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ステイホームの恩恵を受けるゲームETF「HERO」から選ぶ優秀銘柄

出典:Getty Images

昨年3月のコロナショックで大暴落した各国の株式市場は、後に新型コロナウィルス感染拡大の第三波が猛威を振るう中、年末には世界の上場企業の株式時価総額は100兆ドルを超え、2021年は年始から主要株価指数が軒並み高値を更新するなど相場環境は良好です。

特に、昨今では「ディスラプター(創造的破壊者)」と呼ばれる従来のビジネスモデルを覆す様な「フィンテック」や「自動運転」などのテクノロジー企業の台頭を背景に、関連ETFの運用残高は前期比6割増と資金流入の加速が顕著です。

出所:Global X「Thematic ETF Report」を基に筆者作成

とりわけ、2020年は世界的な外出制限をきっかけに、ビデオゲームやeスポーツといった非接触型のバーチャルなエンターテイメントが「巣ごもり需要」として人気化し、足元では、「Xbox SeriesX」や「PS5」などの新機種が年末商戦の目玉商品となりました。

出所:ARK Investment「Big Ideas 2021」を基に筆者作成

さらに、新型コロナウィルスのワクチン供給体制整備や企業による在宅勤務の長期化が予想される中、今年以降も「おうち時間」の増加がゲーム産業には追い風となる可能性が高く、米ARKインベストメント・マネジメントによると、今後5年間で世界のゲーム市場が年複利成長率16%で拡大し、2025年までに4,000億ドルに達すると試算されています。

そこで、今回は世界の潮流への投資を目的とした「テーマ型ETF」を専門とする米運用会社グローバルXが運用するETFの中でも特に、「破壊的創造テーマ」を対象にしたETFより「Global X Video Games & Esports ETF」(HERO)とその構成銘柄をご紹介致します。

ゲームETFに注目。その名は「HERO」

同社によると、「破壊的創造テクノロジー」に分類されるカテゴリーには、ビックデータやフィンテックなどの「メガ・テーマ」と呼ばれる6つの投資テーマがあり、それぞれの分野に特化した代表的なETF11銘柄を紹介しています。

Mega-Theme ETFs Net Assets 1 Year Return
Mobility LIT Lithium & Battery Tech ETF 2,722.5 126.51%
Digital Content HERO Video Games & Esports ETF 711.3 90.95%
Digital Content SOCL Social Media ETF 347.6 78.18%
Big Data CLOU Cloud Computing ETF 1,564.8 77.08%
Big Data BUG Cybersecurity ETF 260.0 71.17%
Mobility DRIV Autonomous & Electric Vehicles ETF 478.3 62.21%
FinTech FINX FinTech ETF 1,086.7 53.67%
Big Data AIQ Artificial Intelligence & Technology ETF 157.6 52.94%
Robotics BOTZ Robotics & Artificial Intelligence ETF 2,577.9 50.68%
Connectivity SNSR Internet of Things ETF 375.3 35.17%
Connectivity VPN Data Center REITs & Digital Infrastructure ETF 7.1 N/A

出所:Global X「Fund Map」を基に筆者作成(2021年1月20日時点)

銘柄別パフォーマンスでは、「モビリティ」に分類される「LIT」や「デジタルコンテンツ」に投資する「HERO」といったコロナ禍で注目されたEVや自動運転また、オンラインエンターテイメントなどが投資対象として好成績を残しています。

特に、従来の家庭用・PCゲーム機に加えて、次世代通信規格「5G」の普及からスマホを中心としたモバイルゲームの市場全体におけるシェアは2022年に4割に達すると見られ、場所を選ばずに、好みに合わせてデジタルコンテンツをより快適に楽しめる時代が予想されています。

出所:Global X「Introducing the Global X Video Games & Esports ETF」を基に筆者作成

今回は、コロナ禍、そして将来的な成長が期待される「デジタルコンテンツ」をテーマにしたETFとして、「HERO」を分析対象に、構成銘柄から営業利益率の高い上位3銘柄をご紹介致します。

出所:Global X「Fact Sheet」を基に筆者作成

セクター別では、「ゲーム/eスポーツ」などのエンターテイメントを手掛ける「一般消費財」「コミュニケーションサービス」「情報技術」の3業種が9割超を構成しており、国別構成シェアは日本と米国の2ヵ国合計50%超と先進国2強が競争優位性に長けています。

【優秀銘柄】~HERO~

  Ticker Name Operating Margin (TTM)% Revenue Growth (3-YearAnnualized)% Sector
1 3659 JP NEXON CO LTD 36.4 10.72 Communication Services
2 ATVI ACTIVISION BLIZZARD INC 34.7 -0.6 Communication Services
3 7974 JP NINTENDO CO LTD 33.6 38.82 Communication Services
4 9697 JP CAPCOM CO LTD 30.9 -2.18 Communication Services
5 NVDA NVIDIA CORP 27.2 16.47 Information Technology
6 EA ELECTRONIC ARTS INC 24.8 4.55 Communication Services
7 NTES NETEASE INC-ADR 20.8 15.77 Communication Services
8 EMBRACB SS EMBRACER GROUP AB 6.6 112.51 Communication Services
9 BILI BILIBILI INC-ADR -26.1 134.84 Communication Services
10 SE SEA LTD-ADR -32.8 84.63 Communication Services

出所:各指標:Key Ratio(morinigstar.com)

