【米国株動向】ロビンフッドの保有高上位10位以内で2021年に暴落する可能性がある銘柄とは?

モトリーフール米国本社、2021年2月11日投稿記事より
投資アプリのロビンフッドは、取引手数料が不要で、新規入会者に株式を無料で贈呈することで知られており、2020年に300万人の新規ユーザーを獲得しました。
ユーザーの平均年齢はわずか31歳で、その多くはミレニアル世代および/または投資の初心者です。
若い世代が投資にいそしむ状況は歓迎すべきこととはいえ、ミレニアル世代の投資初心者が長期投資と複利のメリットを完全に理解することなくペニー株(1ドル未満で取引される超低位株)や投資すべきでない株式を購入しています。
ロビンフッドにおける保有高上位10銘柄の半数は、2021年に暴落する危険性があります。
AMCエンターテインメント
映画館チェーンのAMCエンターテインメント(NYSE:AMC)は先週、ロビンフッドにおける保有高第1位に踊り出ました。
若い投資家がほんの数週間前にかろうじて倒産を免れた会社の持ち高を積み上げたという事実にぞっとする思いがします。
AMCは、普通株式の発行と借り入れを通じて9億1,700万ドルを調達し、冬場を乗り切るための十分な資金を確保することができました。
経営陣は、ここ数週間で投資情報交換サイトのReddit(レディット)で話題となり株価が上昇したことを受けて株式の追加発行を検討しています。
しかし、AMCのビジネスモデルは深刻な問題に直面しているように見えます。
問題の1つは、新型コロナウイルスの世界的流行がいつ終息するのかが不透明なことす。
様々な世論調査によると、米国の人口の4分の1から半分がワクチン接種をすぐに受けたいとは考えていません。
このことは、集団免疫獲得と映画館再開に向けた事態の進展を妨げる可能性があります。
しかも、AT&T子会社のワーナーメディアは、2021年の新作映画を劇場での封切と同じ日にHBO Maxで公開する計画です。これは、従来の映画体験に対する真の脅威です。
テスラ
電気自動車(EV)メーカーのテスラ(NASDAQ:TSLA)は、ロビンフッドにおける保有高が第3位です。
投資家はこれまで、EVなどの新しい技術を取り入れた企業をかなり過大評価してきました。
テスラが多くのことを成し遂げてウォール街に感銘を与えてきたことは事実です。
同社は何もない状態から、2020年に50万台弱を生産したEVメーカーに成長しました。
同社の電池技術は米国の競合他社よりも容量、走行可能範囲、およびパワーの点で優位に立っています。
2020年通期の調整後損益は、わずかながら黒字となりました。
とはいえ、テスラの損益が黒字化した理由は、他の自動車メーカーに再生可能エネルギー・クレジット(REC)を販売しているからです。
つまり、コア製品であるEVの販売だけでは利益を生むことができていません。
既存自動車メーカーであるゼネラル・モーターズ(GM)やフォードがEVと自動運転車の研究にそれぞれ270億ドルと110億ドルを投資していることに鑑みると、テスラが米国で競争力を維持できる可能性は低いと思われます。
サンダイアル・グローアーズ
ロビンフッドの保有高上位でもう一つの理解しがたい銘柄が、第4位にランクされているカナダの大麻事業会社サンダイアル・グローアーズ(NASDAQ:SNDL)です。
サンダイアルはAMCと同様、レディットで最も人気の高い銘柄の1つとなっています。
AMCと異なるのは、標的にされている理由が空売り比率の高さでなく、サンダイアルのペニー株がミレニアル世代と投資初心者を引き付けていることにある点です。
新規株式の発行とデット・エクイティ・スワップによりサンダイアルのバランスシートは過去4ヵ月で大幅に改善していますが、この間に発行済み株式数は10億株以上増えています。
こうした株式の希薄化は、既存株主の利益を損なうリスクがあります。
サンダイアルは現在、大麻の販売形態を利益率の低い卸売から利益率の高い小売へ切り替えようとしています。
こうした変更は長期的には賢明な措置ですが、今後しばらくは損失をもたらし続けるでしょう。
要するに、急成長している業界で同社のように業績が慢性的に予想を下回り続けている企業に投資家は関わるべきでありません。
ニーオ
ニーオ(NYSE:NIO)は、ロビンフッドにおける保有高が第5位の銘柄であり、数週間前に時価総額が1,000億ドルに達しました。
しかし、EVバブルが破裂した場合、ニーオはその影響を免れないでしょう。
中国に本拠を置くニーオには投資家にアピールするカタリストがあります。
今年1月のEV納車台数は7,200台を超え、中国という将来の世界有数のEV市場で生産能力を拡大し続けています。
また、同社のバッテリー・アズ・ア・サービス・プログラムも関心を集めています。
このプログラムは月額料金制のバッテリー交換/アップグレードサービスで、買い手はこれに登録することによりEVの初期コストを引き下げることができます。
このプログラムは、買い手のロイヤリティを維持し、そのEVをより手頃な価格にするための賢い方法です。
しかし、時価総額が1,000億ドルに近づいている同社の損益は赤字であり、創業以来のEV生産台数は8万2,000台強にとどまっています。
また、現在のバリュエーションは事業の初期段階で業務運営上のハードルはないことを前提としていますが、そうした前提はおそらく現実的ではありません。
投資家は中国国内での競争の激しさも懸念するべきでしょう。
中国は巨大な市場ですが、 ニーオは当面は弱小自動車メーカーの1つにすぎません。
ゲームストップ
最後は、最近の「レディットラリー」(レディットで話題になったことで株価が上昇すること)の象徴であるゲームストップ(NYSE:GME)です。
同社はビデオゲームとアクセサリーを販売するチェーン店で、ロビンフッドにおける保有高は第9位にランクされています。
先月、同社浮動株の100%以上が投資家によって空売りされたことを受けて、レディットのWallStreetBetsチャットルームの個人投資家が結束して、ゲームストップ株とアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションを購入し、壮大なショートスクイーズ(踏み上げ)を仕掛けました。
同社の株価は過去最高値を大幅に更新していますが(本稿執筆時点)、下値余地もかなりあります。
感情に主導された短期的な取引が終了すると、残された投資家が向き合うのは、デジタルゲームへの経営資源の集中に時間をかけ過ぎている会社です。
ゲームストップは業務運営コストを削減するため、一部の実店舗の閉鎖に取り組んでいます。
これは、収益黒字化への道に逆行する試みです。
ウォール街の業績予想が正しければ、同社の株価は今後1年間で80%下落する可能性もあります。
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