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【米国株動向】ディズニーとノルウェージャン・クルーズラインを比較

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、202128日投稿記事より

2020年はクルーズ船運航会社にとっては非常に厳しい1年となりました。

世界3大運航会社の株価は一様に大きく下落し、3位のノルウェージャン・クルーズライン(NYSE:NCLH)の株価は2020年で56%下落しました。

一方、クルーズ船4隻を運航し、ファミリー向け旅行を提供するディズニー(NYSE:DIS)の株価は、昨年26%上昇しました。

しかしこれは、人気を集める同社の動画配信サービス「ディズニープラス」の成功によるものです。

クルーズ船を運航しながら方向性は大きく異なる両社ですが、投資先として、より買いに値するのはどちらでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた新たな生活様式の中で、クルーズ船運航ほど問題を抱えている業界はないでしょう。

ノルウェージャン・クルーズラインやディズニーは5月の運航再開を目指していますが、これは400日以上ぶりの売上を伴う運航の再開となります。

娯楽・レジャー界で帝国を築いているディズニーにとっては、クルーズ船事業の占める割合は小さいものです。

同社が近く予定している2020年の業績報告では、最終赤字となるようですが、アナリストの大半は現四半期では黒字に戻ると予想しています。

ノルウェージャン・クルーズラインに関しては、業績回復により長い時間を要するようです。

アナリストは、黒字転換のタイミングは早くて2022年下半期と予想しており、これは、債券や新株発行による資金調達が必要であることを意味します。

その結果、同社の株式の希薄化は一見するより深刻な状況です。

同社の時価総額は、2020年の年初と比較して50%以上縮小しています(執筆時点)が、負債を加味した企業価値は同期間に183億ドルから164億ドルと、11%の縮小に留まっています。

同社の売上が2019年の水準まで回復するのには少なくとも2年は要するでしょう。

また、1株当たり利益がピーク時の水準まで戻るのにはもっとかかるはずです。

端的に言えば、株価チャートが示すより同社のリスクは高い状況にあると言えます。

もちろんディズニーもパーフェクトではありません。

動画配信サービスのディズニープラスが爆発的人気を呼んでおり、株価は急騰しています。

同サービスの利用者数はサービス開始から13カ月で8,680万人に達しました。

この数字が業績にどう影響したかは、近々明らかになるでしょう。

一方で、ディズニープラスの成功は、同社の従来の事業には不利益であることも事実です。

同じ作品が配信で楽しめるようになったため、DVDやデジタル関連の売上は下がっています。

オンラインのサービスを推進することで、ケーブルテレビや衛星放送のプロバイダーから得ていた利益率の高い手数料は逆に失われます。

しかし、他社に先を越される前に自らのビジネスモデルに破壊的革新をもたらした点は評価すべきです。

課題は他にもあります。

運営する世界中のテーマパークの半分は閉園の状態にあり、かつて同社の大きな収入源だった映画産業も映画館の閉館が続いています(ディズニーは2019年の興行収入上位作品6本を輩出)。

人気のディズニープラスも、事業の黒字化は早くて2024年度になりそうです。

それでも、ノルウェージャン・クルーズラインをより高く評価することは難しいでしょう。

同社は業界3位ですが、そのシェアは非常に大きい訳ではなく、また大手でも生き残りが難しい業界です。

クルーズ旅行の根強いファン層は、旅行のキャンセルや払い戻しの遅延に見舞われ、また、これまでクルーズ船を旅行の選択肢としていなかった層からの需要がすぐに伸びるとは思えません。

政府の積極的な景気刺激策で景気が急速に好転すれば、旅行の潜在需要の伸びが同社にプラスとなる可能性はあります。

これはディズニーについても同様ですが、ディズニーは様々な商品やサービス、コンテンツを有し、あらゆる価格帯、あらゆる嗜好をカバーしています。

投資先の選択肢としては、大きく差をつけてディズニーが有利な位置にあると言えるでしょう。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Rick Munarrizは、ウォルト・ディズニー株を保有しています。モトリーフール米国本社は、ウォルト・ディズニー株を保有し、推奨しています。
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