【米国株動向】2月のロビンフッド上位50銘柄

モトリーフール米国本社、2021年2月1日投稿記事より
この11カ月は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)が2020年3月に史上最高値を記録したほか、S&P500指数が史上最速で弱気相場入りした後に急速に反発し史上最高値を付けるなど、市場はかつてないほど大きく変動しました。
動きの激しい市場から距離をおく投資家もいますが、ロビンフッドの投資家は生き生きとしています。
取引手数料無料、端株投資、および新ユーザーに対する無料の株のプレゼントで知られるオンライン投資アプリのロビンフッドは、とりわけ若い投資家の獲得に長けており(ユーザーの平均年齢は31歳)、2020年は約300万人の新規ユーザーを獲得しています。
ミレニアル世代や投資初心者の特徴は、複利計算の詳細や長期投資の大切さを理解していない人が多く、その結果、超小型株、モメンタム株、さもなければ酷い内容の会社に投資しがちであるということです。
実際に、2月初めの時点でのロビンフッド上位50銘柄を見てみましょう。
銘柄 | 銘柄 |
1.アップル | 26. アドバンスト・マイクロ・デバイシズ |
2.テスラ(NASDAQ:TSLA) | 27.フェイスブック(NASDAQ:FB) |
3.ニーオ | 28.チャーチル・キャピタル |
4.ゼネラル・エレクトリック | 29.ゾメディカ |
5.フォード・モーター | 30.ノルウェージャン・クルーズ・ライン |
6.マイクロソフト | 31.キャノピー・グロース |
7.アマゾン・ドット・コム | 32.ボーイング |
8.ウォルト・ディズニー | 33.パランティアテクノロジーズ |
9.アメリカン航空 | 34.ユナイテッド航空 |
10.プラグ・パワー(NASDAQ:PLUG) | 35.AT&T |
11.ファイザー | 36.ツイッター |
12.オーロラ・カナビス(NYSE:ACB) | 37.オルガニグラム・ホールディングス |
13.デルタ航空 | 38.コカ・コーラ |
14.カーニバル | 39.ブラックベリー |
15.サンダイアル・グローワーズ(NASDAQ:SNDL) | 40.ヴァージン・ギャラクティック |
16.ゴープロ | 41.スターバックス |
17.AMCエンターテインメント(NYSE:AMC) | 42.クロノス・グループ |
18.アフリア | 43.ウーバー・テクノロジーズ |
19.モデルナ | 44.ジンガ |
20.アリババ | 45.ノキア |
21.スナップ | 46.エヌビディア |
22.バンク・オブ・アメリカ | 47.アイディアノミクス |
23.ゲームストップ(NYSE:GME) | 48.ニコラ |
24.ネットフリックス | 49.バンガードS&P500ETF |
25.フューエルセル・エナジー | 50.バイオナノ・ジェノミクス |
このリストで際立っているのは、恐らくいわゆる「レディット攻撃銘柄」が急速にランキング上位に進出していることです。
私がレディット攻撃と呼んでいるのは、米国の掲示板型ウェブサイト「レディット」の人気フォーラム「ウォールストリート・ベッツ」に参加する投資家グループが、空売り残高が積み上がっている株を標的にして、踏み上げ(ショートスクイーズ)を引き起こす目的で一致団結して投資する最近の現象です。
ロビンフッドが1月28日にレディットで煽られた多くの銘柄の取引を制限し、1月29日も買い取引の制限を行ったことから状況は流動的であり、ゲームストップ、AMCエンターテインメント・ホールディングス、ブラックベリーなどがいつまでランキング上位にとどまるかは不明であり、注意が必要です。
ひとつ自信を持って言えることは、とりわけゲームストップとAMCエンターテインメントの株価に起きたことは、良い終わり方をしないだろうということです。
AMCは破産法適用申請を辛うじて回避したばかりであり、一方ゲームストップは3年間にわたって売上減少と3年連続の赤字に取り組んでおり、ミレニアル世代が関わりをもつべき銘柄ではありません。
