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【米国株動向】買いの好機が訪れている米国クラウド関連3銘柄

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、202124日投稿記事より

2020年は、パンデミックがもたらした混乱に直面した多くの企業が、事業を継続するためにIT支出を削減しました。

しかし2021年は、パンデミックと都市封鎖(ロックダウン)の影響が和らぐにつれて、IT支出が復活するはずです。

中でもIT予算に占める割合が増えているのがクラウドコンピューティングで、あらゆる指標が同業界の今後10年にわたる高成長を示唆しています。

以下、現時点で買いの好機が訪れていると思われる3つのクラウドコンピューティング関連銘柄としてアナプラン(NYSE:PLAN)、メダリア(NYSE:MDLA)、セールスフォース・ドット・コム(NYSE:CRM)を紹介します。

アナプラン:AIを活用した高精度なERPソフトウェアを提供

ガートナーの推計によると、2021年の世界のIT投資額は、前年比4%増の約3兆7,500億ドルとなり、中でも企業向け業務ソフトウェアは同7%超のペースで成長する見通しです。

アナプランは企業向け業務ソフトウェアを手掛ける企業の1つであり、具体的には人工知能(AI)を応用したクラウドベースのエンタープライズ・リソース・プランニング (ERP) サービスを提供しています。

ERPは、企業が予算作成、需給予測、マーケティング実績分析などの計画を様々なシナリオで立案するのを支援するソフトウェアですが、同社は既存のERPソフトウェア会社に対していくつかの重要な優位性を持っています。

まず、同社のソフトウェアはクラウド・ネイティブであるため、ITインフラを全面的にクラウドコンピューティングに移行させる企業にとって最適な組み合わせであることです。

また、同社のソフトウェアはコラボレーション作業を前提に構築されていることも特徴です。

多くの従業員がリモートで勤務する現状では、コラボレーションへの対応は必須です。

さらに、同社のサービスには機械学習が組み込まれているため、計画立案チームは予想される結果に関してより多くの洞察を得て、不測の事態への備えが強化された計画を立案できます。

アナプランのソフトウェアの優位性は業績に現れています。

昨年は、顧客が新規の支出を抑制したため、他の業務ソフトウェア開発会社と同様、売上高は打撃を受けました。

それにもかかわらず、2020年10月31日に終了した2021年度の最初の9ヵ月間の前年同期比増収率は30%の成長となりました。

昨年春からのパンデミックの影響が一巡し始めれば、増収率が加速する可能性は高いと思われます。

確かに、投資家がアナプランに投資する前に考慮すべき点はいくつかあります。

例えば、2021年度(2020年10月31日に終了)の最初の9ヵ月間のフリーキャッシュフロー(FCF)は2,780万ドルのマイナスとなりました。

現在は成長を最大化するために多額の投資を行っており、FCFがすぐに黒字化するとは思えません。

しかし、同社の昨年10月末時点の現金保有残高は2億9,700万ドルと潤沢です。

12ヵ月間実績株価売上高倍率(PSR)は23倍であり、ERP分野での現在の成長ペースと長期的な潜在力を考えると、同社には長期的な価値があると思われます。

メダリア:今後の急成長が見込まれるデジタル体験管理ツール企業

メダリアは、アプリケーションやデジタルなやりとりにおけるユーザー体験を測定するデジタル信号を捕捉して、顧客および従業員体験の改善に結びつけるサービス(体験管理)を提供しています。

このプラットフォームは、ユーザーとのやりとりを分析して将来のやりとりを予測し、改善のための実践的な手順を提供します。

体験管理を手掛ける企業には他にクアルトリクスがあります。

同社は、SAP が2019年に80億ドル買収した後、最近になって新規株式公開(IPO)を通じてスピンオフした企業であり、現在の時価総額は約250億ドルに近く、12ヵ月間実績PSRは約30倍です。

一方、メダリアの時価総額は62億ドルで、12ヵ月間実績PSRは13倍弱です(本稿執筆時点)。

メダリアが相対的に割安となっているのには理由があります。

2021年度の最初の3四半期の売上高は、アナプランと同様に業務用ソフトウェア支出動向の影響を受けて前年同期比20%増にとどまりました。

同じ期間のFCFは2,600万ドルのマイナスで、損益は依然として赤字です。

しかし、昨年10月末時点で現金および現金同等物が6億5,400万ドルだったに対し、転換社債の発行残高は4億4,200万ドルにとどまり、財務状態は良好です。

2021年は、企業がデジタル予算を見直すにつれてメダリアのソフトウェアの成長が持ち直す可能性があります。13倍弱という現時点での実績PSRは割安だと筆者は考えています。

デジタル体験ソフトウェアは、企業が顧客と従業員の流出を防ぐのに役立つ強力なツールであり、その継続的な改善は、急速に変化する時代に適応しようとしている多くの企業にとって新しい領域であり、非常に重要です。

メダリアの成長は始まったばかりだと筆者は考えています。

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セールスフォース:業容を拡大して地位の強化に取り組むクラウド業界のリーダー

アナプランとメダリアは成長中の企業であり、損益は黒字化するレベルに達しようとしていますが、クラウドのパイオニアであるセールスフォースは数年前に黒字化を達成しています。

同社はこのところ、ニッチなソフトウェアサービス(営業およびサービスのリレーションシップマネジメント)から本格的な企業向け業務ソフトウェアプラットフォームへの転換に取り組んでいます。

同社は、小規模なソフトウェア開発会社を買収して同社のエコシステムにつなげることにより、多くの企業のデジタルツールキットの中心的存在となりつつあります。

その結果、同社はマイクロソフトなどのクラウドコンピューティング大手企業との競争にさらされようとしています。

同社にとって最大の買収規模となる直近の案件が、コラボレーションソフトウェア開発会社のスラックです。

セールスフォースの株価は、スラックの買収がそれに見合った収益につながらないのではないかというリスクを反映して、過去最高値から約20%下落しています。

しかし、筆者は押し目買いのチャンスと見ています。

それには理由が2つあります。第一に、同社には、買収した企業の収益性を高めてきた長い実績がありますが、急成長しているスラックが過去の買収先と異なる結果になるとは思いません。

第二に、セールスフォースは 2021 年の IT 支出の回復の恩恵を受ける可能性があります。

顧客の多くがパンデミックによる打撃を受けましたが、予算が徐々に増えてくれば、クラウドプラットフォームの動きは活発になるでしょう。

株価は、過去12ヵ月株価FCFの約60倍と、割高で取引されています。

しかし、同社は世界最大のソフトウェア企業の1つになることを使命としており、筆者はこれまでの成功を踏まえて同社の野心的な目標は達成されると楽観的に考えています。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Nicholas Rossolilloは、アナプラン株、マイクロソフト株、セールスフォース株を保有しています。Nicholas Rossolilloの顧客は、記事で言及されている株式を保有しているかもしれません。モトリーフール米国本社は、アナプラン株、メダリア株、マイクロソフト株、セールスフォース株、スラック・テクノロジーズ株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、ガートナー株を推奨しています。
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