【米国株決算】ペプシコの最新決算情報と今後の株価の推移

ペプシコ(NASDAQ:PEP)は、米国の大手食品・飲料メーカーです。
炭酸・非炭酸飲料やスナック菓子、朝食シリアルなどを全世界200ヵ国前後で販売する多国籍企業で世界第2位の食品会社です。
主なブランドとしては、ペプシやマウンテンデュー、ゲータレードなどの清涼飲料水、トロピカーナ・ジュース、オートミールのフリトレー、シリアルのライフなどが挙げられます。
本記事ではペプシコが発表した2020年第4四半期決算及び通年決算の内容と株価の推移について見ていきます。
決算発表前における株価等のデータ
決算発表前日である02/10における同社株価の値動きについて見ていきます。
始値は140.43ドル、終値は137.70ドルとなっています。
ペプシコの株価はナスダック銘柄らしい値動きをしており、一貫して成長を続けています。
上場以来上昇を続けており、コロナショック直前は150ドル弱で取引されていました。
コロナショックによって同社の株価は100ドル近くまで下落したものの、12月頃にはコロナパンデミック直前の株価を上回っています。
ペプシコはS&P500の構成銘柄の一つとなっており、執筆時時点での同社時価総額は1,865億ドルとなっています。
続いてペプシコ社の配当実績について見ていきます。
なお、日付は権利落ち日を記しています。
- 2021/03/04…配当:1.0225ドル(配当利回り:2.97%)
- 2020/12/03…配当:1.0225ドル(配当利回り:2.96%)
- 2020/09/03…配当:1.0225ドル(配当利回り:2.85%)
- 2020/06/04…配当:1.0225ドル(配当利回り:3.02%)
- 2020/03/05…配当:0.955ドル(配当利回り:2.92%)
直近の配当利回りは3%前後となっており、コロナ後においても増配を実施しています。
高配当銘柄と呼称するにはやや心もとない利回りですが、S&P500の平均配当利回りを上回っており、十分な水準にあると言えるのではないでしょうか。
また連続増配年数も48年となっており、今後も安定した配当が支払われることが期待できます。
最新決算情報について
概要
2020年第4四半期決算の概要は以下の通りです。
- 売上高…224.55億ドル(前年同期比9%増)
- 営業利益…28.26億ドル(前年同期比5%増)
- 純利益…18.45億ドル(前年同期比4%増)
- 希薄化後一株当たり純利益…1.33ドル(前年同期比6%増)
アナリストによる事前予想では、売上高が217.6億ドル、non-GAAPベースのEPSが1.45ドルとなっていました。
実際の業績は、売上高が224.6億ドル、non-GAAPベースのEPSが1.47ドルとなっていますので、事前予想を上回る業績を残すことができていることが分かります。
続いて同社の2020年通年決算について見ていきます。
通年ベースでの業績の概要は以下の通りです。
- 売上高…703.72億ドル(前年同期比5%増)
- 営業利益…100.80億ドル(前年同期比2%減)
- 純利益…71.20億ドル(前年同期比3%減)
- 希薄化後一株当たり純利益…5.12ドル(前年同期比2%減)
同社の2020年通年業績は、売上高が前年同期から5%増加した703.72億ドル、純利益が3%減少した71.20億ドルとなっています。
同社CEOが決算短信で発表したコメントは以下の通りです。
第4四半期にはグローバルな飲料事業が加速し、グローバルなスナックと食品事業が回復力を維持したことで好調な年の終わりを迎えました。
当社の業績は、非常に献身的な従業員、多様なポートフォリオ、サプライチェーン、市場投入システム、そして新型コロナウイルス感染症への対応といった強さを反映したものとなっています。
市場での勝利に焦点を当て、より早く、より強く、より良い組織になるために必要な競争上の優位性を構築するための投資を続けていきます。
2021年に向けて、当社は長期的な目標と一致するように、比較可能収益とEPSの成長を計画しています。
また2021年6月の配当金支払いを歯切りに、年換算配当金を5%増額することを発表しました。
同社は新型コロナウイルス感染症のパンデミックという困難を、食品や小売販売に重点を置くビジネスモデルによって乗り切りました。
また2021年6月配当分で増配を行うことを発表しています。
しかしながら年間換算で5%という増配率は、前回の増配率である7%を下回っています。
市場参加者は同社の増配率について嫌気する可能性があると言えるでしょう。
詳細
続いて同社の2020年第4四半期決算をセクター別に見ていきます。
まず売上高に関して見ていきます。
- 北アメリカにおけるフリトレー部門…54.43億ドル(前年同期比6%増)
- 北アメリカにおけるクエーカーオーツカンパニー部門…8.36億ドル(前年同期比8%増)
- 北アメリカにおけるペプシコ飲料部門…67.93億ドル(前年同期比9%増)
- ラテンアメリカ地域部門…24.11億ドル(前年同期比5%減)
- ヨーロッパ地域部門…40.35億ドル(前年同期比4%増)
- アフリカおよび中東・南アジア地域部門…17.07億ドル(前年同期比53%増)
- アジア太平洋および豪州・中国地域部門…12.30億ドル(前年同期比34%増)
フリトレーとはペプシコの菓子ブランド、クエーカーオーツカンパニーとはグラノーラや朝食シリアルの部門を指します。
飲料部門は、パンデミックによるレストランや、スタジアム、その他公共施設の閉鎖により売上が落ち込んでいたものの、増収を発生しており、好調です。
同社業績が好調であったことの背景に、パンデミックによる巣ごもり需要が挙げられます。
第4四半期になると小売店舗やレストランなどの営業が再開され始め、同社の売上の好調さに繋がりました。
ペプシコはパンデミックをうまく乗り切ることができたと評価することができるのではないでしょうか。
また同社が発表した2021年通年業績ガイダンスについて、売上高は2020年から1桁台半ばの増加、EPSは1桁台後半の増加を見通しています。
決算発表後における株価の動きについて
決算発表直後である02/11における同社株価の値動きについて見ていきます。
前日終値である137.70ドルに対して、137.85ドルとなっていました。
寄り付きでは株価の上昇が見られるものの、日中を通して軟調な推移が目立ち、終値は134.97ドルとなっており、2%の下落となっています。
好調な業績を発表したにもかかわらず、株価が下落した明確な要因は分からないものの、増配率が小幅であったことや、2021年の業績ガイダンスに驚きがなかったことなどが挙げられるのではないでしょうか。
同業のコカ・コーラの第4四半期における売上高が、前年同期から5%減少した86億ドルとなっていたのに対し、ペプシコは前年同期から9%増加した225億ドルとなっています。同社は同業他社と比較してもパンデミックをうまく乗り切ったと言えます。
今後もパンデミックがある程度続いていくものと考えられますが、好調な業績を残していくことが期待されます。
ただ2021年業績ガイダンスからも分かるように、急激な成長を見込むことはできないため、株価は堅調な推移に留まると考えることができるのではないでしょうか。
参考元:PepsiCo Reports Fourth Quarter and Full-Year 2020 Results; Provides 2021 Financial Outlook
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