高かったものの、航空会社の純利益と搭乗率は、過去5年間に比べるとはるかに低いものでした。

搭乗率に対する、世界経済の成長率および旅客成長率の推移

青が旅客成長率(左軸)、白が世界経済の成長率(左軸)、搭乗率(右軸)

出典:International Air Transport Association(モトリーフールが図表作成)

ボーイングにとって重要な点は、経済成長が鈍化しても航空会社は収益性を維持できる可能性が高いため、新しい航空機の需要が前回の景気後退時よりもずっと良好に推移することを示唆しているためです。

利益率が改善

ボーイングは、2018年に約120億ドルの営業利益を記録し、その約3分の2は同社の民間航空機部門(BCA)によるものです。

CEOのデニス・マレンバーグ氏は、BCAの営業利益率は、2018年の13%、2017年の9.4%に比べ、2019年には14-15%に上昇すると予想しています。

なお、決算発表の電話会議において、クレディ・スイスのアナリストであるロブ・スプリンガン氏は、利益率の改善が、航空機製造の数量効果にあるのか、それとも利幅の大きい航空機増および生産性向上の相乗効果によるものなのか、という重要な質問をしました。

ボーイングのPFS(Partnering for Success)イニシアチブによるサプライチェーンコストの削減の試みなど、生産性の向上による利益は、景気低迷のために販売量の伸びが鈍化したとしても、堅調に推移する可能性があります。

スプリンガン氏の質問に答えて、マレンバーグ氏は、787機の納入率が上昇したため、販売量の増加が利益率改善の「大きな推進力」となったと答えました。

マレンバーグ氏はまた、PFSによってもたらされる生産性の向上にも言及しました。

ボーイングは、自社の製造範囲を拡大し、製造後のアフタマーケットに進出することで、さらに利益率を上げようとしています。

これらの生産性向上が構造的なものであれば、ボーイングの利益率は景気後退時でさえも維持される可能性があります。

成長を続けるボーインググローバルサービス部門

また、サービスを中核とするボーインググローバルサービス(BGS)部門の売上高拡大により、収益の循環性が低減しています。

マレンバーグ氏は、BGSが「幅広いサービスポートフォリオをさらに拡大し、市場シェアを拡大​​し続けるにつれ、平均的なサービス市場の成長率3.5%よりも大きく成長する可能性がある」と強調しました。

実際、2018年のBGSの売上高は前年比17%増となり、総売上高の21%を占めており、これは防衛・宇宙・安全保障部門の13%を上回っています。

さらに、下の図が示すように、近年BGSの受注額は売上高を上回っており、今後も強い成長が見込めます。

ボーインググローバルサービス部門の売上高(青)と受注額(赤)の四半期推移(単位:10億ドル)

出典:会社の開示資料(モトリーフールが図表作成)

株式の再評価に値するボーイング

以上の点をまとめると、ボーイングの収益への景気循環的な影響が弱まりつつあると見られます。

これは最終需要(航空旅客需要)が落ち込んだときのマイナス面を減らすでしょうし、それは長期投資家にとって株をより魅力的なものにするでしょう。


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