*いずれも2021/1/25時点のデータを参照

ネクソン

韓国発祥の後、2000年に日本に進出した同社は、現在60タイトルを超える様々なジャンルのオンラインゲームを世界190ヶ国以上で配信するグローバル企業であり、東証に上場するゲーム関連企業としては、ソニーと任天堂に次ぐ時価総額を誇る大手ゲームメーカ―です。

特に、20年以上の実績を持つ業界トップクラスのライブ運用による「マルチプレイヤー・オンラインゲーム」体験に強みがあり、「メイプルストーリー」や「アラド戦記」といった10年超に渡って、利用される自社タイトル持ち、後者においては、中国を中心に累計登録ユーザー数が7億人を超えるロングセラーのアクションRPGです。

また、サービス開始から25年目の「風の王国」は世界最長の多人数参加型オンライン型のロールプレイングゲーム(RPG)としてギネス記録に認定されており、長期的なゲーム事業運用の背景には、「F2P(free to play)」と呼ばれる、基本プレイ料金を徴収せずにアイテム課金を主軸とした収益モデルにより、新規ユーザーが参入しやすい点が挙げられます。

事業セグメントはPCオンライン事業とモバイルゲームの2部門から構成されており、直近の第3Q決算では、モバイルゲームの売上げが前年同期比2.4倍とスマホ向けコンテンツが好調であり、「アラド戦記モバイル」や「メイプルストーリーM」といった従来のヒット作を新たな収益源にする事で、同部門は売上げ全体の4割を占めるまでに成長しています。

財務面では、過去10年間のフリーキャッシュ・フローマージンの平均値が約36%と利益率の高いビジネスモデルと同時に、直近3年間の売上高平均成長率も二桁を確保するなど安定した収益源をてこに、既存及び新作ゲームの開発力を高める事で、ユーザーのロイヤリティー強化を促す好循環な経営環境を実現しています。

Activision Blizzard

アクティビジョン・ブリザード(NASDAQ:ATVI)は、2008年に当時の家庭用ゲーム機大手の「アクティビジョン」とPCゲーム大手「ブリザード」の2社の合併により誕生しました。

全米最大手のゲームソフト会社であり、人気シューティングゲームの「コール・オブ・デューティ」は12年間に渡って、計14タイトルをリリースかつ、Eスポーツリーグの運営など多方面で活躍する大ヒット作品です。

代表的なフランチャイズには、大規模オンラインマルチプレーヤーゲームの「ワールド・オブ・ウォークラフト」やレーシングゲームの「クラッシュ・バンディクー」に加えて、2016年には「キャンディークラッシュ」を配信するスマホゲーム大手の英キング社を買収した事で、モバイル向けコンテンツの拡充を図っています。

直近の第3Q決算では、売上高が前年同期比52%増かつ、EPSが同3倍の増収増益といずれも市場予想を上回りかつ、通期の見通しをそれぞれ引き上げるなどコロナ禍の外出規制によるゲーム需要の拡大を追い風に良好な経営環境が続いています。

部門別では、ゲームソフトの月間アクティブユーザー数が1億人超の「アクティビジョン」事業の売上高が前年同期比270%増、また営業利益率が45%と高収益なビジネスモデルが業績全体にプラスに寄与した事で、株価の直近1年間の騰落率は50%超と米主要株式指数を大きく上回って推移、またゲーム事業売上で最大手のテンセントも同社に出資しています。

財務面では、過去10年間におけるフリーキャッシュフロー・マージンの平均値が約26%とい長期的に高収益を維持する一方で、インタレスト・カバレッジ・レシオが27倍かつ、D/Eレシオも0.25倍と負債の返済能力も高いため、極めて安全性の高い事業モデルと言えます。

任天堂

日本を代表する老舗企業である任天堂(OTC:NTDOY)のルーツは1889年にまで遡り、以来132年に渡って、トランプ・かるたからゲーム専用機といったホームエンターテイメントを提供しており、特にゲームソフトの累計販売数量は51億超と世界トップクラスのゲームメーカーです。

同社は、「ニンテンドースイッチ」や「ニンテンドー3DS」といったポータブルを含むハードウェアかつ、「スーパーマリオ」や「どうぶつの森」といったソフトの双方に強みがあり、また世界的に知名度の高い「ポケモン」といった「IP(知的財産)事業」など多角化された収益源が競争率の高いゲーム業界において大きな武器であると言えます。

ゲームコンテンツに加えて、直近では「ニンテンドースイッチ」上で通信機能を使い、遠隔でユーザー間交流が可能なサブスクリプションサービスを開始しており、昨年9月時点で会員数が2600万人超と1年半で2.5倍以上に拡大するなど、特に「あつ森」が販売実績累計で2604万本と発売半年で歴代2位の爆発的ヒットとなり、有料会員増加に貢献しています。

直近発表の中間決算では、売上高が前年同期比73%増かつ、純利益も同3.4倍の増収増益を達成しており、いずれも事前の市場予測を超えて、過去1年間の株価騰落率が約30年ぶりの高値圏にある日経平均を大きく上回る46%と過去最高値を更新しています。

財務面では、営業利益率及びROEが20%超と収益率の高い事業モデルを支える「ハードとソフト一体型ビジネス」が好循環する事で、過去3年間における売上成長率は約38%と直近のコロナ禍における「巣ごもり消費」を追い風に今後の連続増収が期待されます。

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