代替エネルギー銘柄は引き続きミレニアル世代に人気
ミレニアル世代の投資家におけるもうひとつの明らかな傾向は、環境に優しいエネルギー分野が好きで、とりわけ電気自動車(EV)メーカーおよび同部品メーカーと水素燃料電池企業に夢中だということです。
ランキング2位のテスラは1月に数日間アップルを抜き、ロビンフッド上で最も多く保有されている銘柄となりました。
同社はイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の2020年度目標販売台数である50万台をわずかながら達成できませんでした(実績49万9,550台)が、通年で初めて黒字を計上しました。
昨年9月に開催された投資家向けイベントの説明によれば、同社のバッテリー容量、出力、航続距離は競合に対する優位性を維持する見込みです。
EV以外では、ロビンフッドの投資家はプラグ・パワーを高く評価しています。
同社の水素燃料電池はアマゾンやウォルマートなどの大手小売企業の倉庫に向けた燃料電池フォークリフトの供給という形で目に見える実績をあげており、将来は自動車やトラックで多くの用途が考えられます。
同社は1月に韓国のSKグループとの、さらにはフランスのルノーとの合弁契約に調印しました。
EV株と水素燃料電池株は極めてバブルのようにも見えますが、若き投資家たちの代替エネルギー株投資の妨げとはなっていません。
大麻株の流行は続く
ロビンフッド上で最も人気があった大麻株も一頃の人気はなくなりましたが、カナダの大麻株は引き続き若い投資家に人気があります。
ロビンフッドの最大の欠点は店頭(OTC)銘柄の購入ができないことかもしれません。
米国の質の高い大麻株は主要な証券取引所に上場できないため、ロビンフッドの投資家は規制上の問題と供給上の懸念があり、株価パフォーマンスで劣るカナダの大麻株を買う以外に選択肢はありません。
上位50銘柄のリスト中にカナダの大麻株が6銘柄含まれていますが、残念なことに6銘柄中最悪の2銘柄であるオーロラ・カナビスとサンダイアル・グローワーズが最も多く保有されています。
オーロラ・カナビスは必要となる生産能力を過大に見積もり、2016年半ば以降、価格の高過ぎる買収を10数件実施した結果、昨年は総資産額の約半分に相当する減損処理を実施しました。
さらに悪いことに、買収資金と運転資金を調達するため増資に依存してきたことから、同社の発行済株式数は2014年6月以降で1万2,200%増加しています。
同様に超小型株のサンダイアルも株式をまるで水のように発行してきたほか、負債の一部を株式に転換した結果、発行済株式数の急増により既存株主は株式価値の希薄化に喘いでいます。
FAANGは常連
最後に、FAANG、すなわちフェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、およびグーグル(アルファベットの子会社)が上位にランキングされているのに気づくでしょう(アルファベットのクラスA株(GOOGL)は上位100位のリストに入っています)。
ミレニアル世代のFAANG好きは驚くことではありません。
これらの企業は若い投資家たちが小さい時から慣れ親しんだブランドであり、これまで間違いなく優れた実績をあげてきました。
たとえば、フェイスブックは第4四半期の決算を先週発表し、いつものように予想を上回りました。
同社と同名のプラットフォームにアクセスする毎月のアクティブユーザー数(MAU)は今や28億人を数え、ワッツアップとインスタグラムを含む同社の全プラットフォームにおけるMAUは33億人に達しています。
広告主もこれほど広範かつ多数の広告ターゲットにアクセスできる場所が他にないことは良く理解しています。
過去数十年で最も厳しい景気後退と100年に一度ともいえるパンデミックに見舞われた年にフェイスブックの売上高は前年から21%増加しました。
こうした数字が、ロビンフッドの投資家がFAANGに押し寄せる理由なのです。
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