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アリババ・グループの最新決算情報と今後の株価の推移

出典:アリババ

アリババ・グループ(NYSE:BABA)は中国に本社を置く、電子商取引・ITサービス持株会社です。

主な事業としては、子会社を通じて企業間電子商取引事業を展開しており、オンラインショッピングサイトである「タオバオ」、小売業者向けプラットフォーム「Tフォーム」、共同購入サイトの「ジュファサン」などを運営しています。

またクラウド関連の事業も展開しています。

主な競合企業としてはテンセントが挙げられます。

両企業のカバージャンルはやや異なっていますが、キャッシュレス決済ではアリババ社の「支付宝(アリペイ)」とテンセント社の「WeChat Pay」が競合しており、投資事業やクラウド事業でも競合しています。

本記事ではアリババ・グループの最新決算である2020年第3四半期決算の情報と今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前における株価等のデータ

決算発表前日である2021/02/01における株価の値動きについて見ていきます。

1日における同社株価の始値は258.04ドル、終値は264.56ドルとなっていました。

同社の株価は2016年頃から2018年頃まで上昇し続けた後は、上昇・下落を繰り返しながら緩やかに上昇していました。

コロナショックが発生した2月中旬頃は220ドル前後推移していましたが、3月末には170ドル前後まで下落しています。

6月頃にはコロナショック以前の株価にまで回復しており、その後も同社株価は10月末頃までは順調に上昇を続けていました。

しかしながら11月初頭に同社傘下のフィンテック企業であるアント・グループによる史上最大規模のIPOが中止を余儀なくされてからは、同社株価も軟調な推移をしています。

アリババ・グループが今後どのような処遇を受けるのかどうかは不明であり、その不安定さから、投資家が同社の株式から離れていると考えることができます。

この一連の流れが、好調に推移してきたアリババ・グループの勢いに歯止めをかけました。

執筆時時点での同社時価総額は7,247億ドルとなっています。

最新決算情報について

概要

2020年第3四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…338.83億ドル(前年同期比37%増)
  • 営業利益…75.10億ドル(前年同期比24%増)
  • 普通株主に帰属する純利益…121.73億ドル(前年同期比52%増)
  • 希薄化後EPS…0.55ドル(前年同期比48%増)

アナリストによる同社業績の事前予想は、売上高が2141.7億人民元、non-GAAPベースのEPSが20.59人民元となっていました。

実際の業績は、売上高が2210.8億人民元、non-GAAPベースのEPSが22.03人民元となっていましたので、事前予想を上回る業績を残すことができていることが分かります。

同社CEOが決算短信で発表したコメントは以下の通りです。

中国は昨年、GDPがプラス成長を達成した唯一の主要経済国でした。

中国経済の急速な回復のおかげで、アリババは今年も非常に健全な四半期を迎えることができました。

消費を喚起し、消費者の需要を満たし、パンデミックの影響を受けた加盟店の事業回復を支援することで、『11.11グローバルショッピングフェスティバル』を再び成功させることができました。

当社のクラウドコンピューティング事業は、中国の新興クラウドコンピューティング市場の巨大な可能性と、当社の長年の技術投資を反映して、市場のリーダーシップを拡大し続け、力強い成長を示しています。

今後もお客様のために価値を創造し、イノベーションでリードし、社会に貢献していくことを確信しています。

同社CEOは中国経済の回復と、独身の日(11.11)の成功を強く強調しています。

また電話会見で、アント・グループの事業見通し及びIPO計画はかなりの不確実性にさらされており、中国当局による調査が決着を見せた際、市場に対して新たな情報を提供すると発言しました。

アリババ・グループ及び傘下のアント・グループは未だ不確実性にさらされていると言え、今後の動向を予想することは難しいでしょう。

詳細

続いて同社決算をセグメント別に見ていきます。

  • コア・コマース事業…299.68億ドル(前年同期比38%増)
  • クラウドコンピューティング事業…24.70億ドル(前年同期比50%増)
  • デジタルメディア・エンターテインメント事業…12.38億ドル(前年同期比1%増)
  • イノベーション事業及びその他事業…2.07億ドル(前年同期比9%増)

同社の中核事業であるコア・コマース事業の顧客について、中国リテールマーケットプレイスのモバイルMAUは9億200万人、年間アクティブ消費者数は2020年の12ヵ月で7億7,900万人となっています。

これは四半期ごとに2,200万人の純増となっています。

続いて売上について見ていきます。

同社が運営するオンラインショッピングサイト「タオバオ」のGMV(流通取引総額)は前年同期比で19%増加しています。

また独身の日である11月11日に開催した特別セールである「11.11グローバルショッピングフェスティバル」におけるGMVは、前年から86%増加した741億ドルとなっていました。

コロナ禍における巣ごもり需要と、日本などをはじめとした海外に旅行することができないことによる爆買い予算の余りが相乗効果を生み、同社が開催した特別セールの記録的な取引額に貢献したと言えるでしょう。

コロナ禍にあり、同社のオンラインショッピングサービスを極めて好調であると言えます。

好調なコア・コマース事業以上の成長を見せているクラウドコンピューティング事業では、様々な業界向けにクラウド上で包括的なテクノロジーソリューションとサービスを提供しています。

同社が提供するサービスは企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。

また同事業は調整後EBITAベースで初の黒字化を達成しました。

今後もDXの流れは続くと考えられますので、同事業の業績は、今後も好調に推移していくものと考えることができるでしょう。

決算発表後における株価の推移

決算発表直後である02/02における同社株価の値動きについて確認します。

前日終値である264.56ドルに対して、2日における同社株価の始値は264.66ドルとなっていました。

しかしその後同社株価は大きく下落し、終値は255.00ドルと、4%弱安で終わっていました。

同社株価が下落した要因として、中国当局による調査の行方が分からず、投資家がリスクを感じていることが挙げられるのではないでしょうか。

同社の業績は極めて好調であり、業績面で不審な点は見当たりません。

しかし資本主義とはやや異なるイデオロギーを掲げる中国当局にアリババ・グループが目をつけられました。

同社を取り巻く状況を経験した企業はなく、今後の動きを誰も予想することができないことが、同社の株安につながっていると考えることができるのではないでしょうか。

同社は当局による介入というリスクにさらされています。

好調な決算をもってしても株価は下落しましたので、今後も低調な推移を続けていくものと考えられます。

中国当局とアリババ・グループによる状況の変化は、同社株価に大きな影響をもたらすと言え、今後の動向に注目が集まります。

同銘柄を保有している人はもちろん、保有していない人も、中国もすでに経済大国の一角であるという認識の下、注目してみると良いかもしれません。

参考元:Alibaba Group Announces December Quarter 2020 Results

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コロナ禍で消費者が一斉にレストランや航空機の利用を敬遠した一方、在宅需要という大きな恩恵を享受し、新産業として伸びた分野もあります。過去1年で既に株価は大幅に上昇してしまいましたが、在宅関連銘柄としても、長期的な成長株としても注目できる3銘柄を取り上げます。

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